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2010年代アニメまとめ(3)

投稿日:2019年10月11日 更新日:

 

  • 「2019年」夏アニメの感想
  • ロボットアニメについて少し
  • 朝ドラのこと
  • おススメ度:特になし

【朝ドラについて】

この前、朝の連続テレビ小説『なつぞら』が終了した。前半は、実在のスタジオをモデルにしたと思われるアニメーション制作現場のことが、結構詳しく描かれていたので面白かった。しかし、後半は主人公(広瀬すず)のアニメーターとしての役割(場面)が減ってしまって、なんだか尻すぼみな感じだった。この原因としては色々あると思うけれど、まずは、ちょっと登場人物が多すぎたこと。誰とは言わないけど、不要なんじゃないかと思われる人物がいたように思う。北海道を含む家族のことと、アニメーターのことにしぼった方がよかったように思われた。というか、モデルとなったであろう実際のアニメーション業界には多彩な人がいて色んなエピソードがあっただけに、ちょっと脚本が処理しきれなかったのか、なんでもかんでも詰め込もうとしすぎたせいか。

まあそれはどうでもいいんですが、最近復刊された『日本のアニメーションを築いた人々(新版)』(叶精二、復刊ドットコム)や、最近出版された『漫画映画漂流記』(小田部羊一〔聞き手・藤田健次〕、講談社)を読んでいたら、このドラマのモデルになった人はここに書かれた人たちなんだなとかいうことが分かって面白かった。小田部羊一という人はドラマのアニメーションの時代考証とかもしていた人で、小田部氏が共に仕事をしていた奥山玲子(小田部氏の妻)という人が、「なつ」のモデル造型のひとつになったんだなということが分かる。まあなんというか、世間一般では高畑勲や宮崎駿といったビッグネームにしか目がいかないけれども、彼らと同じく東映動画で作品作りに打ち込んだ人がいるということが分かる本。

高畑・宮崎両巨頭はとてもすぐれた人物だけど、このふたりが影響を受けた人やそのふたりを支えたひとが何人もいたというわけで、日本のアニメーション業界はその人たちに支えられていたということ。

ということで、現在のアニメが、こういった人たちの技術をどれだけ受け継いでいるのか分からないけど、これから2019年の夏アニメを簡単に見ていきたいと思います。

【2019年夏アニメ】

さて、その2019年アニメですが、個人的には、10年代の出がらしのようなかんじがしないでもない。ソシャゲのアニメや、なろう系(らしきもの)のアニメ化、アイドルアニメや魔法少女や昔のリメイク作品などなど10年代前半でヒットしたものの後継というかおこぼれにあずかろうとしたものが多い。で、それが悪いのかというと、悪いものばかりではないというのが感想です。そもそもファンはそういう作品の変奏を楽しむものでもあるし、そこから何か新しい画期となるコンテンツが生まれるかもしれないからです。『女子高生の無駄づかい』ではないけれども、単なるリソースの無駄づかいではないことを期待したいところです。

《役に立つアニメ?》

まず今期は、役に立つかもしれないアニメが多かった印象です。

『ダンベル何キロ持てる?』は、女子高生たちがジムで身体を鍛える、すなわち筋肉をうまくつくっていくという話。登場人物は、痩せて男性にもてたいという動機の主人公や、とにかく筋肉好きという同級生などで、彼女らがトレーナーとともに身体を少しずつ鍛えていくのですが、ギャグでありつつかなりまじめな作品です。主人公の、男性にもてたいという要素がいつしか薄らいでいっているのがおもしろい。今流行りの筋トレ番組として観ることができます。

役に立つといえば、『ソウナンですか?』もそうなんですが、これは究極のサバイバルアニメなので、役に立ちそうで役に立たないかもしれない。遭難した女子高生たちは誰も病気にならないし、制服も汚れていないので、真に受けない方がいいかも。でも、それなりに知識はつくでしょう。まあ、『ふしぎな島のフローネ』(古い・・・)ほどの緊張感はあまりないですけども。

