★★☆☆☆

パワープレイ―気づかれずに相手を操る悪魔の心理術(内藤誼人/ソフトバンククリエイティブ)

投稿日:2019年4月19日 更新日:

  • 主にビジネスの対人用心理戦のコツ
  • 使えん。が、ごく一部参考になることも
  • でも、これするとただの嫌な奴じゃあないか
  • オススメ度:★★☆☆☆

純粋な技術書ではなく、何らかのコツを紹介するハウツー本は基本読まない。例えば「日本語の文章技術」という本は読むが「小説家のなり方」の様な本は手に取らない。なぜか? その得難いノウハウを「人に聞く」時点でもはやその世界では一流になれない気がするからだ。この本も心理術を謳っているが、結局、相手も同じかそれ以上の情報を持っていたら必ず負ける。ただ副題に「気づかれずに相手を操る悪魔の心理術」とあった ので、気分転換も兼ねて読んでみた。怖い本のサイト運営者で悪魔というフレーズが入れば、一応目を通して見たくなるというもの。

この本が扱う「パワープレイ」の定義は「人間関係における心理戦を制するための実践的な戦略」とある。とにかくやたらと外国の研究者の名前が出てくるのだが、私が読んだ限り、このパワープレイは、単にコミュニケーションで一時的な圧迫を与える行動でしかない。簡単に言うとせこい方法だ。というよりむしろ姑息と言った方がいいかもしれない。この本の通りの行動をとったら絶対に「嫌なヤツ」リスト入り間違い無しだ。

以下、紹介されているパワープレイをワンフレーズに圧縮して、感想を述べる。(ハウツー)→(感想)

共感を得るためには病気の話をはじめにする→辛気臭いぞ
長袖を着る→半袖は弱く見えるらしい。いや、暑苦しくないか
握手は上から→嫌なヤツ
相手の嫌がる空間に踏み込む→嫌な野郎。
相手の時間を奪って優位に立つ(待たせる)→根性が曲がってる
そのカウンターとして相手を待たせる→どっちも嫌な輩
椅子は小細工して逃げられないように→マルチ商法の勧誘か?

質問責め→ウゼェタイプ
論点ずらし→出来ない政治家か?
良い香りをまとう→スメハラ……
秘書や知人に取り入る→あからさまに胡麻すんな
失敗は笑ってごまかせ→余計に怒られないか?
ミスする前に謝罪→そんな逃げ腰の奴に仕事任せるか
飯にさそう→下心ミエミエ

わざと曖昧にする→あいつの話は分かりにくいと言われる
自信を付けるにはバーベルあげろ→もはや精神論
手の組み方で性格がわかる→占い師か
嘘を見抜け→出来たらもうやってる

ミラーリング→相手の真似をすると気に入られるらしい。これは意識すれば使える。
シンメトリー→体が非対称だと信頼なく見えるらしい。休めのポーズや頬杖など。これは分かる。

以上、1/3くらい抜粋したが、ほとんど納得できない。というか、やっぱり総合すると嫌なヤツじゃないか。時間に遅れるわ、パーソナルスペースに踏み込んでくるわ、握手は上からしてくるわ、質問責めで偉ぶってる割にミスると笑って誤魔化すとか、ダメ人間だろう。しかも戦略というより局地的な戦術じゃないか。

改めて感じるのは、この本にあるパワープレイは、できる人間の「結果」であって、決してできる人間の「原因(そうなるにはどうすればいいか)」ではない。もっと端的に言えば、仕事ができる人間の特徴が述べられているが、元々実力が無い場合、却って嫌らしく感じることばかりだ。私に取り入ろうとする人間は居ないが、こんなことしてきたらさすがに分かる。

そもそも著者は、一番はじめに人間の印象は最初の4分で決まると書いている。と言うことはここに書いてあることをやろうとしても、時間が足らない。1秒以下とも紹介している。

そうなのだ。人間の標準的な観察力は思った以上に鋭い。だから小細工をしてる人間は瞬時にそうと分かってしまう。結局、最初の結論に戻るが、そもそもノウハウより自力をつける方が効率的・効果的だ。そうすれば自然と自信や信頼感が発露するであろう。

では、自力をつけるにはどうすれば? うーむ、ひたすらコツコツ精進するしか無いと思うなぁ。それが嫌だからハウツー本を読むということなら、まるでメビウスの輪ではないか。

しかし、また本を勧めない本のサイトにしてしまった……。しかしブログのハウツー本は読まないぞ。

(きうら)


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