「 成城比丘太郎 」 一覧

奪われた家/天国の扉-動物寓話集(コルタサル、寺尾隆吉〔訳〕/光文社古典新訳文庫)

コルタサルの「真の処女作」にして、最適な入門書 都市生活者の不安とペーソスをかんじとれる 解釈は読み手次第 おススメ度:★★★★☆ アルゼンチンの作家フリオ・コルタサルの短篇集。この『動物寓話集』は、 …

エルフランドの王女(ロード・ダンセイニ〔著〕、原葵〔訳〕/沖積舎)

ダンセイニの傑作ファンタジー 人間の世界に隣り合う、もうひとつの世界がある 魔の国から見る人間世界 おススメ度:★★★★☆ 本書は、1924年発表の傑作ファンタジーで、この度復刊されました。「ファンタ …

書物と電気自動車について(成城比丘太郎のコラム-03)

書店のディスプレイは編集力の見せ所? 「千夜千冊」の再編集? 本と自動車産業の未来を横断的に語りたい(無理) おススメ度:★★★☆☆ 4年に一度おこなわれるものとはなんでしょか、と訊いたとしたらおそら …

川を覆う闇(桐生祐狩/角川ホラー文庫)

不潔と清潔とのたたかい とにかくお下劣ばんざい でも、文章(文体)は、まとも おススメ度:★★☆☆☆ 【まえおき】 一か月に15冊くらいの本を読んでいる。図書館で借りてきて部分的に読む(見る)ものを含 …

とんでもない死に方の科学(コーディー・キャシディー、ポール・ドハティー/梶山あゆみ〔訳〕/河出書房新社)

45通りの死に方を科学する ありうるものから想像を絶するものまで ユーモア(ブラック)を含みつつ、まじめに考察する おススメ度:★★★☆☆ 本書は、「スティーヴン・キングとスティーヴン・ホーキングを足 …

日本人の恋びと(イサベル・アジェンデ、木村裕美〔訳〕/河出書房新社)

恋愛と老いと友情をテーマに かなり重い過去を背負った人々 現在(2010年代)と過去(20世紀のこと)を交互に描く おススメ度:★★★☆☆ 本作は、イサベル・アジェンデが72歳の時に書いたもの。現代版 …

地球にちりばめられて(多和田葉子/講談社)/エクソフォニー(多和田葉子/岩波現代文庫)

  失われた母語を求める女性の話 国家は滅んでもクニは滅んでいない 言語は非常に多様性をもっている(月並み) おススメ度:★★★☆☆ 【『地球にちりばめられて』について】 『地球にちりばめられて』は、 …

未来の年表2(河合雅司/講談社現代新書)

「人口減少日本」で起きること 前著の二番煎じでないわけではないが 高齢の方向けの本になっている おススメ度:★★★☆☆ 本書は、昨年度ベストセラーになったとされる『未来の年表』の続編。去年それを読んだ …

オペラ座の怪人(ガストン・ルルー、平岡敦〔訳〕/光文社古典新訳文庫)

リのオペラ座を舞台にした憎しみと愛の劇 怪人の境遇に同情できるか 恐怖譚の中にひそむ滑稽さ おススメ度:★★★☆☆ 【簡単なあらすじ】 オペラ座に怪人(ファントム)が出没するという目撃情報が流れだした …

残穢(小野不由美/新潮文庫)~読書メモ(011)&クロスレビュー

読書メモ(11) ドキュメンタリータッチですすむホラー 現代史の見取り図に沿って語られる おススメ度:★★★☆☆ あちこちのホラーサイトで「怖い」と紹介されていて(確か)、当ブログでもきうら氏が「久々 …

甲賀忍法帖(山田風太郎/講談社)

忍術バトルが見もののエンタメ小説 展開がかなり早い 個人的に伊賀の方が悪者のように思えてしまう おススメ度:★★★☆☆ 【あらすじ】 時は、江戸時代初期。大阪冬の陣の半年ほど前のこと。徳川家康は将軍後 …

ディケンズ短篇集(ディケンズ、小池滋・石塚裕子〔訳〕/岩波文庫)

ちょっと暗めの短篇集。 ホラーや幻想小説要素も混じっています。 不安や、幻想に捉われた登場人物の心理は現代人向きかも。 おススメ度:★★★★☆ ディケンズは、19世紀イギリスの作家です。有名なので、こ …

本のおもしろさとは ~ダミアン少年を想う6月6日にサーバー移転1周年記念コラム<成城比丘太郎Xきうら>~(

「きうら氏」への質問 本について語る 小説を読む楽しさ 質問者:成城比丘太郎 【本ブログをはじめたきっかけ】 成城比丘太郎(以下成城):えー、では、本日はきうら氏にお時間をいただいて、ちょっとした質問 …

地下鉄道(コルソン・ホワイトヘッド、谷崎由依〔訳〕/早川書房)

黒人少女コーラが奴隷のくびきから「逃げる」 逃亡奴隷を追う奴隷狩り人の執拗さと凶悪さ 19世紀アメリカ南部にはびこる奴隷制を、虚実をまじえて描く おススメ度:★★★☆☆ 【あらすじ】 ジョージアのとあ …

声優(森川智之/岩波新書)~読書メモ(010)※長編のため本編記事として

読書メモ(10) 「声の職人」が伝える声優の極意 著者本人の経歴を綴る おススメ度:★★★☆☆ 本書の著者である森川智之は、現役の声優であるとともに、個人事務所社長として声優のマネジメントや声優志望者 …

絶滅危惧の地味な虫たち(小松貴/ちくま新書)

失われゆく自然と虫たち 虫探索のために全国を飛び回る著者の熱意 少しは虫が好きになるかも おススメ度:★★★☆☆ 【はじめに】 先日、図書館から『目からウロコの自然観察』(唐沢孝一/中公新書(Ama) …

楠瀬良『サラブレッドに「心」はあるのか』(中公新書ラクレ)  ~ 読書メモ(009)

読書メモ(9)です。 サラブレッドのことが少しは分かる。 競馬をはじめたばかりの人に。 オススメ度:★★★☆☆ 本書の著者は、「農学博士・獣医師」です。「JRA競走馬総合研究所」において、競走馬の心理 …

ボルヘス怪奇譚集(ホルヘ・ルイス・ボルヘス、アドルフォ・ビオイ=カサーレス、柳瀬尚紀〔訳〕河出文庫)

ボルヘスたちが蒐集し、編集した92の掌編。 ホラーというより、深くておもろい話。 読み手も、何か独自の挿話を抜き出してみたくなる。 おススメ度:★★★★☆ 【本書について】 まずことわっておきますと、 …

古井由吉自撰作品(一)(古井由吉/河出書房新社)

初期作品では個人的に一番好きな小説である『行隠れ』を読む。 死者と生きる者が、一人の若者に重なりあう。 一つの死が家族のありようを浮かびあがらせる。 おススメ度:★★★★☆ 【はじめに】 近年出版され …

古井由吉「木曜日に」を読む

円陣を組む女たち(古井由吉/中公文庫) 古井由吉の処女作「木曜日に」を読んでみる。 はじめの頃から「古井由吉」は「古井由吉」だった。 分明と不分明をかきわけながら確かめる存在のありどころ。 おススメ度 …

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