特になし

無人島本(3)~ホラーとか

投稿日:2021年2月18日 更新日:

  • 最近読んだホラー
  • 無人島でホラーなどを読みますか?
  • 無人島で役に立つマンガはあるのか?
  • オススメ度:特になし

【無人島本とは?】

無人島本とは、ただ単に無人島に持っていきたい本というだけの意味ではなさそうです。自らの蔵書を減らしていって、この本だけはどうしても手放せないという、そんな感じで手元に残された本こそが真正の無人島本なのかもしれません。といっても、日々の読書によってその必要な本というのは不断に更新されていくだろうから、実のところ本を読めば読むほど無人島本は増えていくのでしょうねぇ。まあ、そうして本を読んでいくと、一生を費やして読み続けていくべき本のことは、なんとなくわかってくるかもしれません。

【最近読んだホラー】

・綾辻行人『Another 2001』(KADOKAWA)

この前、上記の本を読みました
。アニメ化、映画化もされた『アナザー』は1998年の話でしたが、この新作は3年後すなわち2001年の設定です。ホラーであるとともに、ミステリでもあるので、詳しい内容は書きません。ひとつだけ言えるのは、あの人が元気な姿で登場してくれて、それだけでうれしい。その「あの人」とはいったい誰なのかですけど、そんなネタバレでもないのでその名前を書いてもいいのですが、やめておきます。とにかく、アニメ化において「あの人」は人気になりました。その「あの人」が、新作ではほぼ主役(メインヒロイン)として出てくるのです。それだけで読む価値がありました。

新アニメ化を鬼希望します。前作のアニメ監督は続編のテレビアニメはつくらないかもしれないので、劇場アニメで観たい。あの彼女が、眉をひそめたり、明るく笑いかけたり、かと思うと不安そうな顔つきでおびえたりするその表情を、生きて動いているあの姿を再び拝見したい。できれば2次元の世界に飛んでいって、驚きで涙をにじませる彼女をやさしく全集中で抱き締めあげてあげたい(犯罪)。あと数年後には、素敵なレディーになっているであろう、その未来の萌芽を感じさせる愛しい彼女の姿をアニメで観たいものです。

ところで、『アナザー 』の世界で起こる「災厄」ですけども、この新作を読んで改めて強く思ったのは、この「災厄」ってほとんど人災やんけ、というものでした。でもまあ、起こさないように気を付けねばならないという、そのストレスフルな日々を思うと、かなり同情できます。

【無人島でファンタジーを】

無人島に持っていきたいファンタジーについてですが、とくにありません。サバイバル本や、実用書ならともかく、ファンタジーなんて読まないでしょう。ロビンソン・クルーソーみたいな生活にファンタジーは不要です。聖書でじゅうぶんです。

もし持っていけるとしたら、『ナイトランド』(完全版)だけでいいかもれません。この本だけで、ホラー、ファンタジー、ラヴロマンス、SFなどの要素が楽しめますし。

【SF】

ファンタジーと同じく、無人島でSFを読むことはないでしょう。というか、読んでどーするのか。宇宙空間に放り出された宇宙飛行士がSF読んでもしゃーないのと同じかもしれまへん。

【マンガ】

無人島用のマンガだと、やはり実用的な内容がいいのだろうか。ブラックジャックはあまり役に立たないかもしれない。『美味しんぼ』なんかは調理用には役に立たないかもしれないけど、飯のタネにはなりそうです。やはりサバイバル関連のマンガがよいでしょうか。その意味だと、『ドクターストーン』はどうなのでしょう?

【ドクターのストーン】

現在、『Dr.STONE』のテレビアニメ第二期が放送されています。内容を簡単にいうと、突如石化に襲われた人類の話。主人公たちは数千年後にその石化から解放され、変わり果てた地球(日本列島)に直面します。主要人物の千空(せんくう)は、持ち前の科学知識と数千年にわたる謎の思考によって培われたと思われる応用力を発揮して、その世界で大いに大暴れしますけど、その世界には書物らしきものはほとんど見られません。もちろん文字記号はあると思うのですが、ではなぜそれらが数千年後の世界でもそれほど変わらずに通用しているように思えるのでしょうか。

