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今期[2017年7~9月]アニメ感想まとめ

投稿日:2017年10月4日 更新日:

  • 今期アニメの怖い所などの感想を書きます。
  • 不定期ですので、この次はいつやるか分かりません。
  • そんなに怖いところはないですが。
  • おススメ度:色々

ホラーアニメというほどではないですが、今期にはいくつか怖い作品がありました。まず『地獄少女宵伽』でしょう。3期にあたる『三鼎』は、アニメ史上でも5本の指に入るくらいの悲しい運命を背負った少女が主人公で、怖いというよりも見ていてつらいものがありました。そして今回の4期は、現在のトレンドを取り入れているものの、これといって怖いところはありませんでした。「第3話――いつか誰かが…」は、いわゆる「胸糞悪い」と言われていて、内容について特段書くこともないですが、この話はホラーではないと思います。現実にありうるような人間の暗部を集めた感じで、それはまるで胸や腹を切り開いて内臓を見せつけられたようで、不快なグロテスクさしかありませんでした。はっきり言うと4期は怖いところは全くなかったです。

『賭ケグルイ』は、ギャンブルで階級を決める学校での話です。映像では人物のアップが効果的に描かれ(顔芸)、平静時の顔との落差において、視聴者に一定以上の衝撃を与えます。当のギャンブルの結果がもたらすものは、通常の域をはるかに超え、時に敗者の人生までも左右するものになっています。そこへ転校してきた「蛇喰夢子」は、ギャンブルというより、賭けるという行為そのものへの執着をみせまず(ギャンブルへのアディクションでしょうか)。さらに賭けるリスクが高くなればなるほど快感を覚える(ように見える)反応を表します。イカサマの全くない偶然性だけに頼った本当のギャンブルこそ彼女にとって運命の賽の一擲にでもなるのでしょうか。このことはギャンブルを多少なりともする者にとって怖いところです。(全く何の情報もないなかで適当な馬に賭け、なおかつその馬券が多額であればある程快感はいや増すことでしょう、ということは個人的に予想できますが)

今期アニメで出色の出来は、『メイドインアビス』(つくしあきひと原作)でしょう。これは、観はじめた時にはホラー的な要素はありませんでした。舞台は、世界のどこかに穿たれたヘソの穴を思わせる巨大な縦穴と、その穴の入口に苔のようにこびりついた街です。背景美術の監督を元ジブリの人がつとめていて、美しく丁寧な背景描写がまず目につきます。特に第1話で、街が夜明けの静けさとともに新たな生を迎える時の光景は、(ユニークなBGMと合わせて)圧巻です。この美麗なアートの中を動き回るかわいいキャラクターたちは、まるでファンタジーゲームの世界を思わせます。

「アビス」と呼ばれるこの大穴は何層にも分かれているものの、その深さは定かではなく、そこへ「探窟家」と呼ばれる冒険者たちが日々「遺物」探しやアビス探求に向かっています。主人公の「リコ」は、ある日出会った(拾った)「レグ」とともに、アビスで待つという母親のもとへと向かうため、アビス下降を決行します。このリコは探窟家のランクでは一番下(見習い)だと思うのですが、彼女は自らの実力不足について何らかの躊躇いも、それほどの恐れも見せることもなく、呼ばれるようにアビスの闇へ降りていきます(この辺りのことは後に明らかになります)。リコのこの人間らしからぬ(?)ところは観ていて少し怖いところです。むしろロボットのレグの方が泣いたり怒ったりと、より人間らしい反応を見せます。

二人はまずおそろしい数々のモンスターに出会いますが、さらにもっとおそろしい「アビスの呪い」と呼ばれる、「上昇負荷」の実態を知ることになります。アビスは明らかに深海探査と類似的ですが、上昇負荷は潜水病(減圧病)などよりももっと苛酷であることが徐々に明らかになります。上昇負荷によるアビスの呪いは身体に様々な障害を引き起こすのです。これは実際に見てのお楽しみです。

作品後半に入り、「不動卿オーゼン」という人物(母親を知っている人物)からリコの生誕時のことを聞かされます。二人はオーゼンから厳しい(?)教育を受けた後、さらに深層に降りていきます。第4層においてリコはモンスターに襲われ、その結果アビスの呪いを身に受けてしまいます。そこでのリコの判断力と、苦痛に打ち勝とうとする胆力には驚嘆してしまいます。本当にこのかわいらしいリコのどこにそのような驚異的な生命力が潜んでいるのか。死にかけた後のリコの笑顔を見ていると、逆に怖くなってくる感じがします。

リコの窮地を救ったのが「ナナチ」です。このナナチは本当にかわいくて、私は友人から「ナナチはやばい」と聞かされていて、そのわけが実際に見て分かりました。しかし、ナナチの姿(実際に見てください)には訳があり、彼(?)を襲った悲劇は実に度し難いものです。ナナチは「ミーティ」という友人と一緒にアビス4層で暮らしています。この二人に起こったことと、そのなれの果ては、作品テーマのひとつでもある生命を描ききろうとする時に必要とされる、(生の)残酷さを表しているように思えます。特に最終話には、涙なくしては見られない厳粛さがあります。タイトルの『メイドインアビス』とは、リコと(レグとが)アビスで生まれたことであり、またナナチとミーティというアビスによって生まれ変わらされたもののことをも表してしるのでしょう。とてつもない(生の)豊饒さを秘めたアビスでの冒険の行方を、是非とも続編でも見守り続けたいです。

(成城比丘太郎)



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