3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

絡新婦の理 (京極夏彦/講談社文庫) ~あらすじと感想、ネタバレあり(後編)

目潰し魔と絞殺魔の事件を繋ぐ糸とは 魅力的なキャラクターたち ネタバレありの感想 おススメ度:★★★★☆ この作品については、前編に引き続いて感想を書いていきたいと思う。前回は今まで通り概要を紹介した …

ジーキル博士とハイド氏(スティーヴンスン[著]・村上博基[訳]/光文社古典新訳文庫) ~概略と感想、ネタバレあり

超有名な架空の人物。 何も知らずに読むと、ミステリーとして読めます。 怖いというより、暗い感じの悲劇。 おススメ度:★★★☆☆ 「ジキル(ジーキル)とハイド」は、その名前だけはベストセラーの域にあるほ …

絡新婦の理 (京極夏彦/講談社文庫) ~あらすじと感想、軽いネタバレ(前編)

目潰し魔と絞殺魔の事件を軸に進むシリーズ第5弾 展開が面白く、シリーズ中でも屈指の作品 これまでの京極堂の敵としては一番の難敵 おススメ度:★★★★☆ 著者の作品は結構な数を紹介しているので、恐らく私 …

東京震災記(田山花袋/河出文庫)

花袋の目で見て、肌で感じた震災の模様。 様々な人たちの体験談を聴く花袋。 ルポでありながら小説でもある。 おススメ度:★★★☆☆ 宮崎駿監督作品『風立ちぬ』の序盤で一番印象的なのは、関東大震災の描写で …

地獄変(地獄変・偸盗 (芥川龍之介/新潮文庫)より) ~概要と感想

希代の絵師がゾッとする方法で描いた「地獄変」の屏風の話 芸術と人間の業を鋭く描く ホラー的にはむしろお殿様が怖い おススメ度:★★★★☆ 芥川龍之介の著名な作品の一つ「地獄変」。ただ、その内容から、タ …

異次元を覗く家(ウィリアム・ホープ・ホジスン[著]・荒俣宏[訳]/ナイトランド叢書)

ある廃墟から発見された手稿。 謎の<窖(ピット)>から出現する化け物。 とらえどころのないスケールのでかさ。 おススメ度:★★★★☆ アイルランド西部クライテンという、小さな村に滞在することになった、 …

KAPPA (柴田哲孝/徳間文庫) ~あらすじと感想、軽いネタバレ

沼で人が喰い殺された謎を追うルポライター ホラーでもなく、ミステリでもない、サスペンス系 割と明るい雰囲気の気楽な娯楽小説 おススメ度:★★★☆☆ かなり前に「TENGU」という小説を取り上げたが、そ …

月岡芳年 妖怪百物語(月岡芳年・日野原健司+渡邉晃[著]/青幻舎)

芳年の初期から晩年までの作品を集める。 妖怪が書かれたものを中心に。 コミカルなものから端正なものまで。 おススメ度:★★★★☆ 月岡芳年(wikipedia)は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師 …

ゴーストシップ(スティーブ・ベック監督)

1962年に消息を絶った豪華客船で起きた惨劇の謎 現代の「宝探し」サルベージ屋が船に乗り込む B級ホラーだが、ほどほどに楽しめる おススメ度:★★☆☆☆ なんとなくAmazon Primeのビデオを眺 …

<ひとり死>時代のお葬式とお墓(小谷みどり/岩波新書)

葬式のありようが変わる。 お墓(埋葬)の多様化。 <ひとり死>の弔いをどうするのか。 おススメ度:★★★☆☆ <死>のことを、まず、自分が死んだらどうなるのかという実存的な問題として考えたことのある人 …

イルカと墜落( 沢木耕太郎/文春文庫)~紹介と感想

著者が実際に乗った「飛行機の墜落事故」のレポート 前半はブラジルでの少数民族に関するドキュメント 冷静な文章で読みやすい。むしろユーモアも。 おススメ度:★★★☆☆ 前回紹介した「クライマーズ・ハイ」 …

ねじの回転(ヘンリー・ジェイムズ[著]・土屋政雄[訳]/光文社古典新訳文庫) ~あらすじと感想

クリスマスイブに古い屋敷で行われた怪奇譚。 二人の美しい子どもたちと、二人の亡霊と、家庭教師の女性と。 (ゴシック小説風)ホラーとして読めます。 おススメ度:★★★★☆ 本書は、聞き手の「私」を含む何 …

クライマーズ・ハイ (横山秀夫/文春文庫) ~あらましと感想、軽いネタバレ

日本航空123便墜落事故に遭遇した記者たちの葛藤 事故そのものではなく「報道」についてのドラマ 親友との関係が少しわかりにくい おススメ度:★★★☆☆ ご存知の通り、日本航空123便墜落事故(Wiki …

神聖喜劇(1)(大西巨人[原作]・のぞゑのぶひさ[漫画]/幻冬舎)~紹介と感想

大西巨人の大作の漫画化作品。 軍隊内の克明な記録。 主人公東堂太郎の博覧強記ぶり。 おススメ度:★★★★☆ 今回取り上げる本は、大西巨人(wiki)が執筆に25年もかけた大作『神聖喜劇』の漫画化作品で …

ギガントマキア(三浦建太郎/ジェッツコミックス) ~あらすじと感想、軽いネタバレ

ベルセルクの作者による異色格闘漫画 恐らくプロレスとロリータが描きたかったと思われる 一巻だけで完結。少し惜しい気も。 おススメ度:★★★☆☆ 前に紹介した「ベルセルク」の作者による一巻限りの読み切り …

デーミアン(ヘッセ[著]・酒寄進一[訳]/光文社古典新訳文庫) ~

「ぼく」ことシンクレアの「魂の遍歴」。 デーミアンという少年に導かれる「ぼく」。 BL小説として読もうと思えば、読めなくもない。 おススメ度:★★★☆☆ 本書は、エーミール・シンクレアが語り手となって …

かもめのジョナサン 完全版(リチャードバック (著)/五木寛之 (翻訳)/新潮文庫) ~ベストセラーを読む(4)

「飛ぶ」ことを純粋に求めるカモメの物語 いろんな意味でひたすら「美しい」 伝説化したのが分かるような、そうでないような おススメ度:★★★☆☆ 初めに読んだのは1974年に発行されたバージョンなので、 …

月影の迷路(リズ・ベリー[著]・田中美保子[訳]/国書刊行会) ~紹介と感想、軽いネタバレ

イギリスの「丘陵地帯」を舞台にしたファンタジー。 (歴史ある)土地のパワーに翻弄される人々。 読みやすい文章と、単純な構図。 おススメ度:★★★☆☆ (簡単な導入説明)大学入試試験を終えた「クレア」が …

続巷説百物語(京極夏彦/角川文庫) ~(紹介・後編)、あらましと軽いネタバレ

「死神」にまつわる凄惨な連作怪談 3つのエピソードがあるが最後はプロローグ的な短いもの かなり猟奇的な描写があるので注意 おススメ度:★★★★★ 長いお話なのと、前半・後半でカラーが変わるので2回に分 …

「エンドレスエイト」(『涼宮ハルヒの暴走』)(谷川流[原作]・京都アニメーション[制作]/角川スニーカー文庫) ~アニメ版のホラー的鑑賞について

アニメ版を一気に観るとホラーになります。 私の当時の感想を主に書いています。 こんなくだらない事は、あまりお勧めしません。 おススメ度:★★☆☆☆ 最初に書いておきたいのですが、今から紹介するのは、ア …

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