「 ★★★★☆ 」 一覧

春山入り (青山文平/新潮文庫)

考え抜かれた時代小説短編集 テーマは日本刀≒刃≒死と生 素直に称賛できる文体と内容 おススメ度:★★★★☆ 率直にって素晴らしい短編集だと思う。「たまには時代小説でも読むかな」という安直な動機は、驚き …

凍(トーマス・ベルンハルト、池田信雄[訳]/河出書房新社)

ベルンハルトの長編小説第1作 研修医が、とある画家を観察する 何もかもが凍てついた集落での呪詛のごとき言葉 おススメ度:★★★★☆ 【はじめに、本書紹介など】 トーマス・ベルンハルト(1931-198 …

カフカの父親(トンマーゾ・ランドルフィ、米川良夫・竹山博英・和田忠彦・柱本元彦[訳]/白水Uブックス)

かなり狂ってる人が登場する 奇想とユーモアとナンセンスとシュルレアリスムと 語り手の饒舌さ 奇妙さ:★★★★☆ 【はじめに】 トンマーゾ・ランドルフィ(1908-1979)は、イタリアの文学者。いつか …

黒い森の記憶(赤川次郎/角川ホラー文庫)

田舎に隠棲した元医者と少女連続殺人事件 老人の謎めいた過去と行動 ミステリよりもサイコホラーっぽい おススメ度:★★★★☆ 時代は昭和50年前後。元医者の老人は、娘婿夫婦に病院を任せ、田舎に質素なコテ …

増補-死者の救済史(池上良正/ちくま学芸文庫)~読書メモ(29)

読書メモ(029) 「苦しむ死者、うかばれない死者」の対処法 「憑依」概念を捉えることの難しさ 個人的興味深さ:★★★★☆ 「供養と憑依の宗教学」という副題。2003年に角川選書より出されたものの増補 …

現代の地獄への旅(ディーノ・ブッツァーティ、長野徹[訳]/東宣出版)~読書メモ(28)

読書メモ(028) ブッツァーティ未邦訳短篇集第二弾 日常に潜む陥穽と幻想と おススメ度:★★★★☆ 【はじめに】 本作品は、一年ぶりのブッツァーティ短篇集。内容は、変身譚・復讐譚・昔話のようなノリな …

紫の雲(M・P・シール、南條竹則[訳]/ナイトランド叢書)

「SF作家」シールの代表作 死をもたらす紫の雲 冒険ものにはじまり、やがて破滅系SFになり、最後は神話へ おススメ度:★★★★☆ 【はじめに】 M・P・シールの『紫の雲』(1901)は、ホラーチックな …

ロマン【1・2】(ウラジーミル・ソローキン、望月哲男[訳]/国書刊行会-文学の冒険シリーズ)

  ソローキンの傑作 前半は、ロシア文学の系譜に連なるロマン 後半は、すべてが解体されていく おススメ度:★★★★☆ 【はじめに】 ソローキンの『ロマン(POMAH)』は、傑作(怪作・快作)ですので、 …

方丈記 現代語訳付き (鴨 長明(著)簗瀬一雄(訳) /角川ソフィア文庫)

2018/12/30   -★★★★☆
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読んで心地よい不朽の名文 素敵な世捨人ライフ 無常感というよりむしろエネルギッシュ おススメ度:★★★★☆ 【ご挨拶】 今年最後の更新がなぜか古典。まあ、世知辛い世の中、一年の締めにはふさわしいとも思 …

日常(あらゐけいいち/角川コミックス・エース)

生粋のギャグ漫画 アニメも原作を丁寧に映像化 ギャグにかける心意気がいい おススメ度:★★★★☆ アイキャッチからも分かるように、非常にかわいい絵柄。その絵から想像されるような萌え要素は無いとは言わな …

ペット・セマタリー【上・下】(スティーヴン・キング、深町眞理子[訳]/文春文庫)

「モダン・ホラーの第一人者」であるS・キングが描く、死と愛の物語恐怖というより、いのちの峻厳さを感じる様々なパロディ(セルフパロディも含む)があるおススメ度:★★★★☆ 【はじめに、あらすじとか】 …

多和田葉子をおすすめしてみる(成城比丘太郎のコラム-08)

「コラム」という名のおすすめ記事 多和田葉子作品の中で、最初に読むにはどれがいいか 最新作『穴あきエフの初恋祭り』についても おススメ度:★★★★☆ 【はじめに】 先日、多和田葉子の『献灯使』(過去記 …

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(字幕版)

世界侵略という名の明るい社会派ドキュメント 楽しく観られるが耳が痛い いつものマイケル・ムーアの作風 おススメ度:★★★★☆ マイケル・ムーア監督と言えば、最新作「華氏119」が最近公開された。どうい …

来るべき種族(エドワード・ブルワー=リットン、小澤正人[訳]/月曜社-叢書・エクリチュールの冒険)

「来るべき種族」という新人類? ユートピア文学の系譜を受け継いだSF的作品 謎の力「ヴリル」におびえる語り手 オモシロ度:★★★★☆ 【最初におしらせ】 はじめにちょっとしたおしらせですが、個人的な体 …

ゲーム・オブ・スローンズ(海外ドラマ) ~まだ見てない方に、見るべき理由を

中世風異世界を舞台にした実写版ファンタジー・ドラマ まあよくここまで捻った話を娯楽ドラマとして提供できると感服 ストーリーに必要なら、エロ・グロ・スプラッター何でもあり おススメ度:★★★★☆(5シー …

ルクンドオ(エドワード・ルーカス・ホワイト、遠藤裕子[訳]/ナイトランド叢書)

著者が見た夢(悪夢)をそのまま書いたという作品群 わかりやすいものから不気味なものまで 内容の唐突さが、たしかに夢を見ているよう おススメ度:★★★★☆ 【はじめに】 著者は、アメリカ出身で、怪奇小説 …

最近読んだ本と、そうでない本~読書メモ(018)

  ブッチャーズ・クロッシング(ジョン・ウィリアムズ、布施由紀子[訳]/作品社) 火星の人(アンディ・ウィアー、小野田和子[訳]/ハヤカワ文庫SF) 読書メモ(18) 19世紀アメリカの大自然での経験 …

恐怖・地獄少女 Kindle版(日野日出志/Amazon)

昭和のトラウマ漫画家の代表作 グロさよりも哀切極まる まあしかし強烈な作風だ おススメ度:★★★★☆ あまり流行に左右されない(というより単に知らない)本サイトであるが、銚子鉄道のニュースから「まずい …

ガルヴェイアスの犬(ジョゼ・ルイス・ペイショット、木下眞穂[訳]/新潮クレスト・ブックス)

ペイショット作品の初邦訳 ポルトガルの一寒村に落下した物体(のにおい)があばく村人の生活 土地に積み重ねられた記憶の層と、生命のつながり おススメ度:★★★★☆ 一九八四年一月、ポルトガルの寒村である …

原民喜(梯久美子/岩波新書)~読書メモ(012)

読書メモ(12) 原民喜の「死と愛と孤独の肖像」 様々な「死」に囲繞された人生 おススメ度:★★★★☆ 原民喜は1905年生まれということで、私の曾祖母と同年生まれ(ちなみに曾祖母は10年前に他界)な …

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