- 「コラム050」
- ミステリよく知りません
- 競馬という謎解き
- オススメ度:特になし
【登場人物】
K:高校生。ミステリ書きたい。
私:ミステリ書かない人。
【ミステリについて教えて下さい】
K:本日も来てくださりありがとうございます。
私:いえいえ。私でよければいつでもどーぞ。とはいえ、年末なので、そんなに時間はとれませんけど。
K:お忙しいので?
私:いやまあ、そんなに忙しくはないですけども。で、今日はどんな用で?
K:はい。僕は小説を趣味で書いてるんですけど。ミステリなんですけど、どうしたらいいかと。
私:ミステリには詳しくないので、終了ー。
K:そんなー。
私:だって、ミステリのことほとんど知らないし。
K:ミステリとか書いたことないんです?
私:私は純粋な(?)ミステリ書いたことないですねー。というか、ミステリって何なのか?
K:では、ミステリについて知れる何かいい本はありますか?
私:それなら最近、米澤穂信『米澤屋書店』(文藝春秋)という本をこの前読みまして、これは著者が読んだミステリについて紹介されてます。この本に書かれているミステリを読んでみては?
K:その著者は、『氷菓』の作者ですよね?
私:ええそうです。どうやらミステリ好きな人ミステリんちゅらしいです。『氷菓』好きなんですか?
K:はい好きです。アニメももちろん好きです。
私:アニメはまあいいよねー。で、ミステリは私も好きでよく読みますけど、でもミステリって実はよく分からないんですよねー。ミステリって身構えるとダメというか。
K:ミステリ自体が謎だと?
私:そうですねー。どんなフィクションにもミステリ要素はあると思いますし、むしろミステリ要素がない作品はつまらないですね。
K:でも、狭義のミステリはそういうのとは違うと?
私:だと思います。やはりミステリにはミステリたるべきものがないとね。例えば、本書でいうと、「真相が明かされる前に、推理するに足る〔その真相に至るための〕手がかりが配置されて」いるかどうかが、ミステリの根本だと思います。
K:なるほど。ミステリって、その中に謎を解くための手がかりが十全に配置されてしかもきちんと機能しなければならないというわけですね。
私:まあ、必ずしもそうでならなければならないわけではないですけど。
K:どっちなんですか?
私:どっちでもいいというわけです。私自身とくにミステリにこだわりはないので。
K:ミステリのこと苦手で?
私:ミステリが苦手なのではなくて、ミステリマニアの人たちが醸し出す雰囲気(?)が少し苦手で。
K:あー、なんとなくわかりますけど。
私:SFとか怪奇幻想の話題で盛り上がってる人たちがいたらその中に加わって話を聞いていたいですけど、ミステリ愛好家の中に加わるには私にはまだハードルが高いですね。何せミステリほとんど読んでないですし。
K:それは、あなた自身の問題では?
私:ま、そうです。それに、ミステリ話ですからネタバレありきのところもあるかもしれませんし。
K:ミステリマニア自体が謎なのかもしれないと?
私:謎ですねー。私もミステリは好きですしよく読みますけどなぜあれだけミステリマニアの人たちがミステリという形式(?)にこだわるのか。謎です。
K:なるほどー。僕はそこまで考えたことないです。
私:それと、手前味噌ながら私くらいの経歴のあるそれなりの読書家が、ミステリについて一家言もないというのも恥ずかしいですし。
K:なるほどー。分かりました。好きなミステリを挙げることでその人のミステリ沼のハマり具合がわかりますもんね。
私:そうです。好きなミステリのことは私は訊かれたくないです。というか、そんなものないですし。
K:じゃあ、はじめて読んだミステリってあります?
私:うーん。赤川次郎か西村京太郎かなぁ。親戚が読んでたのを借りたのが最初かなぁ。小学生の時です。おもしろいなーと思ったです。
K:へぇー。僕がはじめて読んだのはたぶんアガサ・クリスティです。親が読んでたので。
私:あー。誰もいなくなったやつとかね(知ったかぶり)。
K:ええ、それも読みました。
私:誰もいなくなったやつのプロットは中学生の時に考えたことあるんで、最初それを読んだときになんだーこれ考えた人もういたのかー、と思いましたね。
K:あー、あるあるですね、それ。ミステリ書こうとするとそこに気を付けないといけないかもですね。
私:まあ、そこもですし、何よりミステリとして完成されてないとねー。特に、途中でトリックとか犯人とか分かったとしても、それでも楽しめる作品じゃないとね。
K:では、あなたが途中でトリックとか分かってしまった作品あります?
