- 5年越し! LINEスタンプが審査に通ったよ!
- ニッチすぎるコンテンツ。
- ま、売れないでしょう笑。
- おススメ度:★★☆☆☆
5年ほど前は、LINEスタンプ長者という言葉が流行った。つまり素人のスタンプが売れて、かなりいい稼ぎになったという話だ。私もその話に乗ろうと当時の画力の全てをつぎ込み、表情など企画をかなり真剣に考えてつくった…が無常のリジェクト(却下)!
理由は「歴史上の人物をそのまま題材にしたものはダメ」というものだった。
そうなのである。私は故郷である伊賀地方の偉人、松尾芭蕉をモデルにスタンプを作った。当時のキャッチコピーは「完全シニア向けコミュニケーションツール」であったが、見事にLINEのコードに引っかかってしまったのだった。当時は松尾芭蕉記念館に取材に行くなど、相当「LINE長者」に入れ込んでいたので、これはショックだった。どうも歴史画像をそのままトレースした疑惑があったらしい。手書きで模写したのだが、気合を入れすぎて似すぎてしまった。その時はあまりのショックにそのまま5年間放置していた。
で、先週、何気なく過去ファイルを整理していたらこの時の資料が全部出てきた。興味本位でクリエータズスタンプのマイページにアクセスするとそのまま残っていた。しかし、規定が変わって24枚でもスタンプが作られることが分かった。前は40枚だったのだ。
ならば、リジェクトされた画像を弄れば通るのではないか、などと考えていたのが、先週の月曜日、そして、さらに追加のリジェクトも食らいながら、ようやく販売に至ったのである。
LINEスタンプ「俳句と猫とブリッジと」 https://line.me/S/sticker/17431708
えーと、冷静になってみるとこれは売れない。こんな爺さんのスタンプを誰が買うんだろう? 紹介用に自分で一つ買ったが、それが最初で最後であろう。
しかし大事なのはここからである。自分のやりたいことをやる。結果はたぶんだめだけど、可能性はゼロではない。これが大切だ。事実、私はこの一週間、この一件でたいへん楽しかった。ちなみに作者の取り分はどうも50%のようなので、100人に売れたとしても、6000円くらい笑。
裏話として、元ネタは俳句兄弟というタイトルで小林一茶をモチーフにしたイラストもあったのだが、結局芭蕉に一本化した。だから何だという話だが、修正が面倒くさかったというのもある。
個人的に松尾芭蕉の「ブリッジ」が見られるスタンプは恐らく世界でこれしかないので、そこだけがウリ。「あざとむさ苦しい」は伊達じゃない。
しかし、「売れるスタンプとは何か?」という少々哲学的な気分になった今日この頃。
(きうら)