3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 成城比丘太郎 」 一覧

オオカミは大神(青柳健二/天夢人〔発行〕・山と渓谷社〔発売〕)~読書メモ(47)

読書メモ(047) 「狼像をめぐる旅」 日本各地に残る狼信仰 おススメ度:★★★☆☆ 本書は、日本各地に残る狼信仰をもとめて、主に東日本の社などを著者が巡ったことを、写真付きで記したもの。「お犬さま像 …

「価値観」について(成城比丘太郎のコラム-14)

コラム(014) 「価値観」という言葉の意味について いくつかの国語辞典から、その字義を考える おススメ度:特になし 【はじめに】 今回書くのは、私の価値観についてではなくて、「価値観」という単語(概 …

メドゥーサ(E・H・ヴィシャック、安原和見〔訳〕/ナイトランド叢書)~読書メモ(46)

「幻の海洋奇譚」 海洋冒険ものの序盤から、怪奇ものの後半へ 恐怖とは暗示に満ちた不定形なもの おススメ度:★★★★☆ 【はじめに】 『メドゥーサ』は1929年発表で、海洋冒険を装った怪奇幻想小説。本書 …

最近読んだ本【2019年6月】~読書メモ(45)

読書メモ(45) 6月に読んだ本 なんかいろいろ おススメ度:それぞれ 【6月に読んだ本・読み終わりそうな本】 ・『静寂と沈黙の歴史』(アラン・コルバン、小倉孝誠・中川真知子〔訳〕/藤原書店) 〔「ル …

方形の円(ギョルゲ・ササルマン、住谷春也〔訳〕/東京創元社)

「偽説・都市生成論」という副題。 「36」もの都市像が、雪崩をうつように現象する。 それぞれがひとつの宇宙観を凝縮した都市。 おススメ度:★★★★☆ 【まえおき】 著者はルーマニア出身で、現在はドイツ …

アニメ研究入門【応用編】(小山昌宏〔他〕/現代書館)

「アニメを究める11のコツ」 いろんな視点からアニメをみる 今期(2019春)のアニメ感想も おススメ度:★★★☆☆ 【本書のタイトルについて】 まず本書についてです。この本には前編があるようですが、 …

「承認欲求」の呪縛(太田肇/新潮新書)~読書メモ(44)

読書メモ(044) 「承認欲求」のネガティブ面を捉える 何でもかんでも「承認欲求」から読み解く おススメ度:★★★☆☆ 【本書について】 最近よく聞く「承認欲求」というワード。これはたとえば、「あいつ …

悪魔にもらった眼鏡(短編集、亀山郁夫・野谷文昭〔編訳〕/名古屋外国語大学出版会)~読書メモ(43)

読書メモ(043) 19世紀から20世紀までの欧米・ロシア文学から 幻想文学、ホラー、普通の文学までいろいろ おススメ度:★★★☆☆ 【はじめに】 本書は、これを出版した大学出版会が、学生向けだけでな …

読書について【3】(成城比丘太郎のコラム-13)

コラム(013) 小説家の書評本を読む だいたいにおいて健全な内容 おススメ度:★★★☆☆ 【はじめに書評本を読むとは】 この5月は、暑さもあったのですが、それ以外にもけっこうしんどいことがあったので …

エデン郡物語(ジョイス・キャロル・オーツ、中村一夫〔訳〕/文化書房博文社)~読書メモ(42)

(Amazonに画像無) 読書メモ(042) 「ジョイス・キャロル・オーツ初期短編選集」 「北部のフォークナー」 おススメ度:★★★☆☆ 去年ようやくレムの『エデン』を読んで、そのことを調べているとき …

最近読んだ本【2019年5月】~読書メモ(41)

読書メモ(041) 5月に読んだ本 ディストピアとかSFとかエンタメ的文学とか おススメ度:それぞれ 【この5月に読んだ本、もしくは読み終えた本】 ・円堂都司昭『ディストピア・フィクション論』(作品社 …

千霊一霊物語(アレクサンドル・デュマ、前山悠〔訳〕/光文社古典新訳文庫)

「語り手」デュマによる「枠物語」 殺人事件から始まる怪奇譚の披露 まさに19世紀オカルティズムの潮流 おススメ度:★★★★☆ 【あらすじ】 時は19世紀フランス。語り手のデュマは20代の劇作家。彼はあ …

『ネクロノミコン』の物語(H・P・ラヴクラフト、森瀬繚〔訳〕/星海社)~読書メモ(40)

読書メモ(040) 「新訳クトゥルー神話コレクション・2」 超ベタなゴシックホラーとして読める おススメ度:★★★★☆ 本書は、ラヴクラフト(と、一部の作品では別の人)が書いた、クトゥルーものから『ネ …

新編霊魂観の系譜(桜井徳太郎/ちくま学芸文庫)~読書メモ(39)

読書メモ(039) 民俗学から歴史を捉えられるか 著者は柳田國男の弟子 おススメ度:★★★☆☆ 著者は柳田國男の謦咳に接した弟子でもある民俗学者。民俗学と歴史とをどうつないでいくかに、それなりの補助線 …

吉野大夫『後藤明生コレクション・3』(後藤明生/国書刊行会)

「吉野大夫」という人物をめぐるお話 ノンフィクションの体をとった小説 「吉野大夫」を探るうちに、わけいる謎 個人的オモシロ度:★★★★☆ 【1】 今年は後藤明生の没後20年である。去年このブログにも書 …

20世紀ラテンアメリカ短篇選(野谷文昭[編・訳]/岩波文庫)~読書メモ(38)

読書メモ(038) ラテンアメリカ文学の、とっかかりとしては良い短編集 ホラー短篇集として読める おススメ度:★★★★☆ 【はじめに】 本書は、ラテンアメリカ文学者16人の、短篇をあつめたもの。ラテン …

最近読んだ本【2019年4月】~読書メモ(37)

読書メモ(037) 4月に読んだ本 エッセイ、社会学、文学、ノンフィクションとか おススメ度:それぞれ 【はじめに】 今月(4月)は、なぜか例年ほどヒノキ花粉の花粉症がひどくなかったので、いつもよりも …

雑談【2】(成城比丘太郎のコラム-12)

コラム(012) 競馬について(主にJRA) 種牡馬のこととか、クラシック戦線についてなど おススメ度:特になし 【はじめに】 このコラムが投稿される日は、おそらく5/1です。その日は「新天皇即位の日 …

燃える風(津島佑子/中公文庫)~読書メモ(36)

読書メモ(036) 少女のやり場のない憤懣を、様々な暴力として表現 「死」のありさまを夢想する少女 おススメ度:★★★☆☆ 【はじめに】 おそらく、これが平成最後の投稿になるかと思います。私は、人生の …

パルプ(チャールズ・ブコウスキー、柴田元幸[訳]/ちくま文庫)~読書メモ(35)

読書メモ(035) いい加減な探偵が奇妙な依頼を受けまくる 猥雑だがどこか爽快で、読みやすい、しかし気も滅入る おススメ度:★★★☆☆ 【あらすじとか感想とか】 ブコウスキーは、今年が生誕100年かと …

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