私:それほどないですけどありますよー。◯◯の『◯◯』っていう作品です。これは3分の1くらい読んだ所で犯人とか分かってしまって。しかも分かってからがつまらなかったというねー。この作品についてはミステリなのでネタバレを避けるために名前を挙げられないですけど。
K:へぇー、僕はまだトリックとか分かったことはないですねー。ところで、その『米澤屋書店』には、トリックが分かった時にどうするか書かれてました?
私:書かれてませんね、たしか。
K:ではさいごに、ミステリで謎かけできますか?
私:無茶ぶりですねー。
K:だってあなた自身が謎ですから。
私:(?)。なぞかけかー。少し時間を下さい。うーん。えーと。ととのったような気がします。ミステリとかけましてー。
K:かけましてー。
私:ハロウィーンとときます。
K:そのこころは、どちらもトリックですか?
私:あれ、私の思考が読まれましたねー。名推理!
K:いや、それ誰でも解けるでしょ。もうひとこえないですか?
私:うーん、急に言われてもなー。じゃあ、ミステリとかけまして、鯛とときます。
K:そのこころは?
私:どちらも、「あかし」が重要です。
K:えっ?
私:ミステリの種明かしと、兵庫県明石市の明石の鯛。
K:あー、なるほどー? まあ苦しいですけどそれでいいです。
私:というか、急になぞかけしろと言われてもこんなのしかでませんって。
K:いえいえ。正直ミスったかなと思ってたので、よかったですー。
私:困難かなと思ってたでしょ?
K:名探偵コンナン?
私:解決できなさそー。
K:金田一少年院の事件簿?
私:もうすでに少年院に入ってるのかよ! どんな事件おこしたのやら。
K:じっちゃんに殴りかけて。
私:殴りかけただけで少年院?
K:厳しい世界だなぁー。
私:そして誰もいなくなりそうな世界ですねー。
【競馬でなぞかけ、しません】
K:では、競馬についてです。競馬とミステリで、なぞかけできます?
私:難しそうですねー。えーと。一応できましたー。えー、競馬とかけまして、ミステリとときます。
K:そのこころは?
私:どちらにも、ナゾがあります。
K:えっ???
私:ナゾ、っていう競走馬が過去にいたんですよー。
K:それ、なぞかけですか?
私:あと、クロフネミステリーという馬もいましたねー。
K:そーですか。というわけで、先週にはクロフネ産駒のソダシが出走したチャンピオンズカップがありましたー。ソダシ残念でしたねー。
私:ですね。まあ、これに懲りずに(?)、ダート走ってほしいですね。もし、ソダシの走る気があるならですけど。
K:走る気?
私:えーと、牝馬って急に走る気をなくしてしまうことがあるんです。でも、チャンピオンズカップの前半の行きっぷりなら短い距離はいけそうです。
K:なんにせよ、ファンの多い馬ですから次がんばってほしいです。
私:そうですね。
K:今週の競馬はどうです?香港でもレースありますけど。
私:今週のG1は、ぼちぼちこれから予想します。香港は、見るだけですかね。馬券は買わないと思います。去年も買わなかったし。まあ、中日新聞杯に気合いいれていきますね。
K:そうですかー。じゃあ、競馬についてはこれくらいにししょう。
私:年末に今年の競馬まとめするつもりですからね。
K:有馬記念楽しみです。
私:ですね。今年の有馬記念は、久々にワクワクしてます。
K:じゃあ、今回はこれで失礼します。本日はどうもありがとうございました。またよろしくですー。
私:いえいえ。そちらのミステリが書けたら読ませてください。
K:はい。書けたらですけど。その時はよろしくお願いいたします。
私:まあ、ミステリだけに、お宮入りってことにはならないように願ってます。あっ! もしかして、有馬記念は、おみや(038)で、「038」のつく馬が来るサインなのでは? って、あれ? 誰もいなくなったー。
(成城比丘太郎)