『彼方のアストラ』は、うまくまとまって終了しましたけれども、これのサバイバル知識は全く役に立たないでしょう。というか役に立てようもない。内容は、それほどシビアではない。『銀河漂流バイファム』ほどの生活感はないし、『無限のリヴァイアス』ほどの「ギスギス感」もない。言うたら、ほどほどの友情ものの宇宙漂流もの。

一方、『Dr.STONE』は、役に立つというか、あまりマネをしない方がよいかもしれない。この作品では、いくら科学が発展しても現代を越すことはできないとしたら、最終目標は何だろうか。

《タイトル長すぎ問題》

今期もタイトルが長すぎる作品はいくつかありました。これから書くタイトル名は、すべて略されたものです。

『ダンまち(二期)』は、結局ダンジョンにほとんど行っていないのではないだろうか。それにしても、また続編が作られるということだが、結構人気あるんだな。一期の頃の、あの「謎の紐」ブームは何だったのだろうか。続編作られるみたいだけども、まだこのシリーズはおもしろくないなろう系原作アニメよりかはおもしろいですが。

『変好き』は、男子高校生が、同じ学校の女子から変態的な扱いを受けていて、その女子たちの中で誰が主人公のことを好きなのかを探るアニメ。これは、『中妹』(2012)のような感じでしょうか。変態の女子がいるといっても、ほとんどは変態とはいえないものだと思う(ちなみに、海外の一部では「ヘンタイ」という日本語はヤバイ意味として使われているので、これから使うのがためらわれる単語になるかもしれない)。それはそうと、この『変好き』アニメがきちんと(?)作られていたらもうちょっと面白くなってたかもしれないと思うと、ちょっと惜しい。さて、登場人物の中で誰が一番ヤバいか。まず匂いフェチは珍しくもないし好みが変わる可能性はあるが変態ではない。BLさんはちょっと業が深いけどもまともではある。「ドS」ちゃんは、軽い嗜虐性があるかもしれないけどどちらかというとまともな感じ。一番ヤバいのは、先輩と結婚して妹と同居することだろう。このふたりはかなりヤバい。このふたりの嗜好はエスカレートしていくと、もっとひどくなる傾向を秘めている。どういう性癖なのかは実際に視聴してください。

その他、『通常攻撃~』は、なんだかよくわからないまま終わった。後半はよく観ていなかった。これはつかみだけの作品か。もしくは、母親という設定を変えたらよかったかもしれない。

『うちの娘。』はとにかく、ラティナ以外は何にも手をつけないで正解だった作品。

《アニソン》

アニソンについては、とくに書くことがない。『まちカドまぞく』のオープニングはよかった。作品の雰囲気を表していてよかった。なんか懐かしさを感じる。このオープニングのフルヴァージョンに新規カットを追加して、その映像をDVD化してくれたら、CDを買ってもいいと思った(が、そうはならなさそうか)。

【10年代のロボットアニメについて】

夏アニメ『グランベルム』は、まあ無難に終わりました。これの脚本を岡田マリーに任せていたら、きっと『ウィクロス』シリーズのようにドロドロのグチャグチャになっていたかもしれない。それを思うと、同じアニメイズムの『荒ぶる季節の乙女たちよ』は、漫画原作なのと、監督がうまく御したからなのか、ほどほどのものにおさまりました。ただし、男性の描き方が一様で物足らない感じはしますが。

『グランベルム』は、一応ロボットに乗った少女が魔術師を目指して戦うというものなんですが、どこかで見たような要素の集まりといた感じでした。まあ『まど☆マギ』からの魔法少女ものに『魔神英雄伝ワタル』などといった過去のロボットものを足したような感じで、ラストはまるで『Zガンダム』でした。なんか先祖返りを見てるみたいでした。

10年代のロボットアニメについては、『現代アニメ「超」講義』において、著者が詳しく書いているので、それに付け加えることはないので、ちょっとこぼれ話的なものを書きたいと思います。

