★★★☆☆

清須会議 (三谷幸喜 /監督) ~あらすじと感想

投稿日:2017年7月12日 更新日:

  • 5日間の政治的会議をコミカルに描く
  • 秀吉(大泉洋)と柴田勝家(役所広司)を中心とした群像劇
  • 狙いはわかるが、分かり過ぎるきらいも
  • おススメ度:★★★☆☆

(あらすじ)久しぶりにAmazonの解説文を改変しながら転記してみる。天正10年(1582年)本能寺の変が起こり、一代の英雄織田信長が死んだところから物語をスタート。では、この信長の跡を継ぐのは誰か? 跡目に名乗りを上げたのは2人の重心で筆頭家老・柴田勝家(役所広司)と羽柴秀吉(豊臣秀吉役/大泉洋)の二人だった。勝家は、信長の三男でしっかり者の信孝(坂東巳之助)を、秀吉は、次男で大うつけ者と噂される信雄(妻夫木聡)を信長の後継者として(仕方なく)推す。勝家、秀吉がともに思いを寄せる信長の妹・お市様(鈴木京香)は、秀吉への恨みから勝家派に組する。一方、秀吉は、軍師・黒田官兵衛(寺島進)の策で、信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方に付け、妻・寧(中谷美紀)の助けも借りて、家臣たちの心を次第に掴んでいく。 そして、跡目を決める重要な会議、「清須会議」が開催。会議に出席したのは4人。勝家、秀吉に加え、勝家派の策士・丹羽長秀(小日向文世)、会議の行方を左右する池田恒興(佐藤浩市)。様々な駆け引きの中で、勝つのはどちらか?

などと書かれていても、さすがにほとんどの人間はどちらが勝つかを知っているのであり、私のような歴史音痴の人間でも、柴田が勝つとは到底思えない。と、なると、この映画はストーリーを楽しむものではなく、その中での「やりとり」を楽しむ映画ということとになる。舞台出身の三谷幸喜監督がいかにも好みそうなシチュエーションであり、それはある程度は当たっているといえるだろう。

とにかく、秀吉役の大泉洋の熱演が目立つ。一癖も二癖もあるキャラクターを、基本はコミカルに演じながら、時折策士の側面を見せる。どちらかと言えば、単純な野武士風に描かれている役所広司に比べれば、その怪演ぶりは、監督の意図にはまったものだろうと思う。役所広司もいい役回りだが、いかんせんコミカルなシーンが浮いていたり(とくにお市の方へ懸想する場面)と、今一つ乗り切れていない印象であった。

主要な脇役である丹羽長秀(小日向文世)と池田恒興(佐藤浩市)も、それぞれの持ち味を十分に発揮して「いかにも」な立ち回りをそつなくこなす。特に、旗取りのシーンでの佐藤浩市の狼狽ぶりと、信雄(妻夫木聡)の暴走ぶりは、この映画で一番の笑いどころだと思う。基本的に青空を背景にしたロケーションは、多少のCGっぽさを感じさせるものの美しく、美術に関してはあまり不満がない。

不満があるとすれば、やはり、監督の「このやり取りは絶対面白いでしょう」という、意図が透けて見えて、今一つ物語にのめりこめないところだ。これがオリジナルならまだしも、結果は歴史的事実なので、誰もが知っている内容である。と、すればやり取りが面白いのは当たり前であり、今一歩、映画的な魔法が必要ではなかったか。とはいえ、凡作というほどでもないので、そこそこ楽しめる映画として地味ながらお勧めできる内容となっている。とにかく大泉洋の表情がいい。

最後に、剛力彩芽の演技について。非常に重要な役目で出てくるが、演技力のなさがばれるほどの出番がなく、むしろラストの表情が記憶に残る。これだけに限りれば、かなりの名演(迷演)と言っていいのではないだろうか?

気になって、この会議の後の歴史的事実も調べてみたが、ここから天下取りまでかなりの苦労があるのが分かった。どちらにしても、一度どこかでちゃんと日本の歴史は勉強しないといけないと思わされる作品だった。いっそこういう作品ばかりで、歴史の授業をしたら歴史嫌いは半分くらいになるのではないか?

(きうら)



清須会議 スタンダード・エディション [ 役所広司 ]

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