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この三月にしていたこと(成城比丘太郎のコラム-17)

投稿日:2020年4月3日 更新日:

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  • 三月にしたこと
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  • おすすめ度:特になし

2020年3月は、世間が騒がしかったりそうでなかったりして、できないことが色々あった。まずは、法事の予定をとりやめて延期したこと。これ自体はべつにどうということはないのだけども、それより個人的に興味深いのが、出かけるのをとりやめた山陰地方が今のところ(3/31)、感染者がいないということで、県外者からの旅行客がまあまあ行っているよう(全体的に減ってはいるけど)。いつもは、人口の少なさだけをバカにされてきた地方だけに、その人口密度の低さが皮肉な結果?をもたらしたのかどうか。まあ、鳥取市や米子市以外は、ほんとに人が少ないからなぁ、鳥取県(島根県も)。あと、美術館に行こうかどうか迷ってたけど、これは別にどうでもよかったのでやめた。ちなみに花見はとりやめずに行くつもり。といっても、ドンチャンするのではなくて、ただ公園の桜の下を通り過ぎるだけだが。

読書に関していうと、図書館閉館の影響も関係なく、ふつう通りにおこなっていた。なんせ、図書館から本が借りられなくても、まだその中身の半分も読んでいない本を、百冊以上も本棚に眠らせているのだから(←アホ)、これといって困ることはなかった。ただし、4月以降予約がたまっていた分が、梅雨時のダム放流のように押し寄せてくることが予想されるので、今月書くものは、今回のブログ記事のように、読書とは関係ないものになるでしょう。おそらく今月中は大したことは書かないでしょう。

まあ他にも、色々と影響はあったが、それらと違って、まったく平常通りにおこなっていたことがあった。それはいうまでもなく競馬です。JRA(というか農水省というか政府)はおそらく、無観客だろうがなにがなんでも催行したいので、よほどのことがない限り粛々と?開催を続けるでしょう。アメリカとかはすでに延期(中止)を決めているというのに。しかし、騎手などの競馬関係者に感染者が出ればどうなるかわからない。ここで思い出したけど、競馬が2007年に中止になったことがありました。それは「馬インフルエンザ」感染の影響です。たぶん競馬ファン以外誰もおぼえていないだろうけど。ちなみに今日(3/29)、降雪の影響で中山競馬が中止になりました。代替競馬などせずにマーチSだけ来週に回せばいいのに。というか私が購入するのをやめればいいだけの話だけど。それにしても、今日のクリノガウディー・・・まあ和田が右ムチくれてなければ三着あったかどうかだけども・・・

さて、3月は色んなイベントが中止になったけど、強行(?)されたものもありました。そのひとつに、SSA(さいたまスーパーアリーナ)で行われた格闘技イベントがあった。これじたいの是非はどうでもいいけど、それに関するニュースをちょっと見て、去年(2019年)の3月に同じくSSAでおこなわれたWUGのファイナルライブを思い出した(そのライブに行ったわけではないけど)。もし解散の時期を一年遅らせていたら、なんかもやもやしたまま解散していたのかということか。で、今年の3/6にそのファイナルライブの上映会が行われる予定だったけども、それは中止になった。その上映会に行くつもりはなかったけど、まあしゃーないかと思って、自分で勝手にひとり上映会を行った(一緒に観てくれる人がいない)。

WUGのライブ映像は定期的に観るけど、これほど何度も(何十回も)観ていて飽きないライブはない。ここ30年近くアイドル的な声優ユニットをいろいろ見てきたけど、これほどおもしろいものはなかった。洗練されすぎない洗練さを極めたという点を含めて、女性グループでいうとWUGはひとつの完成形だった(他にもいるけど)。それはすなわち、アニメ(二次元)でよく描かれる少年少女たちの成長を三次元で体現していたユニットだったということ(逆に言うと、両者がリンクしすぎていた)。まあそれはいいとして、洗練された地味さがあって、それとファン(ワグナー)のコールとの相乗効果でなんともいえないステージに仕上がっているのがよかったのと、あとライブ中たまに微妙な空気になるのもよかった。ちなみに最近の一般的に人気のあるアイドルグループはあまり観ないので、それとの比較はできない。

ほんで、ライブを観ていて、自分がなぜ最近のアイドルアニメがダメなのかということがわかった。単純なことだった。40歳を過ぎてから急に興味がなくなっただけだった(その理由はわからないけど)。『ラブライブ』も初期の「ミューズ」の曲自体はたまに聴いていたけど、『ラブライブサンシャイン(アクア)』になってから全くどうでもよくなった。『デレマス』もまあおもろかったけど、それ以降のアイドルアニメに関しては、「ふーん」くらいしかない。WUGの曲自体も初期のアイワンの曲を含んだうえでの、「少女交響曲」や「Beyond-the-Bottom」が頂点で、それ以降のものはオマケみたいなものだったことに気付いた(それ以降のものも曲は良いのですが)。

