3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 投稿者アーカイブ:きうら 」 一覧

夜の夢見の川(中村融・編/創元推理文庫) ~あらましと感想、軽いネタバレ

12編の「奇妙な物語」。 ホラー要素もあるが、どこかとらえどころのない話。 翻訳ものに向かない人には、あわないかも。 おススメ度:★★★☆☆ 『麻酔』(クリストファー・ファウラー)…歯科治療にきた「サ …

グスコーブドリの伝記(宮沢賢治/ちくま文庫) ~あらましと感想

残酷で美しい少年の成長記 静かなラストに深い余韻 宮沢賢治史上、最大のエンターテイメント小説 おススメ度:★★★★✩ 私の母が宮沢賢治のファンで、幼いころに「銀河鉄道の夜」を読めと、私に盛んに薦めてき …

結ぶ(皆川博子/創元推理文庫) ~あらましと感想、軽いネタバレ

18の短編からなる幻想小説集。 特に怖いところなし。 幻想小説初心者向け。 おススメ度:★★☆☆☆ まず表題作の「結ぶ」だが、これはなんか思考実験のような短編。身体が縫われることから着想し、球体へと至 …

メルキオールの惨劇 (平山夢明/ハルキ・ホラー文庫)  ~あらましと感想、軽いネタバレ

エキセントリックな文章と物語 ケレン味たっぷり 普通の悪趣味幻想小説 おススメ度:★★✩✩✩ 書評サイトとしては反則なのかもしれないが、Amazonのレビューが高かったので、内容を一切確認せずに購入し …

杳子・妻隠(古井由吉/新潮文庫)

世間から閉じこもりがちの、一組の男女の奇妙な恋愛。 病の物語といえる。 匂い立つようなエロスが少々。 おススメ度:★★★★☆ 『杳子』は、古井由吉の芥川賞受賞作品です。粗筋としてはこれといった複雑なも …

水域(椎名誠/講談社)

2017/05/25   -★★★★☆
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怪しくも美しい水のディストピア 椎名誠史上、最高の抒情性 美しいラスト、SFファン必読 おススメ度:★★★★✩ この小説を読もうと思った方、それは正解だ。ハルキストがいるとすれば、私はシーナリスト。そ …

怖くて眠れなくなる感染症(岡田晴恵/PHP研究所)

軽く読めるが、中身は結構重い。 身近にある、気をつけるべき病気。 海外渡航する人は特に注意。 おススメ度:★★★★☆ 感染症というのは、人間誰しもかかるし、いつ発症してもおかしくない病気です。(201 …

人生の短さについて他2篇 (セネカ/光文社古典新訳文庫)

正しい時間の使い方とは。 今忙しく働いている人が読んで、はたして実践できるかどうか。 「他2篇」の方が役に立つかも。 おススメ度:★★★☆☆ セネカは日本ではよく売れているようです。私の手元にある岩波 …

首都消失 (小松左京/ハルキ文庫)  ~概要と感想、かなりのネタバレ

タイトルが全てのがっかりSF小説 首都は消失する、するが…… 読みたいテーマと微妙に違う おススメ度:★★✩✩✩ (あらまし)首都圏に突如発生する正体不明の異変。都心を半径30㎞、高さ1000mにもな …

【発表】恐怖の大王大賞&買った自分がむしろ怖い大賞 ~2017年上半期

2017/05/21   -まとめ
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<恐怖の大王大賞 2017上半期> 【大賞】ぼっけぇきょうてえ(岩井志麻子/角川ホラー文庫) 怖い、キモイ、文学性、どれをとっても超一流。最後の最後、読者を串刺しにするようなセリフ。まさに理想のホラー …

自殺について 他四篇 (ショウペンハウエル/岩波文庫)

短い自殺への考察 論調は自殺の賛美 特に深い示唆はない おススメ度:★★✩✩✩ ショウペンハウエル(アルトゥル・ショーペンハウアー)は、Wikipediaの受け売りで書くと、ドイツの哲学者。仏教精神そ …

ブラッドボーン(PS4/フロム・ソフトウェア)

ホラーアクションRPG 細部までこだわった世界美術 遊べば遊ぶほど良さがわかる おススメ度:★★★★☆ (あらまし)19世紀ヴィクトリア朝をモチーフにした血みどろアクションRPG。このシリーズでは「ダ …

地を這う虫 (高村薫/文春文庫)

報われない男の諦めない物語 4つの短編を収録 人生は勝ち負けではない おススメ度:★★★★✩ (あらまし)「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。文庫本の裏面にあるフレーズ。最近気が付いたが、人生 …

淫売婦・死屍(しかばね)を食う男(葉山嘉樹/ゴマブックス) ~あらましと感想、軽いネタバレ

幻想とホラーの混じった短編。 少し作り物めいているが、妙に後に残る。 夏の夜のお供にどうぞ。 おススメ度:★★★★☆ 『淫売婦』は、ある男の体験談。事実なのか幻想なのか分からないという、なんだか覚束な …

怪奇博物館(赤川次郎/角川文庫) ~あらましと感想、軽いネタバレ

非常に軽い内容のホラー風短編 大学教授と助手のコンビ連作と独立した短編 肩透かし、あるいは息抜き? おススメ度:★★☆☆☆ (あらまし)ドラキュラや謎の箱、呪いなどにテーマを取った7つの短編を収録。同 …

哲学塾の風景(中島義道/講談社学術文庫)

実況感覚でおくる哲学書読解と、<哲学>実践。 特に何かに役立つわけではないのが、この塾のミソ。 哲学的センスのない人は、哲学書を読む必要がない。 おススメ度:★★★★☆ 哲学者中島義道が、<本当に>哲 …

鉄鼠の檻(京極夏彦/講談社) ~概要と感想、若干のネタバレ

レンガ本の真骨頂。分厚い・長い・難しい。 ネタは面白いが、禅の講釈で詰まる。 セルフパロディ化しつつもある。 おススメ度:★★★☆☆ (あらすじ)新しく登場する古物商の今川を皮切りに、おなじみのメンバ …

ゴーストバスターズ2016 (ポール・フェイグ監督)  ~概要と感想、若干のネタバレ

愛のあるリブート。4人の女性がゴースト退治 下品でお馬鹿で露悪的なコメディ オリジナルを愛しすぎている オススメ度:★★★☆☆ オリジナルのゴーストバスターズが公開されたのは1984年で、ちょうど小学 …

翳りゆく夏(赤井三尋/講談社) ~概要と感想、おススメ点など

20年前の誘拐事件の謎を追う 錯綜する人間関係をスピーディに 意外性と引き替えに、ラストにも疑問も おススメ度:★★★✩✩ (あらすじ)「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」という「事件」をきっかけに、2 …

百年の散歩(多和田葉子/新潮社) ~概要と感想、軽いネタバレ

ベルリン観察記のような体裁。 次々と湧き起こる連想。 街そのものの持っている記憶がメイン。 おススメ度:★★★☆☆ 「わたし」は「あの人」を待ちながら、「あの人」との関わりを思い浮かべながら、ベルリン …

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