- 2021/8/23 報道ステーション冒頭特集
- 内容の真偽までは分からない
- 衝撃のアンハッピーエンド
- おススメ度:勧められるわけがない
さっき帰ってきて、何気なく報道ステーションの冒頭を眺めていたら、最近はやりの自宅療養者の現状取材シーンだった。コロナに感染、持病から合併症を発症、重症化、訪問した医師が必死に入院先を探るも断られる。
正直言って甘く見てた。その後のナレーションは想像できる「その翌日、男性は無事入院先が見つかり、現在治療を受けています」
現実はこうだった。「入院先が見つかるもその翌日に亡くなったとのことです」
思わず持っていた箸を落としそうになった。つまり私はフィクションでもなんでもなく、つい最近のリアルに人が亡くなる過程を見ていた訳だ。さっきまでカメラの前で言葉を発していた人間がもういない。二度と帰ってこない。その父親は「TVでは見ていたが、こんなことがまさか日本で起こるなんて」というような言葉を発し涙を流していた。
医師会に強制協力要請を出しているが、反転させれば通常診療ができなくなるということでもある。死因はコロナだけではないのだ。
オリンピックの時に反対の記事を書いた。それは間違ってなかったと思っている。何度も書くが正常化バイアスを働かせるのにこれほど適したプログラムはない。東京は正常だ。東京は安全だ。東京は安心して暮らせる。なぜって? 安心安全なオリンピックを最後までやり終えたからだよ。
で、現実は医療崩壊。真面目に感染者数も数えなくなってきている。私は考える。フジロック、甲子園、24時間テレビ、北海道のホッケー大会、オリンピックが中止になってたらもしかしたらやらなかったんじゃないのか。それでも強行できたのか。
できる。パラリンピックもやるからだ。
政府は今、オリンピック・パラリンピックという強烈な劇薬を使って容体を回復させようと必死だが、どうやらそれは失敗に終わりそうだ。残るのは副作用、感染拡大の広告塔になったという事実だけ。
「延期」という考え方はなかったのか。よしんば、国際大会でなくなったとしても、本当にコロナが収束したら、日本だけで大運動会をやればよかったんじゃないのか。誰のための、何のための、どんな利益のための大会だった。
イナズマロックフェスなど、状況を考えて苦しい中止の決断をした団体もあった。イベントを開いてこそ生きられるミュージシャンが自らの退路を断ったのだ。まだ、決断できる余地はあるんじゃないか。
明日の朝起きたら「パラリンピックが中止になって、確保されていた医師が市中の治療に当たることなりました」というニュースが流れてこないだろうか。しかし、準備する視点から見たらここが剣が峰。多少のリスクは覚悟の上で一生に一度の戦いに挑むのだろう。この大会に出られたら死んでもいい?
まあしかし、TVの冒頭でさらっとリアルな死を描いくのは相当気合が必要だったはずだ。良く放送した。
本当は助かる人が助からない世の中になってやるスポーツ大会は楽しいですか? ロックフェスは盛り上がりますか? 選手たちの姿に2週間後に入院している姿が重なりませんか?
価値観は様々。安心安全にバブル方式、ダイバーシティだっけ。ただ、言葉は本当に空虚だね。
明日は決行されるだろう。
(きうら)