- 1962年に消息を絶った豪華客船で起きた惨劇の謎
- 現代の「宝探し」サルベージ屋が船に乗り込む
- B級ホラーだが、ほどほどに楽しめる
- おススメ度:★★☆☆☆
なんとなくAmazon Primeのビデオを眺めていたら見つけた一作。バック・トゥ・ザ・フューチャーで著名なロバート・ゼメキスが出資したホラー専門の制作会社「ダーク・キャッスル・エンターテインメント」の作品ということで名前だけは知っていた本作。軽い気持ちで観ていたら、結局最後まで観てしまった……。映画の概要は単純なもので、以下、Wikipediaから引用する。
西暦1962年5月、アメリカへ向けて出航したイタリアの豪華客船アントニア・グラーザ号が突如消息を絶った。
それから40年後、ベーリング海沖を漂流している謎の船が発見される。船のサルベージ依頼を受けたアークティック・ウォリアー号のクルー達は現地へ急行、船内へ潜入したところ様々な怪奇現象に襲われる。この船こそが以前に消息を絶ったアントニア・グラーザ号だったのだ。
映画冒頭に「それはないだろう」という残酷シーンがあるのだが、これが結構ひどい。ほとんど出オチネタなので、極力ネタバレを避けて書いてみると、確かにホラー映画としては、画面映えするシーンではあるのだが、物理法則を全て無視したかのような演出で、斬鉄剣ではあるまいしあそこまで綺麗に切れることは無いだろう。生き残った少女が助かった理由も不明。位置的には必ず巻き添えを喰らっている気がする。インパクトはあるので、興味がある方は冒頭10分ほど観て頂ければ納得できると思う。
映画自体は、主役が女性クルーのエップス(ジュリアナ・マルグリーズ(Wiki))なので、「荒ぶる男たちの中に女が一人」という構成といい、無人の怪しい場所を探索する展開といい「エイリアン」のリプリーを思い出さずにはいられないような内容だ。基本的には冒頭のシーンが一番の見せ場となるので、雰囲気としては「お化け屋敷探検もの」で、まあ、それなりに雰囲気はあるのだが、結局、厭な予感が漂い始め、ラストで「やっぱりな」とがっかりするパターンだ。
冒頭に戻るが少女ケイティがやたら印象に残るなと思って調べてみるとエミリー・ブラウニング(Wikipedia)だったのか。ジム・キャリー主演の「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」の長女の女の子と言えばわかるだろうか。この映画の美少女ぶりからすると、失礼だがリンク先の画像ではかなり残念な写真が載っている。映画では非常に重要な役割で、ラストもなんとなくなく許せてしまうのは彼女の存在があるからと言える気がする。
ホラー映画なので、もちろん残酷シーンも登場するが結構控えめで、B級ホラーらしく「微笑ましい」恐怖シーンも多い。オチに言及すれば、えらく非効率なことをしているなというのが感想なのだが、そんなところを突っ込むのは野暮というものだろう。毒にも薬にもならない内容だが、妙に陰湿だったり残酷だったりするわけではないので、評価は低めにしたが(そんなに薦められるようなホラーではない)、バランスはいいのではないかと思う。ほとんどすべて海のシーンなのでこの暑い時期に暇つぶしに観るにはいいかも知れない。
(きうら)