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本のおもしろさとは ~ダミアン少年を想う6月6日にサーバー移転1周年記念コラム<成城比丘太郎Xきうら>~(

投稿日:2018年6月6日 更新日:

  • 「きうら氏」への質問
  • 本について語る
  • 小説を読む楽しさ
  • 質問者:成城比丘太郎

【本ブログをはじめたきっかけ】

成城比丘太郎(以下成城):えー、では、本日はきうら氏にお時間をいただいて、ちょっとした質問をしてみたいなぁと思います。なにせ、私はこんな形で改まって訊いたことがないので、へんなところもあるとは思うけど、そこらへんは、あまり気にせずにってことで。

きうら:いえいえ、どうぞよろしく。気軽にいきましょう。しかし、自分のサイトで自分たちで質問するというのも変な感じだけど、普段は姿の見えない我々なので、たまにはこんな機会もいいかなと思って。

成城:姿が見えない我々が上のイラストですか。

きうら:まあイメージです(笑)

成城:なぜ私が不気味な鳥なのかは置いておいて、では早速、まずは、当ブログをはじめたきっかけについて。まあ、書評ブログは世間的にはよくあるのですが、怖い本に限定したことについて訊きたいのですが。

きうら:これは簡単で、総合的な本のサイトはあるけど、単にホラーに限ったサイトが無かったことと、個人的にあったら便利だろうな、と思ったから。怖い話のまとめや、怖い話のおススメ10冊などはあるけど、継続したサイトが無かったので始めてみました。もちろん、もともと、こういう話が過ぎなのは前提ですが。とはいえ、ホラーばかり読んでいるわけでもないという感じです。本サイトも最近は純粋な怖い本でない本も多いですね。

成城:なるほど。で、そうして始められたこのブログですが、もちろん、本を読むということへの偏愛があるかとは思うのですが。

きうら:ええ、それはもちろんあります。というか、読むということを意識せずに、勝手に本を開いている感じです。成城氏も多分そうでしょう?

成城:ええ、そりゃもちろん。本がないと生きていけないですね。私の場合は、紙の本の方が多いですけどね。

きうら:電子書籍は読みますが、私も紙の本も多いですね。割合でいうと3対7くらいです。

成城:私は、どこへ行くにも紙の本を最低5冊は持っていかないと不安になります。小説に詩集に哲学書などですかね。風呂やトイレでも本を常備していますし。まあ、最近は風呂で読むことはなくなったですけどね。

きうら:私は10冊ぐらいを並行して読むので、家のあちこちに本が置いてあります。頭の中に強力なレジューム機能があるので、50冊ぐらいは同時に読める自信はありますよ。これは記憶力自慢ではなく、概略だけ掴んで読み飛ばしているのです(笑)。

成城:なるほど、それはおもしろいですね。私は家が本であふれて困ってますがね。で、きうら氏にとって本とはどういったもの、というかどういう存在なのでしょう?

きうら:世界を広げると同時に、世界を縮めるものですね。本を開くと無限の世界が見えますが、閉じると退屈な日常しかない。だから自分で書いたりしますが、おかげでテレビや旅行といった外に開く趣味に興味が極端に薄くなりました。昔あった「名探偵ホームズ」というアニメの主題歌に「24時間頭の中で何かがダンスしている人」という歌詞があるのですが、そんな感じです。オフの時は、どこに行っても、たいてい目の前のこと以外のことを考えてます。

成城:(笑)それは危ないですねぇ。とにかく、本というモノと、それを読むということは欠かせないものだということでしょうね。多く読書家のように。

【最初に読んだものとは】

成城:あまり覚えていないかも知れませんが、人生で最初に読んだ本は何か覚えていますか? ちなみに、私は全く覚えていないですね。ただ、絵本などを入れるなら、なんとなく覚えてますが。

きうら:私も覚えてないですが、たぶん「図鑑」だったのではないかと。記憶の最奥に鳥か飛行機か戦艦の図版を眺めている自分が見える気がします。

成城:そうですか。では、幼少期に読んだもので、印象に残っている本とかありますか? 私は、絵本とか児童書を除くと、小学生低学年くらいの時に、よく草野心平の詩を読んでました。あとは、世界の名作のダイジェスト版とかですね。

きうら:私はアンデルセンやグリム童話、そして、水木しげる氏の「妖怪図鑑」などが大好きでした(笑)。小学校一年生の教科書に乗っている「たぬきのいとぐるま」などは暗誦してましたので、記憶に残ってます。きーとんとん、というやつです。

成城:ははぁ、なるほど。それはどういった内容で、どこらへんが面白かったか、覚えてますか?