さて話かわって、『推し武道』はアイドルアニメとしてはとてもキレイに終わった。おそらく、原作のイケメン野郎は出てこなかったと思うけど、あいつは出さなくてよかったのだろう。とくに重要なキャラでもないし、もし出してたら不評だっただろうな。それから、原作の分量を考えると、続編は(あったとしても)まだまだだろうな。というか、続編考えてない構成のような気がする。今回のアニメ化をみてたら、出版社とか(のスポンサー)はたぶんあまり力を入れてなかったのかな。『まちカドまぞく』もそうだけど、TBSアニメは放送局が少ない方がヒットするのでは。それか、『ハイキュー』の枠に入れてほしかったが、まあ無理か。ところで、『推し武道』の年越し回(9話)で、えりぴよさんが「明けない夜はないから」と叫んでたけど、これってまんまWUGの「タチアガレ」の歌詞じゃあないか。あと、ゆめ莉の手のポーズは「こんばんWUG(こんばんワグ)」に見える。これは原作でもやっていたけど、よくあるポーズなのだろうか。さらに、くまささんが志摩リンの例の謎言語を発していたように、色々と制作者が遊んでいたのかな。

なんかアイドルの話になってきたけど、もうちょっとだけ。この前アイドルアニメの記事を書いた後に、昔(30年~35年前くらい)のアイドルが気になったので、昔の映像を、この3月に色々観ていた。まあ懐かしいものばかりだったけど、実は、一番懐かしかったのは、某三人組男性アイドルの、「アルファベットのLOVE」がどうしたこうしたという曲だった(諸事情により詳しく書けない)。曲自体は好きだった記憶があったのだけど、久しぶりに観たら、ダンスがキレキレだった。今の男性アイドルはこれくらい踊れるだろうけど、それでもなんか魅力的だった。なるほど、当時の小学生の同級生(女子)が熱くその魅力を語っていたのが、今になって分かりました。

というわけで、三月はかなりアイドルについて考えていた月だった。たぶん二十年ぶりくらいでしょう。そんななか(?)、オリンピック開催延期が決まったようです。もともとどちらかというと反対だった自分としてはパラリンピックだけにして中止にすればいいのにと思ったけど、まあどうでもいいです。延期が決まってから関東圏で感染者が増えたけどそこに何らかの相関関係があるのやらも知らない。ほんで、先週末(3/20)からの三連休に、大阪と兵庫での「不要不急」の移動自粛が呼び掛けられたとき、まあまあ否定的な意見が流れてたけど、今週末(3/28)の関西の番組で、東京から来たコメンテーターが、「東京も先週に自粛を呼びかけるべきだった」みたいなことを言ったが、それを先週言っておくべきだったかどうかは分からない。ちなみに、3/21のとある新聞(M紙ではない)では大阪・神戸の状況を他人事のように伝えていたのだけども、何とも一週間で情勢が変わったのかどうか。

ところで、作家の梅崎春生は、東京オリンピック前の昭和三十六年に、オリンピックを誘致するより、日本近海に魚を誘致すべきだと書いている。まあなんというか、作家らしいほほえましい案だけど(けっこうほめ言葉)、現在だと日本近海で誘致につとめているのは、やはりプラスチックゴミなどの海洋投棄物なのだろうか。

「観光日本などと称して、人間を寄せ集めるのもいいが、魚の方にも思いをいたしたら、如何であろうか」(「オリンピックより魚の誘致」)

以上のように梅崎春生は書いているけど、現在の作家で否定的意見を表明した人物はいるだろうか。

「やはり小説というものは、私の感じからすれば、根底のところにマイナスの部分、光ではなくて影、歪み、そんなものが必ずあるようだ。それらの上に小説というもの、小説家というものが成立しているように思う」(「居は気を移す」)

現在の作家はどちらかというと、健全な考えを持っている人が多いでしょう。まあエンタメ系作家は別にそれでいいのですが、純文学(?)的傾向を持つ作家にはやはり、メジャー路線から外れた「マイナスの部分」をもってほしい。それと、小手先の技術で書くのもいいのですが、梅崎春生のように、「小説家というものは、判らないからこそ小説を書くのである」(「私の小説作法」)という単純で歪んだ?指向をもってそこから出発してもいいのではないかと、ひそかに思った三月だった。

引用は、梅崎春生『怠惰の美徳』(中公文庫)より。

【余談】

先日、志村けんが亡くなった。小学生の時にまあまあ影響を受けたので、ちょっとかなしい。80年代アイドルと、番組で色々からんでたのが、なんとも懐かしい。なんというか、思い出補正だけど、小学生の頃のアイドルが一番輝いていた(自分の中で)。

それと、最近「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」のことを、「コロナ」と略していう人がいるけど、あれって、企業名とかであるから、あんまり略さない方がいいんじゃないかと思うんだが。

(成城比丘太郎)


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