3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

★★★☆☆

念力―超能力を身につける九つの方法(桐山靖雄/徳間書店)※絶版本

投稿日:2017年4月1日 更新日:

  • 呪いの実践教科書
  • かなり古い本
  • 効果は? 推して知るべし
  • おススメ度:★★★☆☆

本棚を漁っていたら、かなり怪しい本が出てきた。なんと1973年初刷で、1987年の第40刷を持っている。前に「呪いの恐怖」という本も紹介したが、何が怖いってこれを信じて実行してた自分が怖い。よくもまあ、カルト宗教とかにハマらなかったものだ。そういう意味では怖い本だ。
これは、阿含宗(Wiki)管長が書いた、ガチで超能力を身に着ける方法のマニュアル本である。曰く、「40年の業病が一年余の行で回復」「麻雀、パチンコすべて必勝」「雑念を払って良縁をもたらす」など、超能力というか、何というかすごく具体的な効果が書いてある。もちろん、当時の私はやってみたに違いない。

結果はどうなったかと?

いま、こういったブログを書いているということは「修業が足りなかった」のだろう。昨日、風邪を引いたし、パチンコも競馬も勝てないし、雑念だらけだ。この本の凄い所は、「実践的」であることで、単なる説教ではなく、印の結び方など、えらい具体的にイラスト入りで書かれている。著者は、予知能力まで身に着けているらしく、ちょっと再読してみたところ、実際に効果がありそうな「気がしてきた」。危ない危ない。

中古本しか手に入らないが、読み物としてもまあまあ面白いし、これで本当に超能力が身についたら安い買い物だ。私も超能力を使って楽して生きたい。しかし、巻末の方にクライマックスである「食生活」に気を付けろという部分が登場する。しかも、ご丁寧に「せめて酒とタバコを半分に減らし、肉食は週1、2回にし、なるべく植物性の蛋白質をとることを心掛けろとある」などと、ナイスアドバイスなのだ。ただ、それは超能力というより健康法じゃないかと思うのだが、どうだろうか?
いま、考えているのは、この本が欲しい人がいたらいくらで売ったらいいのかというようなことだ。うーむ。

(きうら)



-★★★☆☆
-, ,

執筆者:

関連記事

ゾンビ・パラサイト(小澤祥司/岩波科学ライブラリー) ~あらましと軽いネタバレ

「ホスト(=寄生先の生物)を操る寄生生物たち」について。 ゾンビというタイトルだが、生ける屍のことではない。 特に怖がる要素はない。 おススメ度:★★★☆☆ タイトルに「ゾンビ」とあるので、なんか物騒 …

邪魅の雫(京極夏彦/講談社) ~続刊「鵺の碑」はいつ出るのか&感想

毒をテーマにミステリ寄りの展開 全体的に薄味の内容で、物足りない 続編は現段階でやはり未定。詳細は下段参照 おススメ度:★★★☆☆ 2017年現在、京極夏彦のデビュー作「姑獲鳥の夏」から長編8編、短編 …

ベルセルク 40(三浦健太郎/ヤングアニマルコミックス)

本当に長いファンタジー漫画の一つのターニングポイント 簡単に言えばふりだし(13)に戻る うっすらと虚無感も…… おススメ度:★★★☆☆ まず、この漫画をご存知ない方は過去記事の「ベルセルク 1」を、 …

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ と ゴジラ(後編)【完全ネタバレ】

中途半端な娯楽観は見抜かれる ゴジラと恐怖 それでも怪獣映画は嫌いになれない おススメ度: ★★★☆☆(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ) ★★★★★(ゴジラ) 【承前】 「本」ではなく、2019年 …

仮面病棟(知念実希人/実業之日本社) 〜あらましと感想、軽いネタバレ

病院に立て籠もった犯人と医者のサスペンス 文章は読みやすい。キャラもわかりやすい そこそこ楽しいがもう一捻り欲しい おススメ度:★★★☆☆ (あらまし)アルバイトである病院の夜勤についた主人公の外科医 …

アーカイブ