きうら:アンデルセンやグリム童話は以前に一部だけ紹介しました(白鳥の王子)が、とにかく図版が美しくてそれが楽しくて眺めてました。妖怪図鑑も同じく絵に魅せられてましたね。物語に入っていったのはたぶん小学校3年生くらいからでしょう。たぬきは学校の宿題で覚えました。

成城:では、これまでに自分のターニングポイントになった小説とかありますか? ちょっと選ぶのは難しいかもしれませんが。

きうら:いや、簡単です。これはもう「ロードス島戦記」という今でいうラノベ・ファンタジーなのです。失礼ながら、今読むと穴も多いのですが、当時は天地がひっくり返るくらい衝撃を受け、自分もこういう小説を書きたいと明確に意識しました。いわゆる中二病に罹ったわけです。ただ、それまでも「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」、「ハイドライド」「ウィザードリィ」「イース」「ザナドゥ」「ソーサリアン」といったR.P.G、「新・鬼が島」「ポートピア」「オホーツクに消ゆ」「ファミコン探偵倶楽部」などのアドベンチャーゲームの影響も大きかったですね。とにかく、ゲームとファンタジーがハイブリットになって、物語の面白さを覚えたというか。それがロードス島戦記で私の中で明確な形を得たのです。もちろん、TVアニメやコロコロコミックやジャンプ漫画の影響も受けています。宮崎アニメもそうです。ターニングポイントとなった漫画という質問なら「風の谷のナウシカ」になったと思います。

成城:ふむふむ、で、人生が狂わされたと(笑)。ところで、自分の人生にとって転換点となる書物とはいったいなんでしょうか。とくに、怖い本を取り上げている当ブログにとってですが。

きうら:これは貴志裕介氏の「黒い家」ですね。完全なホラーでありながら、圧倒的にリアリティがあり、面白い小説である点に衝撃を受けました。ホラーに持っていた「暗くて驚かせるような演出だけのびっくり箱」という偏見が払拭されました。

成城:なるほど。で、それがこのブログ立ち上げにつながっているわけですね。

きうら:そうです。京極夏彦氏の「姑獲鳥の夏」も、小説というものへの捉え方の転換点になっていますが。

【小説をよむこと】

成城:今回の質問は時間があまりないので、これで最後の質問になりますが、小説を読むことについて訊いてみたいと思います。

きうら:なんというか、漠然とした質問ですね(笑)

成城:ええ、まあ、そこらへんは目をつぶって下さい。なんせ、初めての試みですから。

きうら:それは、こちらもそうですから。ところで、小説とはどこまでの範囲で語りましょう?

成城:そうですね、では、大まかな意味でいうと、フィクションかつ散文としてまとめられたものとしておきましょうか。

きうら:まあ、そんなところでしょうね。怖い小説に限定しますか?

成城:いえ、ここでは、ただ単に小説を読む楽しさだけにしておきましょう。今回は時間があまりないので、「怖い」というテーマは、また後日機会があればやりましょう。で、最初に読んだ小説は何か覚えていますか?

きうら:「たぬきのいとぐるま」もフィクションかつ散文なのでそれに当たるかも知れませんが、質問の意図を汲むと、たぶん、両親の本棚から引っ張り出した赤川次郎の「三毛猫ホームズ」シリーズだったような気がします。

成城:そうですか、私も児童文学的なものを除くと、最初に読んだ小説は、おそらく赤川次郎か西村京太郎のどちらかですね。小学生3年生くらいの時ですが、こんな面白いものがあるのかと思いましたね。まあ、小説を読むということではじめて、その小説世界に没頭するという感覚をおぼえました。

きうら:私も没頭して読みましたね。ただ、それは散発的なもので、小説群として読むようになったのは、後年、ファンタジー小説に入れ込んでからになりますが。そういう意味では「ロードス島戦記」から富士見文庫の「ドラゴンランス戦記」を始め、その界隈数十冊がまだ本棚にあります。

成城:「小説とは何か」というと、非常に込み入った話になるのですが、きうら氏にとって小説とは何でしょうか?また、小説を書くということですが、その原動力はなんでしょう?

きうら:「小説とは何か」を意識したことは無く、単に頭の中で思いついた「面白い事」を表現するツールだと思っています。物語るための非常によくできたツール群ですね、言語と小説の作法は。

成城:なるほど。それで、小説を書く原動力とは何でしょうか?

きうら:それはもう純粋に頭の中の「何か」を表現して見たいという欲求ですね。それが認められればなお良いですが、そうでなくても構わないのです。私には他に特別な技術がないので、無意識に表現している存在理由という感じでしょうか。こういうことはいっぱしの小説家が語るものであって、素人の私が言うことではないですが。また、プロの方は、存在理由ではなく、もっと商業的に厳しくとらえられていると思います。

成城:それが、いわゆる動機になっているのですね。では、最後にきうら氏にとって、好きな小説家、目指したい小説家はいるのでしょうか?

きうら:たくさんいますが、純粋にカッコいいなと思うのは椎名誠氏、沢木耕太郎氏、文章的・作劇的にお手本にしたいのは岡本綺堂氏、博学さでは京極夏彦氏、ファンタジーではやはり、J.R.R.トールキン氏のような作品が残せたら思い残すことは無いと思います。

成城:ありがとうございました。今回はこれで終わりですが、この次は、当ブログにもあるように、「怖い」ということをテーマに話せたらと思います。

きうら:次回は逆にこちらが質問してみたいですね。ありがとうございました。

(6月某日、某所にて)

※以前にも紹介していますが、きうらと成城比丘太郎は高校時代の同級生で、今に至る友人同士です。

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