- 「コラム055」
- 年始のこと
- 年末年始に読んだ本のこと
- オススメ度:特になし
【年始のこと】
この前成人式だったようです。自分の成人式はどうだったかなと思い出そうとしたら、思い出せなかったです。よく考えると成人式には出席していなかった。当時は、なるべく式典というものを避けていたい年頃(?)でしたし、出席してもどうせすぐに帰るだけですので。その日はどこかへというか旅に出かけていました。
成人式というと酒(?)ですが、私の年始は、新潟県のにごり酒ではじまりました。それを飲みながら録画していたアニメや映画やグリーンチャンネルの番組を観てました。
そして、年始の競馬はもちろん金杯から始まりました。両場の金杯ともゲットできました。京都金杯のダイワキャグニーはこれから今年も人気落ちの時にお世話になることでしょう。ニューイヤーSのボンセルヴィーソもそうですが、走ってもなぜか人気にならないので、本当にありがたいです。今年もよろしくお願いいたします。
シンザン記念のマテンロウオリオンは、前走がやはり強かったということか。短い距離で活躍できそうか。フェアリーSについては、馬券をゲットできなかったので、とくに書くことなしです。このレースは桜花賞にはつながらなさそうか。マテンロウオリオンを新馬戦で下したエバーシャドネーをどう評価するかですが、次走も人気なら買わないでおこう。
【年始の読書~ユドルフォ城の怪奇】
年末年始の読書での1番は、やはり『ユドルフォ城の怪奇』でしょう。主人公エミリーを中心にしたサスペンス物語ですが、ゴシック小説の源流にあるというのがよく分かりました。古びたいわくつきの古城という舞台設定も良いですし、何より城が郊外(というか田舎)にあるため、その郊外の自然の描写も雰囲気を出せています。
エミリーは、フランスからイタリアへと、あちこちと連れ回されるのです。これは、主人公エミリーのグランドツアーの変種みたいなものであるといえるかもしれません。エミリーは、自然はもちろんのこと、イタリアの文化にも触れるわけですから。
一読すると、エミリーが受動的な運命に翻弄される物語のように思えますけど、彼女は自分に言い寄ってくる男性たちを品定め(?)もしているのです。そうです。彼女をロマンスの主体と考えると、『ユドルフォ城の怪奇』とは、エミリーが数々の謎に出くわしながらも、実は彼女が自らの出自を知り、そして自らにふさわしいパートナーを選び出す物語でもあるのです。
彼女に降りかかる謎というのは読者にも隠されているので、それがサスペンス効果を生むわけです。その謎がなければサスペンスホラー(?)にはならないわけです。この作品が書かれた時代(18世紀)を考えると良くできてるなと思います。
ゴシックホラー好きの人は読んでみてください。話題にもできますし。
この翻訳の唯一の難点をあげると、校正がもうひとつだったことです。私でもすぐに分かるミス(脱字とか)が多すぎたことです。もしかしたらミスではなくて、そういう文章だったのかもしれませんが。
【再読】
正月に、永井均『〈私〉の存在の比類なさ』の前半部分を再読しました。永井均哲学の源流(?)を再確認するために読みました。
(成城比丘太郎)
(成城比丘太郎)