- 古典的SFサスペンスとして楽しむ一冊
- いわゆるナチスもの
- 少しだけグロテスク描写もあり
- おススメ度:★★☆☆☆
発表された1976年当時では、この小説のメインテーマは一般的に余り知られていない科学技術だったと思われる。詳しく触れると著しく興を削いでしまうが、現在でも賛否両論あるネタである(本の商品紹介ではネタバレしているが…)。アウシュビッツで人体実験を行った「死の天使」メンゲレが登場する、いわゆる「ナチスもの」小説。
そんな理由で発表から40年経った2016年現在では「驚き」という点では弱くなっているが、全体的に骨太のプロットで、奇をてらわない展開なので安心して読める。特に、ラストシーンは、緊張感のある展開が楽しめるが、すこしグロテスクでもある。
ちなみに著者の作品では「ローズマリーの赤ちゃん」の方が遙かに有名と思われる。なんとなく興味がわいて手に取ってみたが、余り細かいことは考えずに楽しむのが良いかと思う。
(きうら)