3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

★★★☆☆ 未分類

ほぼ日の怪談。 (ほぼ日ブックス)

投稿日:2020年6月22日 更新日:

  • いつもの怪談
  • 何となく読み飛ばしてしまった
  • まあ、普通
  • おススメ度:★★☆☆☆

久しぶりの怪談集だが、まあ、いつもの「実話怪談」系ということで間違いない。違うと言えば、「ほぼ日の」というタイトルの示す通り、ほぼ日刊イトイ新聞という糸井重里が主宰するサイトで蒐集された階段集であるということ。

実は、このサイトはかなーり古くからあり、ゲーム関連を始め、幅広い話題を扱っている。その、高等遊民のようなスタイルは、時代を先取りしていたとも言えるが、今となっては「手帳屋さん」のイメージが大きいが。

この怪談集も、恐らく掲載当時に読んでいるものが多かった。例えば、教室で談笑していると、ある生徒がびっくりした顔で硬直する。あとで聞くと、窓に無数のひとがはりついていた……というような内容だ。これ自体はどうということもなく、ああそうか、程度の感想であるが、実は糸井重里が関わっているという点に付加価値があるのである。

今の若い人は知らないかも知れないが、糸井重里と言えば「トトロのお父さん」であり、「くうねるあそぶ」や「みなさんおげんきですか」、ジブリ系の映画のキャッチコピー「落ち込んだりもしたけど、私は元気です」などのキャッチコピーで一世を風靡したコピーライター界の巨人である。一行数億ともいわれるこの業界での成功者であろう。

ただ、最近はTwitterでたたかれることもあり、全盛期の勢いはない。知らない人も増えた。この怪談集も全盛期に読んでいれば、糸井重里という「リアリティ」が面白くさせてくれたかもしれないが、今となっては普通の怪談集である。

とはいえ、スッキリ読みやすく、それなりに読める話も多いので、この手の怪談が好きな私のようなヒトビトには、とりあえず、読んでみてはどうかなくらいの内容だ。

糸井重里は私にとってはゲーム「Mother」のシナリオライターという印象が強い。面白そうなことにはなんにでも首を突っ込む、というスタイルは、時代をかなり先取っていたのであろう。逆に今はユーチューバーなど、その劣化コピーのような素人スタイルばかりで辟易しているが。

そんなことを思いながら、よくある「何かが憑いている!」「誰かに呼ばれた」「謎の着信があった」などと言う怪談をしみじみと読むのであった。

(きうら)


-★★★☆☆, 未分類
-, , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

スティーブ・ジョブス Ⅰ/Ⅱ(ウォルター・アイザックソン (著)/井口耕二 (翻訳))

名言集ではない テクノロジと家族がテーマ 愛憎も半ばを過ぎて おススメ度:★★★☆☆ 本書をiPhone14 ProのアプリのKindle電子書籍版で最後まで読んだ。そこには私が知っているスティーブ・ …

クライマーズ・ハイ (横山秀夫/文春文庫) ~あらましと感想、軽いネタバレ

日本航空123便墜落事故に遭遇した記者たちの葛藤 事故そのものではなく「報道」についてのドラマ 親友との関係が少しわかりにくい おススメ度:★★★☆☆ ご存知の通り、日本航空123便墜落事故(Wiki …

病の世紀 (牧野修/角川ホラー文庫)

様々な病気が人を殺すバイオSFホラー けっこうグロイので注意 オチはイマイチだが、病気系ホラー好きにはいい本 おススメ度:★★★☆☆ (あらすじ)色んな奇病が発生する世界が舞台。人体を発火させるカビ、 …

TVピープル(村上春樹/文春文庫)

村上春樹初期の短編集 不気味だがテーマはストレート 何だかんだで読んでしまう おススメ度:★★★☆☆ 本書を読んでいて思い浮かんだのはセンス・オブ・ワンダーという単語だった。ご存知の方も多いが、これは …

あの日読んだドストエフスキーを僕はまだおぼえている(成城のコラムー92)

「コラム092」 ドストエフスキーの新訳を読みました。 ステパンチコヴォ村での会話劇。 オススメ度:★★★☆☆ 【近況】 雪降って、雪積もって、寒いなかウォーキングしました。そして、手が寒い。鍋焼きう …

アーカイブ