- 怪談集を5冊セレクト
- 夏と言えば怪談! 気軽に読もう
- 世の中には幽霊がいっぱい
- おススメ度:それぞれ
【はじめに】
何の因果か、時々、現代怪談集(よくある本当にあった怖い話)を読みたくなる。中身は大体想像はつく。だが、その「今起こっている」感じは中々好きだ。
という訳で、今回は本サイトとして比較的おススメの怪談集を紹介してみたい。
拝み屋郷内 花嫁の家拝み屋(郷内心瞳/MF文庫ダ・ヴィンチ)
ストーリー性のある連作転変集としての完成度は他と一線を画する。超常能力が出てくるのはお約束だが、「ひょっとしたら」という想像の余地が残されている点を高く評価したい。夏の夜にさむーくなるにはちょうど良いかも
恐怖箱 怪医(雨宮淳司/竹書房文庫)
医療系の怪談を集めた一冊。よくある怪談集に比べ、抑えたトーンがよりリアルで怖い。そもそも、医療現場というのは生命のやり取りがある時点で怪談の温床だ。感想にも書いてあるが、けっこう変化に富んだ内容になっている。
「超」怖い話ベストセレクション 怪恨 (久田樹生/竹書房文庫)
ド直球の怪談集。特にこれといった捻りは無いのだが「今夜は暇だから怪談集でもよむか!」(そんな人がいるのかどうかは疑問だが)にはぴったりの一冊。適当に読んで、適当に忘れる。そういう刹那的な部分も怪談集の魅力である。
山の霊異記 赤いヤッケの男(安曇潤平/角川文庫)
山もまた病院と同じく、人間を怪談の世界へと導く磁力を持っている。内容的には不条理な感じもするが、それが山という場を得て、変なリアリティがあって怖い。派手さはないが、危ない感じは堪能できるので、普通の怪談の飽きたらおススメ。
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (岡本綺堂/幽クラシックス)
最後は私の趣味で岡本綺堂の作品を紹介。古い作品だが、その古さを感じさせない長編怪談。ベースは怪談だが、いろんな要素を含んでいて、壮大な総合小説になっているのがいい。拾い物だとおもうので、ぜひ。
過去の怖い本でも選んでいる作品も多いが、最近、新しい方も来てくれているようなので、気楽にまとめてみました。
(きうら)