★★★☆☆

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(EP9) ~今更ネタバレありレビュー

投稿日:2020年5月18日 更新日:

  • 無難にまとまりすぎて印象薄
  • ラスボス復活は禁じ手では!?
  • スター・ウォーズに限りなく近いスター・ウォーズもどき
  • おススメ度:★★★☆☆

私のスター・ウォーズ観はEP8の時の記事にほぼ書いているので、純粋にEP9の感想を書きたい。

去年末の大作映画だったが、イマイチ盛り上がらなかった。これは制作のディズニーも認めている通り、スター・ウォーズ関連作品を乱発しすぎた(ハン・ソロの失敗は記憶に新しい)。私も盛り上がらなかった一人で、今頃、サブスクリプション系からレンタルして観ている始末だ。

内容もご察しの通り、実にスター・ウォーズらしい…というか必死にスター・ウォーズらしさを出そうとしている。レイア姫も奇跡の復活で前半に出てくるし、派手な空中戦から懐かしのスピーダー風バイクでのチェイスもある。これだけ観るとスター・ウォーズなのだが、やはり主役のレイとカイロ・レンがネック。この二人も血縁と思わせておいて、実は善悪裏返った出自を持つ設定、というのはかまわない。

しかし、最大のネックは、二人とも「弱そう」なのである。私が感じていたSWの大きな魅力はライトセイバーという光の剣による華麗な剣劇である。とにもかくにも、ジェダイがライトセイバーを抜いたら無敵というのが王道であった。そして、雑魚敵をなぎ倒したら相手の手強いライトセイバー使いが登場するというのもお約束だったのである。

この映画に足りないのは、やはりジェダイマスターなのだ。これまでのシリーズには少なくとも、ヨーダやオビ=ワン・ケノービ、クワイ=ガン・ジン、ダースベイダーやダースモールなどの手練れがいた。EP2のグリーヴァス将軍なども、ジェダイではないが、少なくとも強そうには見えた。今回、空中戦はよくできているが、ライトセイバーのシーンにカタルシスが全くない。特に時空を超えてレイとカイロ・レンがライトセイバーをやり取りするのも軽い印象に拍車をかける。要するにジェダイのいないスター・ウォーズはやはり面白くない。

悪役のシスのクローンとかも、安直すぎて覚めた。画面的には派手だが、そりゃないよ、というのが本音である。あんなバリバリ謎の電撃を出せるならさっさと使えと言いたい。ジェダイでもないハン・ソロが幻影で現れたり、C3-POの記憶喪失設定が滑ってたりするなど、随所に綻びが目立つのが残念だった。

とはいえ、監督のJ・J・エイブラムスはよくやったとは思う。この作品のコアなファンの意地悪な批判に耐え、一応、破綻しない形でシリーズを一旦完結に導いた。それだけでもファンは満足すべきなのかもしれない。

結局、若き日のジョージ・ルーカスのパッションが爆発したEP4-6が伝説的なのであり、その情熱を「再現」したEP1-3は蛇足であり、EP7-9は「別物」だということだろう。ディズニーは続きを作るつもりだったらしいが、昨今のコロナ騒ぎでエンタメ業界は大打撃を受けている。もし、コロナが1年早ければ、EP9は幻に終わったかもしれない。

今後も大作映画が続々延期されている今、EP9が一応ちゃんと終わったのは良かったかもしれない。

ここからは個人的な雑感。

見せ場は少ないが、圧倒的な存在感で、ジェダイを体現するEP4のオビ=ワン・ケノービが一番好きなキャラクターだ。雑魚が出てきた時の落ち着きぶりなど、素晴らしいと思う。

また、ラストはレイアとルークだけ出てきたのでがっかりしたが、歴代ジェダイ総結集というのもカッコ悪いのでまあ仕方ない。

ハン・ソロは切られ損だな。あそこでレンに殺させたのは明らかなミステイクだろう。実は生きていた設定で、幻影じゃなくて、本物が止めに来たらまだ盛り上がった。

また、思い出したら何か書きます。

そんなわけで、これまでのシリーズにケリをつけるためにみてもいいかな、程度です。(またホラーじゃないけど…)

(きうら)


-★★★☆☆
-, , , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

新興宗教オモイデ教 (大槻ケンヂ/角川文庫)  ~あらすじ、感想、軽いネタバレ

人を発狂させる力をもった人間の暴走を描く 青春の行き場のないエネルギーのマイナス方向への発散 精神的なエロ・グロ要素満載 おススメ度:★★★☆☆ 「筋肉少女帯」などミュージシャンとしても有名な大槻ケン …

禍家(三津田信三/角川ホラー文庫)~紹介と感想、軽いネタばれ

家と森にまつわる因縁。 結構単純な怪異の連続だが、結構怖いです。 とにかく主人公の少年がスーパーなメンタルの持ち主。 おススメ度:★★★☆☆ 多分、三津田信三を読むのはこれが初めてだと思います。「ホラ …

妖怪始末人トラ・貧!! 2 (魔夜峰央/秋田文庫) ~解説と「胴面(どうのつら)」のあらすじ

基本はパタリロと同じノリのギャグマンガ 頼りない二人(トラちゃんと貧乏神)が妖怪退治をする一種のヒーローもの 胴面は胸糞の悪い話として有名。それ以外は全編ギャグ。 おススメ度:★★★☆☆ 日曜日なので …

絲的サバイバル(絲山秋子/講談社文庫)

本当に、簡単に読めるエッセイ。 一人キャンプの、絲山的堪能法。 これを読んだ後には、酒と、旨いメシが食いたくなる。 おススメ度:★★★☆☆ 芥川賞作家絲山秋子、このエッセイ連載当時、40歳になったとこ …

蔵書一代(紀田順一郎/松籟社)

「なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか」という副題 いつのまにか集まってしまう、それが蔵書 蔵書が散逸するのは、日本の文化レベルの低下のせいか おススメ度:★★★☆☆ 2018年明けましたが、とくになん …

アーカイブ