まず、10年代のロボットものとして思いつくのが、『バディ・コンプレックス』(2014)でしょう。内容はともかく、これの後編にあたる、『完結編』の駆け足での編集がすごかった。これを観た時に、ロボットものはもうあかんのかなと思ったほどの衝撃(の笑い)をおぼえた。それと、『クロムクロ』の戦闘シーンを観た時にもそう思った(これは、制作会社の問題なのかもしれないけども)。他にもボンズとかが制作したロボットアニメとかありましたけども、あまり記憶に残っていません(『ひそねとまそたん』〔2018〕はおぼえてますけど)。ここでは作品名をあげませんが、この10年間は色々ロボットものはあったことだけ書いておきます。

10年代というのは、『マクロス』や『アクエリオン』などの続編もあったけれど、ガンダムシリーズを除くと、『アクエリオンEVOL』(2012)だけがよかっただけで、あまりおもしろいものはなかった。むしろ、石岡良治が書いている「キッズアニメ」の方がロボットものとしてはよいものがあったのかもしれない。それか、『STRADRIVER輝きのタクト』(2010-2011)のように、ネタ的な受けを狙ったほうがいのか。もしくは、『シドニア』のような感じのものヘシフトしたらいいのか。または、サンジゲンが制作した『アルペジオ』シリーズや『ブブキ・ブランキ』(2016)のような3DCGものがいいのか。このサンジゲンはおもろい原作でロボットものを作ったらいいのではないかと思います。

『グランベルム』はそんななか、ロボットを扱ったものとしてはそこそこだったのですが、これはロボットものといっていいのかどうか分かりません。ロボットじゃなくても、この魔術師の争いは成立したのではないかとも思います。この10年代は、少女がロボットに乗るという作品がいくつかありました。『輪廻のラグランジェ』(2012)や、『クロスアンジュ』や、『ヘヴィーオブジェクト』(2015)や、『レガリア』(2016)などあります。『クロスアンジュ』はロボットものといっていいかわかりませんが。『グランベルム』は、『レガリア』みたいなロボットであればそこそこおもしろかったかもしれません。

なぜかは分かりませんが、少女だけがロボットなどに乗りこんで戦うアニメは、あまり面白いものがないという印象です。『ソラとウミのアイダ』(2019)という既によくおぼえていないアニメも何かに乗り込むという内容でした。その他にも色々とありましたが、あまり印象にないものばかりです。一応個人的には『アイマス・ゼノグラシア』(2007)は面白かったですが、それは私がアイマスに興味がないからだけかもしれません。

例外として、『ガルパン』がありますけど、これはミリタリものなのでちょっと違うかもしれない。それはおいといて、ロボット×少女よりも、生身の少女に何かの装置を装着させて戦わせる作品が依然としてヒットしているようです。その代表格である『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズは、どちらかというと歌とバトルを組み合わせたのがよかったのでしょうか(というかプリキュアの流れにある作品だろうか)。キャラソンはやはり強いというところなのでしょう。『インンフィニット・ストラトス』は今ならヒットしたかどうか分かりませんが、これまた生身に戦闘パーツを装着させたのがよかったのか。『艦これ』はこの後継にあたるような気がする。まあ結局は、最初は評判のよくなかった『ハイスクールフリート』のようにミリタリものと組み合わせた方がいいのかもしれません。

【まとめ】

個人的には広義のロボットものには期待したいです。たとえば、イケメンアイドルたちがロボットに搭乗して歌合戦するというものがそれほど開拓されていないような気もします(私が知らないだけかも)。『マクロス7』とは違うベクトルでもいいですし、『ガンダム00』のような感じでもいいかもしれない。もちろん異世界もの+ロボットでもいい(これに該当するものは何かあったような気がする)。いっそのこと、おっさん向けとしてリアル志向のロボットを作ってもいいかもしれません。そしたら、ゲームなどにも展開できるかもしれません。個人的に一番観たいロボットものは、銀英伝をもっとヴァージョンアップさせたようなタクティカルなものなんですが、これは現実味がないか。

(成城比丘太郎)

 

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