忍者のことか
ニンジャのことか
おススメ度:特になし
【忍者について】
・山田雄司『忍者の歴史』(角川選書)
・山田雄司『忍者の精神』(角川選書)
この前、外国人観光客にNinjyaについて尋ねられた、という夢を見た。夢にしては、はっきりとした会話ができた。私の拙いジャパニーズイングリッシュと、なぜかそれよりもさらに拙い日本語をまじえて、彼と話した。話を聞いてみると、どうやら彼は、マンガや映画に出てくるヒーローものっぽい忍者ではなくて、歴史上の忍者がどんなものだったかを知りたいらしい。そこで私は困ってしまった。忍者の研究はどこまで進んでいるのだろうか。多少の知識を基に私は忍者について語ることにした。
まず私が、よく映画などで見かける忍者の姿は近世・近代以降につくられたイメージだと答えると、彼はそれは知っているらしい。そこでまた困った。忍者のことは歴史史料にはあまり表れない。何を話せばいいのだろう。忍術書というものが残されているのだが、それらは近世になって書かれたもの、つまりは忍びの役割が相対的に小さくなってから書かれたものだからだ。しかし、そこから「忍者の精神」を伝えることはできるだろうし、主に戦国時代に活躍した「忍者の歴史」もまた探ることはできるだろうと言った。それに加えて、戦国以前の史料にも忍びに関することもまた多少は記されているらしい、と伝えた。
――では、忍びとは何をするですか?
そう訊かれて私は、忍びというくらいだから、隠密行動が重要だったようじゃないかな、例えばどこかに潜入して情報収集に努めるとかですよね、そこで必要とされる能力は高い身体能力というよりも、知恵や記憶能力やコミュケーション能力の高さなどでしょうね、と答えた。まあ、敵の領地に忍び込むんですから変装もしなきゃならないし、敵地の人と仲良くなって情報を得なければいけないし、時には相手側からこちらへ寝返る者を見つけ出しそうさせるという、そんな裏工作ですよね、まあ戦わずして勝つのが一番という意味で、雇い主を支えていたんでしょうね。
――なるほど、スパイみたいなものでっか?
まあそうなんじゃないでしょうか。日本では間者といいますけども。でも忍びって、一部を除いては記録に残ってないでしょうから、一体どこまで重要だったのかは分りません。たぶん私が思うに、相当重要だったとは思いますよ。情報収集から戦闘そして警備まで、あらゆる分野で忍びは活躍したはずでしょうから、まあ忍者から歴史を見たとしたら面白いでしょうね。なんにせよ忍者が歴史をちょっとは動かしたとしたら、そこでは、高い技術を支えた何らかの「忍者の精神」も必要だったんでしょうねぇ。
――じゃあ、その「歴史」と「精神」をうまく伝えるような本が、英訳されて出版されたら、われわれの忍者観も改まるかもしれませんね。
そうですねぇ。そんな本、誰か書いてくれないかな。
【ニンジャについて】
さて、「ニンジャ」の文字を見て何を思ったか。
・ニンジャはいつ走るか分からないから、基本買わなかった、という人は本命党でしょう。
・ニンジャの走る条件を見通して、穴馬券をいくつも取った、という人は、馬券上手な人でしょう。
・ニンジャはいつ走るか分からないから、とりあえず出走するレースはいつも買っていた、という私は馬券下手の穴党です。
余談。もし、キン肉マンを思い浮かべた人がいたら、その人はオッサンかオバハンでしょう。
(成城比丘太郎)