記号体系だけでなく、発話行為における言語体系も、数千年前と変わってないようにみえます。そのことを、石化から解放された現代人たちは全く気にしてないようですが、ではなぜ記録する媒体がそれほどないように思える世界で、現代(21世紀)と似たような信念体系を抱けているのでしょうか。原作を知らないので何とも言えませんが、一見して、現代人と意志疎通において齟齬が発生していないというのは驚くべきことです。もしかしたら、現代(21世紀)と、数千年後の世界とでは全く信念体系が違うにも関わらず、なぜか偶然にも意志疎通において違いがないように見えるという、そんな奇跡のようなことが起こらないとも言えません。つまり、通常の意志疎通の技術は数千年経とうが大まかには変わらないことを示しているのかもしれません。それか、コミュニケーションとはそんなものだということかもしれません。いずれにせよ、驚くべきことなんですが。

このアニメで肝になるのは、千空の科学知識とその実践ですが、驚くべきことに、その知識はすべて千空の頭脳だけにあるように思えます。書物らしきものがないということは、すべての知識が外部化されていないので、千空そのものがライブラリーになっているということです。数千年後の世界にも、科学(妖術)はあるのですが、それがはたして現代の科学と全く同じであることを担保するものすなわち書物に相当するものが見当たりません。科学知識が実践のなかにしか存在しないということは、千空自身が記録媒体である以上のことを示します。どーいうことかというと、科学の知見というものは千空が行う実際の行動の中にしか存在しないという、かなり歪な世界だということです。

とはいえ、千空ひとりでは何もできません。彼の計画を実行できる複数の人手が必要です(メンタリスト含む)。そう考えると、千空の知は彼ひとりのものではなくて、協同的(協働的)に外化されたもので出来たのでしょう。千空ひとりではほとんど何も出来なかったということです。千空はおそらく限られた知見のなかから可能な最適解を見つけたのですが、彼と同じことをするには現代人には難しいかもしれません。可能的には無限に存在するネット上の情報にまみれている現代人では、千空のようにその場の状況に適応するのは難しいでしょうか。日本に存在するそこら辺の知識人を無人島にほっぽりだしたら、いったいどれくらいの人が長く生き残れるでしょうか。まあ、専門家よりもむしろ、雑学家みたいな人の方がしぶとく生き残れるかもしれません。

あの数千年後の世界が、現代のリテラシーからどれだけ離れているのか分かりませんが、千空の科学に関する考えをそれなりに理解できるということは、それなりの抽象的な読解力には優れているように思えます。その能力の解明ができれば、無人島のような閉じられた世界でも科学技術を何千年も継承できるということが示されます。ではいったいその根拠は何なのか。書物らしきものがほぼ見当たらないということは、それらがなくとも知識が継承できるということです。つまるところ、あの世界の科学とは、学問なき科学だということです。もっというと学問としての科学は今のところ不要だということです。これはもう、SFかなんかの世界の話ですよ。

人類が継承してきた様々な知識や経験はほぼすべて記録されたり伝達されたりして積み上げられ、かつそれらを複数で検証してきたからこそ、現代まで連綿と(西洋中心の)科学は続いてきたわけだと思うのですが、その歴史を千空ひとりだけが体現しているわけです、今のところ。もちろん、千空が現代人や数千年後の世界人と共に、科学の発展を遂げることはできるかもしれません。もしかしたら人類はかなり進化したのかもしれません。しかし、現代(21世紀)の水準まで到達させるにはどれだけの年数をかけなければならないのか。それを考えながらこのアニメを観ているわけでは実はないのですが、ふとこんなアホなことを考えてしまいまする。

このアニメを観る限りでは、千空が書物らしきものをつくりだす気配は見られません(たぶん)。おそらく書物が必要ではない世界なのでしょう、今のところ。書物に書き込みなどをして物事を反芻するタイプの勉強家では、千空のような記憶術は身に付かないでしょう。それほど千空の頭脳と、数千年にわたる思考する時間がすごかったのでしょう。まあ、マンガにつっこんでもしょーがないのですけど。

【結論】

無人島において長期間(人生のすべて)滞在するときには、現在存在する書物のほとんどすべてが不要になります。それは、これまでの情報の集積が無用の長物になること、つまりこれまでの人類の叡知がムダだったということです。無人島でたったひとりだけで生き残らなければならないならば、ほとんどの書物は役に立たないということです。とはいえ、本なんか好きなものを好きなように読めばよいとも思うので、結論としては、好きな本を持っていきます。そのうち、無人島本セレクションでもしてみたいということで、結論は先送りです。

(成城比丘太郎)


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