3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 きうら 」 一覧

夜までに帰宅(二宮敦人/角川ホラー文庫)~あらすじと感想、中程度のネタバレ

やや近未来の高校生たちが遭遇する「夜」の恐怖 興味深い設定だが、詰めが甘い気がする 読みやすい&ラストがなかなか おススメ度:★★★☆☆ (あらすじ)少し先の未来、第3次オイルショックがきっかけで夜間 …

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(ライアン・ジョンソン監督) ~前半ネタバレなし、後半ネタばれあり

悪側(ファーストオーダー)と善側の全面対決が主軸 単純に面白いが、寂しさを感じる展開 ラストのクレジットは泣ける 期待度:★★★☆☆ おススメ度:★★★★☆ いや、もう昨日の夜までは絶対に観ないつもり …

草枕(夏目漱石/新潮社)~漱石先生が語る人生の真理

超有名な冒頭の美文は人生の核心を突く 話の筋はさほど面白くない 味わい深い漱石の美学を楽しむ おススメ度:★★★☆☆ いやもう、この作品は冒頭の文章が全て。あらゆる時代、あらゆる大人の人生についての実 …

人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1) (江戸川乱歩/角川ホラー文庫)

乱歩入門に最適な怪奇短編集 ありそうでない、古そうで古くない 有体に言えば乱歩はすごく有能な変態 おススメ度:★★★★☆ 全然関係ない話から始めてしまうのだが、江戸川乱歩は私の同郷の文人である。同郷と …

敗れざる者たち(沢木耕太郎/文春文庫) ~あらましと感想、愚痴

古い時代の「負けた後」の男たちのドキュメント 胸に迫る世の無常と男の意地 人生に疲れていたら、たぶん、泣ける。 おススメ度:★★★★☆ タイトルは「敗れざる者たち」となっているが、実際には「勝てなかっ …

サンマイ崩れ(吉岡暁/角川ホラー文庫)~あらすじと感想

災害ボランティアに向かう若者の怪奇な短編 書下ろしの「ウスサマ明王」は中々変わった内容 前者は不条理系ホラー、後者はバトルもの おススメ度:★★★☆☆ 「サンマイ崩れ」というタイトルはとても秀逸だと思 …

十六人谷(まんが日本昔ばなしより/富山の伝説<24>より)~話の全容(ネタバレ)と感想

約10分の強烈な昔ばなし怪談 絵も話も怖いが「間」が最高に恐ろしい 公式には見られないので詳しめのあらすじ付 おススメ度:★★★★★ はじめに まず最初に断っておきたいのだが、この作品を現在、正式なル …

新宿鮫 新装版: 新宿鮫1 (大沢在昌/光文社文庫) ~あらましと感想、軽いネタばれ

エリートコースからはみ出た警部のハードボイルド警察小説 男性の同性愛と改造銃がテーマの第一巻 意外にロマンティックな一面もある おススメ度:★★★☆☆ 京極夏彦、宮部みゆきと同じ事務所「大宮極(公式H …

無惨百物語 みちづれ (黒木 あるじ/角川ホラー文庫) ~感想と紹介、軽いネタバレ

伝聞調のショートショート現代怪談集 類似作品に比べ文章・落ち共に秀逸 ちょっと怪談を読みたいときに最適 おススメ度:★★★☆☆ 現代の怪談を著者が蒐集したという内容で書かれているいわゆる「私の知ってい …

魔の聖域 (楢山芙二夫/角川ホラー文庫)~あらましと感想 、ややネタバレ

2017/11/05   -★★☆☆☆
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映画のスタントマンの事故死にまつわる怪異 イマイチ、何のホラーなのか分からない 昭和映画界の裏側描写は面白い おススメ度:★★☆☆☆ 「魔の聖域」と、抽象的なタイトルがついているが、内容は上記のような …

新装版 ロードス島戦記 灰色の魔女 (水野良/角川スニーカー文庫)~あらましと感想

シンプルな冒険ものファンタジー 熱血主人公戦士、エルフの美少女、頑固なドワーフに思慮深い魔術師…… 現代ラノベ系ファンタジーの開祖と言える作品 おススメ度:★★★☆☆ 幼いころから本を読むのは好きだっ …

ミスト(「闇の展覧会」より)(スティーブン・キング/ハヤカワ文庫NV)~小説版と映画版ごちゃまぜネタバレ感想

映画版は少々チープなCGながら良くできたパニック物 小説版もほぼ同じ内容。映画版とプロットは同じ。 賛否の分かれるラストは? これはどちらを取るかは難しい。 おススメ度:★★★☆☆ 余りにも有名なステ …

この一週間を振り返って(2017年10月22日~10月28日)

2017/10/30   -まとめ, 未分類
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前置き 選挙と台風で始まった一週間。私の郷里では、川が氾濫したが、昔から「氾濫慣れ」している地域なので、実家の母に聞くと「いつもの所に水が突いただけ」とのことで、却って落ち着いていた。子どもの頃は、車 …

ヒストリエ(1)(岩明均/アフタヌーンコミックス)

アレキサンダー大王の書記官エウメネスの人生を壮大に描く 「寄生獣」ばりの強烈なシーンも散見できる一巻 壮大な物語の興味深いプロローグ おススメ度:★★★★☆ 前回、カズオ・イシグロ氏の「忘れられた巨人 …

忘れられた巨人(カズオ・イシグロ[著]・土屋 政雄 [翻訳]/ハヤカワepi文庫) ~あらましと中程度のネタバレ

竜も騎士も出てくる正統派ファンタジー 戦争と平和、死と復讐への意味深な警鐘 スロースタートだが面白い読み物 おススメ度:★★★★☆ 世の中には「にわかファン」という言葉があって、例えば本のジャンルで、 …

メイド・イン・アビス(つくしあきひと[原作]・小島正幸[監督]アニメ版) ~感想と軽いネタバレ

少女と少年(半ロボット?)が深い穴に潜るファンタジー 目的は少女の母親の探索 可愛い絵柄ながらグロテスクな描写へ踏み込む おススメ度:★★★★☆ このあいだ「今期[2017年7~9月]アニメ感想まとめ …

この一週間を振り返って(2017年10月15日~10月21日)

2017/10/23   -まとめ
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前置き この週は台風くらいしか語るべき話題がなかったので、原点に戻って恐怖について話をしたい。今回語るのは私のごく個人的な小学生時代の恐怖である。小学校時代はおおむね楽しかったが、絶対に嫌なものが二つ …

愛 (ウラジーミル・ソローキン (著), 亀山 郁夫 (翻訳)/文学の冒険シリーズ)~中程度のネタバレ、とはいえネタバレしても意味不明

ロシアの牧歌的な会話から急転直下する狂気の短編集 同性愛、スカトロジー、エロティシズム、スプラッターと何でもあり もはやこれは一種の「芸」である(※芸術ではなく)。 おススメ度:★★★★☆ 先日、村上 …

黒猫・黄金虫 (エドガー・アラン・ポー/新潮文庫)~概要と感想

クラシカルなホラー・幻想譚・探偵小説 名前だけ知っていて読んでいない系作家の一人 後世への影響力を垣間見る短編5つ おススメ度:★★★☆☆ 前日の記事が「乱歩と正史」というのは、全くの偶然だが、江戸川 …

鍵-自選短編集(筒井康隆/角川ホラー文庫)~概要と感想、軽いネタバレ

不条理を感じるSF要素もある現代(少し古いが)ホラー 筒井康隆ならではのアイロニー 正解を知っていて敢えて外すというテクニックはさすが おススメ度:★★★★☆ 筒井康隆と言えば、知らない人はいないベテ …

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