- またしても本とは関係ない話
- 3年間悩んだ結論
- 愛すべき電子インク
- おススメ度:★★★★★
今の世の中、スマートウォッチの需要がどれくらいあるのかは全く分からないが、もし、一点だけ選べと言われたら間違いなくこの製品になる。前提条件は以下の通り。
1.LINEなどのメッセージのダイジェストが見られる
2.歩数、心拍、睡眠量が計測できる
3.アクティビティに対応したアプリがある
4.バッテリーは持てば持つほどいい
5.一見、スマートウォッチには見えない
Apple Watch(持ってる)から中華Watch、ガーミン、フィットビットなどの健康系ガジェットなど、延々とこの3年間買ったり情報を検討したりし続けてきたが、今、毎日使っているのはFTW7010。理由は簡単だ。上記の全ての条件を満たして、且つ、壊れない。
驚異的なのは電子インクを採用することによって、バッテリーの寿命が約2週間もあるということだ。有機だろうが普通だろうが、液晶ディスプレイを採用した時点で、バッテリーとの戦いが始まる。最新のApple Watch Series7の通常バッテリー駆動限界はたったの18時間である。これでは、睡眠トラッキングをするためには毎日充電しないといけない。それがどれだけ早いとしても、つけっぱなしという訳にはいかない。ガーミンのハイブリットスマートウォッチでも4日が限界。せめて7日持たないと、サラリーマンのライフサイクルにはついてこられないと言える。
電子インクとは、書き換えの時だけ電力を消費する表示方式で、常にバッテリーを消費し続ける液晶方式とは根本的に違うテクノロジーだ。たかが充電と思うかもしれないが、これを毎日やるとなると相当なストレスになる。車にたとえよう。満充電で50Kmで走られない自動車と850km走れる自動車、どちらが魅力的だろうか? 真夜中に睡眠のトラッキングを行うことを考えるとなおさらである。
もう一つFTW7010が素晴らしいのは、物理ボタンに操作を割り当てられることである。物理ボタン? タッチスクリーンに慣れた方はそう思うだろう。しかし、電車の中、操作さえ覚えていればわざわざ画面にタッチせずにスマホを操作できるのは素晴らしい機能だ。特に音楽を聴く場合、再生・ストップ・早送り・音量UP/Downを手元のボタン3つで行えるのは大きい。Apple Watchなどももちろんこの機能に対応しているが、完全にボタンだけでできない。
電子インクなのでモノクロ液晶のような画面で、見た目の派手さを重視するならほかのWatchでもいいだろう。しかし、私の職場はセキュリティの問題でスマートウォッチの持ち込みが禁止されている。しかし、このFTW7010は一見アナログ時計にしか見えない。それでいて、歩数や日付、天気などを見ることができる。
では正直、iPhoneにとって最強のパートナーと言えるApple Watch Series7と比較して、このFTW7010が劣っている点は何か? まず、カラーではない。通話もできない。防水性能は雲泥の差がある。通知などの視認性なども劣る。細かい点を挙げればマイナス評価になるのではないか。
しかし、バッテリーの標準的な連続稼働時間が14日間というのは他を圧倒する機能。この一点に加え、最低限スマートウォッチに求められることができる。私がこの製品を唯一無二と判定するのはこの点だ。加えるなら価格も安い。Apple Watch Series7の約半額というのはすごい。毎日使う製品として、これ以上のバリューはあるだろうか?
実用的。この一言に尽きる製品である。実はバンドやカラーに様々なバリエーションがあるのでファッションウォッチとしても機能する。むかし、ペブルウォッチというオーパーツのような製品があったのだがFitBitに吸収され、その痕跡はもはやない。カラー電子インクというこの製品のさらに先を行くテクノロジーを採用していたのだが、つくづく残念だ。価格も1万を切っていた。
SmartWatchは世間からすればニッチな製品に過ぎないが、電車の中、Bluetoothイヤホン音楽を聴いていて指先だけで音量を変えられる利便性、つけっぱなしで睡眠トラッキングをしてくれる便利さ…私は常にこの製品の新製品が出ないかチェックしているが、残念ながら今の製品が最新版らしい(2021/10/24)。ライバルも不在だ。
さあ、Apple。せめてバッテリーの持続時間を7日間に伸ばせないか? その時は私は考えを変えるだろう。
しかし、いまはFTW7010一択だ。
(きうら)