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コラム 特になし

シオランを誤読する(成城のコラムー34)

投稿日:2021年6月3日 更新日:

  • 「コラム034」
  • 『生誕の災厄』の新装版を読む
  • けいばのはなしはなし?(します)
  • オススメ度:特になし

【シオランを読むのにふさわしい日とは】

シオラン『生誕の災厄 新装版』が出版されました。で、パラパラと読みました。活字が見やすくなったからなのか、いつも読んでいた版とは違う印象を受けました。活字が違うだけでこれほど受け手の印象が変わるとは。それは、読む時間帯や読む日の天気にもよります。

この前梅雨入りしたので、雨の日の夜にでも、シオランをしんみりと読もうと思ったのですけど、なぜか先週から晴れの日が多くなりました。晴れ男(晴れ女)ならぬ晴れ本。それにしても、晴れ人間なる単語はまだ流通しそうにないです。そもそも晴れ男/晴れ女の違いは何なのかと深くは考えない今日この頃。

てなわけで、昼日中は晴れが多いので雨傘よりも日傘が必要になりそうな感じですが、まだ日傘は持っていかないけど日射しがキツくなってきた。ってか、自分の傘、晴雨兼用でした。折り畳み式じゃなくて、デカめの黒っぽい傘っす。日傘が必要になる時期だなぁと思うと初夏だなぁとも思いまっせ。

【このブログの半分は狭量さで出来ています】

「ひとつの社会は、狭量さを押し通すだけの力を持てなくなったとき、死の宣告を受ける。寛(ひろ)い心など持ったら最後、どうして自由の暴虐から、その致命的な危険から、身を守ることができるだろう。」(『生誕の災厄 新装版』、p202)

このブログをはじめ、ネットやテレビなどには狭量さで溢れています。狭量さがなければこの社会は成り立たないようです。このブログで書いていることも、私が思春期に受けた学校の教師や同級生たちの狭量で何気ない言葉の数々に対する、狭量な私の反骨精神で成り立っています。そのおかけでブログが書けているのですから、教師どもには感謝しかないです。私をこんなにも狭量な人間に育ててくれてありがとうございます。というか、物書きというのは若い頃に受けた理不尽な他人の言動への反発がなければなれるものではありません。澄ました顔して綺麗事ばかり書く作家やエッセイストはニセモノだと、私の祖父も常々申しておりましたとかなんとかかんとかエリックカントナ。

まあ、ネットの記事やテレビなどは見たくなければ見なくてもいいので、そこらで語られる狭量さの言動は気にすることではありません。ところが、それに反して、新聞というメディアは基本的に読むのに代価が必要なのです。わざわざ購入して読むのです。新聞記事というものにも、社説から読者投稿欄まで狭量さに溢れています。狭量さがなければ記事にならないうえに読者の心もつかめないのです。とくに私がよく読む記事は狭量さが詰まったものです。狭量な記事にこそ多様性が溢れているのです。とくに、自分には抱くことのできない価値観をもった記事は、この狭量な私に多様性の重要さを教えてくれます。しかし、狭量な記事内容と違って報道写真はそこそこセンスがあるんですのよね。まあいずれにせよ感謝しかないです。

いつもシャープな文章と素敵なお写真を本当にありがとうございますです。

【このブログの半分は腐敗臭で出来ています】

「人間は、腐敗した政治体制の下でしか、息をつくことができず、大声で喋ることができない。だが人びとは、その体制の破壊に手を貸したあと、もはや打倒した体制を愛惜する能力しか持てなくなったとき、ようやくこのことに気づくのである。」(『生誕の災厄 新装版』、p218)

