★★☆☆☆

プロメテウス(リドリー・スコット監督)~あらましと感想、散々なネタバレ評価

投稿日:2017年9月14日 更新日:

  • エイリアンの前日譚(のような)映画
  • 初代の荘厳さはなく、ハチャメチャな内容
  • エイリアンシリーズを見て爆笑するとは思わなかった……
  • おススメ度:★★☆☆☆

普段、一部の例外を除き、世間の時間の流れとは、ほとんど関係なく記事を作成している本サイトであるが、明日からこの映画の続編が公開されるので、取り上げてみた。観たのはかなり昔に遡るが、余りに印象深いので、紹介してみたい。当時の予告はこちら。

(あらすじ)主人公の科学者であるエリザベスは、地球に残る複数の古代遺跡から、共通のメッセージを発見した。それを地球外生命体からの「招待状」と解釈した彼女はスポンサー(ウェイランド社)から資金を募り、宇宙船「プロメテウス」号で地球を旅立った。長期間の宇宙航海を経て未知の惑星にたどり着いたエリザベスら調査チームは、例によって冷凍休眠から覚醒する。彼女は、仲間たちと共に、荒野の砂漠にある建造物の調査を開始。やがて、エリザベスは、未知の文明や存在と驚愕の遭遇を果たすのであった……

のだが、

登場人物全員、自殺願望があるのか、もしくは全く何も考えていないのか、次々に自滅していく様は「圧巻」である。観られた方には、余計な説明だが、例えば、こういうシーンを想像してほしい。

何年も宇宙旅行をしてきて、見るからに荒廃した不気味な惑星に降り立つ。そこには、さらに輪をかけたように薄気味悪い建造物あって、恐々その建造物に入っていく。真っ暗な空間には、一目でそれとわかるミミズのような生物や死体のようなものが転がっている。そんな状況で、不気味な円筒形の容器がある。

ここで、二つの方向に分かれるのだが、どちらも酷い。

1.円筒形の容器を持ち帰って開くと、見るからに気持ち悪い真っ黒い液体が入っていた。詳細は省くが、なぜかそれを主人公の恋人っぽい立ち位置の男(ホロウェイ)が「シャンパンに入れて飲む」。しかも盛り上がって、エリザベスとそのまま、一夜を共にする。その結果は後述する。

2.主人公らと別れた科学者はさらに真っ暗な地下を探索し、円筒形の金属容器が多数置かれた部屋に到達。そこで、見た目は完全にコブラのような滅茶苦茶キモイ生物を発見。科学者は嬉しそうに(昔で言えば動物を前にしたムツゴロウさんばりに)手を伸ばす。その結果は後述する。

最初は雰囲気が有っていいのだが、映画が佳境に入ってからは一事が万事この調子である。そういうわけで、主人公達には一切感情移入できないので、彼らがどうなろうと、これは全くどうでもいい話なのである。ましてや「エイリアンの前日譚」として観に来ているわけであるから、観客はそれ相応の恐怖感を期待して見ているのだが、だんだん、緊張してみているのがバカバカしくなって来る。事実、上記の「2.」のシーンで、私は大爆笑してしまった。間違いなくSFホラー映画としては失敗している。

これも有名な話で申し訳ないが、エイリアンのオリジナル4作を撮った監督は、いずれ劣らぬ天才揃い(だと思っている)。リドリー・スコットと言えば、言わずと知れた「ブレード・ランナー(こちらも続編が2017年10月に「ブレードランナー2049」として公開予定)」を生み出した鬼才、二作目のジェームス・キャメロンは、歴代興行収入一位(2017現在)の「アバター」や同2位「タイタニック」、未だにファンの多い「ターミネーター2」などの娯楽映画監督の帝王、「エイリアン3」のデヴィッド・フィンチャーは「セブン」で大ブレイク、4作目のジャン=ピエール・ジュネは、全く作風は違うが「アメリ」で一世を風靡した。

その続編、しかも、オリジナル第1作の監督が撮ったとは思えない酷い出来である。ちなみにラストで、あからさまに「続編へ続く」的に終わるが「エイリアン: コヴェナント」の予告を見る限り、直後のストーリーではなさそうだ。

さて、以下に上記のシーンの続きを書いてみるので、ここまで読んで「逆に観てみよう」と思われた方は、ここから先は飛ばして、レンタルでも配信でもいいので、本編をご覧頂きたい。その辺の中途半端な失敗作ではないので、想像を絶する「呆れ」を感じることができる。ただし、怖くはないが十分に気持ち悪いので(PG12指定作品)、残酷描写が苦手な方はご注意を。

以下、完全なネタバレです。

1.の続き>案の定、液体を飲んだホロウェイは体調が悪化(当たり前だ!)し、まるでゾンビのような様相に。しかも、それを見てパニックになった船員に焼き殺される始末。なぜ、シャンパンに入れて飲もうと思った? まあ、それは自業自得としても、その男と枕を共にした主人公は、何と翌日に怪物を妊娠>周囲の制止を振り切って、自分で手術装置を操って帝王切開して軟体生物風の怪物を出産>手術した腹をホッチキス状の針で「バチバチ」止めて応急処置>遺跡内を出産前より元気に走り回るという始末。

2.の続き>案の定、コブラ状の未確認生物は100人中100人が予想した通り、生物学者に襲い掛かる。当然、助かろうはずもなく、体内に侵入されて殺されてしまう(当り前だ!)。どこの世界にこんな怪しい生物に、犬でも可愛がるように手を伸ばすアホがいるのか。

クライマックスでもゆっくり倒れてくる宇宙船があるのだが、その倒れてくる縦方向に沿って「走って逃げる」という愚行。なぜ、横に逃げないのか。このシーンも思わず笑ってしまった。もう、意識的に狙ってやっているとしか思えない。

等々、散々なことを書いてきたが、実は映画自体は、ホラーという趣旨とは逸れるが、けっこう楽しいのである。ただ、当時はあの「エイリアン」シリーズに繋がる作品として真面目に観に行ってしまった人の怒りを買ったようだ。そりゃそうだろう。例えが古くて申し訳ないが、私も途中から、「8時だよ!全員集合」の冒頭のコントのような感覚で見ていた。「エリザベス、逃げろー!」的な……さすがに「エイリアン:コヴェナント」を初日に観に行く勇気はない。

ちなみに新作「エイリアン:コヴェナント」の予告編はこちらに紹介しておきます。予告のラストで既に笑ってしまった……。

(きうら)


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