- ムー夫の哲学的な疑問。
- 「サード自分」を発見したムー夫。
- 「規理野君」の行きつく先。
- おススメ度:★★★★☆
『ムーたち』1巻の続きである2巻では、ムー夫が「セカンド自分」を駆使して自分なりの発見をするとともに、さらに「セカンド自分」を意識する「サード自分」が現れるに至る。ムー夫は自分だけで何かをするだけでなく、友人たちと独自のルールで遊んだりする。
親子関係も順調に進んでいる。「38話・選択地獄」ではお母さんとムー夫があらゆるルートを想定していって、それらがどんどん増殖するので、とうとう何も選択できなくなるさまがおもしろい。お母さんがムー夫と1話かけて何かするのはこの話くらいでしょうか。これは、これほど極端ではないものの、誰しも考えたことがあるのではないでしょうか。
「46話・ムーたち」では、銭湯でムー夫とお父さんが対話をするのだが、最後にムー夫が哲学的な質問(自己言及のパラドックスでしょう)をして父をやり込める。ラストコマの父が困り顔をするのがおかしい。できればこの後を見たかったのだが、父は何も答えずに帰宅したんだろうな。「57話・難解世代」で、ムー夫か父から貰った本が難解で捨てるのだが、ムー夫が父に言ったことの方が難しいのでは、と思う。
後半の「規理野君」がどうなるのかは、是非とも読んで確かめてもらいたい。一応言っておくとバッドエンド的なものではありません。2巻は1巻よりも内容的により濃くて複雑で、読み応えがあります。
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