この日本の政治体制は残念ながら他国と比べるとそれほど、いやまったく腐敗していない(様々にある組織の政治性そのものは腐敗してるかもだけど)。なので逆に大声で喋ることができなくなっている。オリンピック開催などという本来ならくだらないはずの話題しか喋ることができなくなっている。これも日本の政治体制が特に腐敗していないからですが、それでも腐敗していると見なさなければならない人びとのために腐敗さを繕わねばならなくなってしまいました。そうしたニセモノの腐敗からは、打倒すべき体制も見つけることができず愛惜すべき体制も見つけられない。なので、結局どのような体制が生まれようとも腐敗という見せかけからはいつも逃れることはできないので、逆説的に、体制というのが何なのかに気づくことなく過ごすことができます。悲しくはないけどこれが日本人なのですよね。

【このブログの半分は忘却で出来ています】

「忘れるという能力がなくては、私たちの過去はたいへんな重みで現在にのしかかり、その結果私たちは、一秒といえども新しい時間を迎えることができず、ましてやその時間のなかへ入ってゆくことはできないだろう。生はただ皮相な人びとにのみ、思い出すことをしない人びとにのみ、耐えやすいのではあるまいか」(『生誕の災厄 新装版』、p62)

この一節は日本人のことをよく表しているようにも思えます。新型コロナウイルスのパンデミックのことは、このままワクチンが有効な効果を示せば数年後には忘れるでしょう。東日本大震災のことは当分忘れないでしょう。しかしこの社会は、阪神淡路大震災のことを、26年経って忘れてしまったような顔で生きてもいます。私が2年前に神戸に赴いた時にあの震災のことが頭に浮かぶことはすぐにはなかったです。さて、現在危惧されている大災害は富士山の大噴火と南海トラフ地震などですが、しかし多くの頭の中にはそれらの過去の記憶がそもそもないので、それらを忘れてすらいない。忘れるということですらない出来事は、そもそもそれに耐えられるかどうかなどという心配すら必要ありません。

【このブログの半分は競馬で出来ています】

先週の競馬メインは日本ダービー(東京優駿)でした。エフフォーリアが負けたダービーというか、シャフリヤールが勝ってしまったダービーでした。シャフはスムーズに外に出してたらもっと先にゴールしてたかもしれません。もっとも運の良い馬が勝つというダービー。たしかにシャフは運が良かった。馬場状態も枠順もペースも。なんかエフフォーリアを勝たせたくないのかなと思うほどの上がり勝負。しょーじきどーなんだろ。マイル戦かなぁと思うほど。バスラットレオンは東京2400逃げ切る自信がないなら出走してくれるなよ(ブツブツ)。まあ、エフフォーリアは皐月賞がピークだったのかもしれない。シャフリヤールの秋は秋天でしょうかね。菊花賞向きではないし。これで菊花賞と有馬使ったら評価します。というか一成一代の走りにならないことを祈る。でないとエフフォーリア負かした意味がない。マカヒキやディープブリランテやワグネリアンより強くなってもらわないと。結局エフフォーリア以外の上位馬にはみんなディープの血が入っている。エフフォーリアは、ダービー二着馬の血統で構成されてるけど、こうなったらシンボリクリスエスからダービー二着のラインを伸ばしてもえーんやで。うーん。それにしてもたぶん、タニノギムレットよりキンカメより、下手したらキズナより弱いかもシャフリヤール。あと言えるのは、サトノレイナスがもう少し内目の枠ならおもろかっただろうけど。

ダービーのあとの目黒記念は、ハンデ戦でよくする買い方をすればよかったんだな結果的に。軽いハンデの馬から買えばいいだけだったのでそうすればワイド取れてたのに。初志貫徹でいこう。なんというか、ゴルシの牝馬は走りそうだな。

コントレイルは宝塚記念を回避するようです。大阪杯の疲れが取れないそうです。もしかしたら菊花賞とJCの疲れかもしれない。なんというか古馬になって一勝もできないまま引退する三冠馬なんてことには…

安田記念は、グランアレグリア本命にはしません。もちろんグラン買いますけど、本命は他から選びます。インディチャンプかサリオスかダノンキングリーか。他に、ケイデンスは買うでしょう。問題はシュネルマイスターをどうするか。前走でマイルの流れは経験できたし重量も軽い。買わざるをえないか。とすると、人気馬どれかを切るしかない。

(成城比丘太郎)


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