3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 投稿者アーカイブ:きうら 」 一覧

死刑 その哲学的考察(萱野稔人/ちくま新書)

日本の死刑制度のもつ意味とは。 道徳的に、または政治哲学的に考える。 価値観の押しつけや、抽象論に堕しない死刑の考察。 おススメ度:★★★★☆ 【大雑把な本書の見取り図】 まず、(欧州に非難される)日 …

後退or進歩? ~今後の編集方針についてのお知らせ

2017/11/01   -お知らせ

このサイトもおかげ様で、今月末で一周年を迎えます。ここまで正月など数日を除き毎日更新してきましたが、共同運営者の成城比丘太郎氏と相談し、11月から隔日更新とすることになりました。原因は主に2つです。 …

新装版 ロードス島戦記 灰色の魔女 (水野良/角川スニーカー文庫)~あらましと感想

シンプルな冒険ものファンタジー 熱血主人公戦士、エルフの美少女、頑固なドワーフに思慮深い魔術師…… 現代ラノベ系ファンタジーの開祖と言える作品 おススメ度:★★★☆☆ 幼いころから本を読むのは好きだっ …

ミスト(「闇の展覧会」より)(スティーブン・キング/ハヤカワ文庫NV)~小説版と映画版ごちゃまぜネタバレ感想

映画版は少々チープなCGながら良くできたパニック物 小説版もほぼ同じ内容。映画版とプロットは同じ。 賛否の分かれるラストは? これはどちらを取るかは難しい。 おススメ度:★★★☆☆ 余りにも有名なステ …

この一週間を振り返って(2017年10月22日~10月28日)

2017/10/30   -まとめ, 未分類
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前置き 選挙と台風で始まった一週間。私の郷里では、川が氾濫したが、昔から「氾濫慣れ」している地域なので、実家の母に聞くと「いつもの所に水が突いただけ」とのことで、却って落ち着いていた。子どもの頃は、車 …

海の底(有川浩/角川文庫)

突如横須賀だけを襲った謎の巨大甲殻類。 潜水艦にとり残された自衛隊員と、13人の子供たち。 警察組織(特に機動隊員)の意地と奮闘ぶり。 おススメ度:★★★☆☆ 本書は、きうら氏が以前紹介していた(20 …

ヒストリエ(1)(岩明均/アフタヌーンコミックス)

アレキサンダー大王の書記官エウメネスの人生を壮大に描く 「寄生獣」ばりの強烈なシーンも散見できる一巻 壮大な物語の興味深いプロローグ おススメ度:★★★★☆ 前回、カズオ・イシグロ氏の「忘れられた巨人 …

タタール人の砂漠(ブッツァーティ[作]、脇功[訳]/岩波文庫)

語の舞台である砦に捉われた人々。 幻の敵を待ち続けるドローゴ。 人生の寓話として読むもよし、幻想小説として楽しむもよし。 おススメ度:★★★★☆ 将校の「ジョヴァンニ・ドローゴ」が、九月のある朝、任地 …

忘れられた巨人(カズオ・イシグロ[著]・土屋 政雄 [翻訳]/ハヤカワepi文庫) ~あらましと中程度のネタバレ

竜も騎士も出てくる正統派ファンタジー 戦争と平和、死と復讐への意味深な警鐘 スロースタートだが面白い読み物 おススメ度:★★★★☆ 世の中には「にわかファン」という言葉があって、例えば本のジャンルで、 …

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(12)(渡航/ガガガ文庫)

最新12巻の感想です。 時折挟まれるタイムリーな(オタク的)ギャグがよく分からないことも。 誰もが誰かを気にしている、ありえないほどにやさしい世界。 おススメ度:評価不能(これだけ読んでも何も分からな …

メイド・イン・アビス(つくしあきひと[原作]・小島正幸[監督]アニメ版) ~感想と軽いネタバレ

少女と少年(半ロボット?)が深い穴に潜るファンタジー 目的は少女の母親の探索 可愛い絵柄ながらグロテスクな描写へ踏み込む おススメ度:★★★★☆ このあいだ「今期[2017年7~9月]アニメ感想まとめ …

この一週間を振り返って(2017年10月15日~10月21日)

2017/10/23   -まとめ
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前置き この週は台風くらいしか語るべき話題がなかったので、原点に戻って恐怖について話をしたい。今回語るのは私のごく個人的な小学生時代の恐怖である。小学校時代はおおむね楽しかったが、絶対に嫌なものが二つ …

谷崎潤一郎マゾヒズム小説集(谷崎潤一郎/集英社文庫)

谷崎のモチーフにあふれた短篇集。 同工異曲のきらいもありますが。 驕慢な女性に虐げられたい、そのためには女性を調教・訓育しなければ(使命感)。 おススメ度:★★★★☆ 『少年』……「私」はある日学校で …

愛 (ウラジーミル・ソローキン (著), 亀山 郁夫 (翻訳)/文学の冒険シリーズ)~中程度のネタバレ、とはいえネタバレしても意味不明

ロシアの牧歌的な会話から急転直下する狂気の短編集 同性愛、スカトロジー、エロティシズム、スプラッターと何でもあり もはやこれは一種の「芸」である(※芸術ではなく)。 おススメ度:★★★★☆ 先日、村上 …

抗生物質と人間(山本太郎/岩波新書)

抗生物質がうまれた簡単な歴史。 ヒトの身体を細菌との共生から捉える。 抗生物質の過剰使用による危険性。 おススメ度:★★★★☆ 結核をはじめとして、人間の病をなおし、生を支えてきた抗生物質ですが、最近 …

黒猫・黄金虫 (エドガー・アラン・ポー/新潮文庫)~概要と感想

クラシカルなホラー・幻想譚・探偵小説 名前だけ知っていて読んでいない系作家の一人 後世への影響力を垣間見る短編5つ おススメ度:★★★☆☆ 前日の記事が「乱歩と正史」というのは、全くの偶然だが、江戸川 …

乱歩と正史(内田隆三/講談社選書メチエ)

乱歩について言及されているのが、ほとんど。 横溝(作品)にも最後の方で触れています。 乱歩と横溝が直面した、戦争に対する探偵小説の行方。 おススメ度:★★★☆☆ 江戸川乱歩と横溝正史という、戦前・戦後 …

鍵-自選短編集(筒井康隆/角川ホラー文庫)~概要と感想、軽いネタバレ

不条理を感じるSF要素もある現代(少し古いが)ホラー 筒井康隆ならではのアイロニー 正解を知っていて敢えて外すというテクニックはさすが おススメ度:★★★★☆ 筒井康隆と言えば、知らない人はいないベテ …

文学賞&ディックに対する成城比丘太郎氏の私へのつっこみと訂正

2017/10/16   -その他の話題
 

今日の記事を読んだ共同運営者の成城比丘太郎氏より「事実誤認がある」とのツッコミがあったので、ここで公開訂正します。 1.彼は村上春樹のファン/アンチの彼岸にある。 簡単に言えば賞を取ろうが取るまいが「 …

この一週間を振り返って(2017年10月8日~10月14日)

2017/10/16   -まとめ

前置き 先週のまとめは政治的なことばかり書いてしまい、ノーベル文学賞の話題に触れていなかった。正直、この話題を語るのは私より文学に造詣の深い成城比丘太郎氏の方が適任だ。なので、彼とやり取りして印象的だ …

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