- ゴシックロマンスから始まるミステリーの系譜。
- 日本国内の怪奇ミステリー受容史。
- 「怪異猟奇」寄りの内容。
- オススメ度:★★★★☆
【登場人物】
K:高校生。ミステリーが好き。
私:ミステリーも好き。
【ミステリーのクラシック】
K:先日はありがとうございました。今日もよろしくですー。
私:いえいえ。どーいたしまして。
K:ありがとうございます。ところで、世界情勢がキナ臭いですけど、あなたは何もしないので?
私:ロシアとウクライナのことですか? 私なんぞにできることは特にないですね。まあ、状況を注視しときます。
K:そんな新聞の社説みたいなこと言ってていいんですか?
私:実際できることは限られますし。そもそも、高校生とおっんの語り合いに世界のこと持ち出されても。
K:じゃあ、何かしらオススメの本でも教えて下さいよー。
私:そうですねー。私は怪奇幻想とか文学くらいしか読まないからなー。では、『短くて恐ろしいフィルの時代』(ジョージ・ソーンダーズ)というアメリカ現代文学の小説があります。これは現在の世界を考える上で示唆的な本です。簡単に読めるのでこれをオススメしときます。
K:それはタイトル聞いただけでどことなく怖そうです。今度読んでみます。
私:読んだら感想を教えて下さいねー。では、本題に入りましょう。今日も本の話でしょ?
K:はい。この前ホラーとかミステリーについての話をした後に、早速この本を読みました。『怪異猟奇ミステリー全史』です。
私:あっ、それですねー。私も読みましたよー。感想はどうでしたか?
K:僕は現代のミステリーを主に読むんで、こんな昔から怪奇ミステリーがあるとは知らなかったですー。
私:ですね。私もその本に載ってる作品はほとんど知ってますけど、読んだものとなると半分もありません。
K:あなたですら半分も読んでないのですか?
私:そうです。当たり前です。日本語訳されてない作品についてもその本には書かれてますのでね。ほんで、この本には少し物足りないところもありますけど、教科書的な意味では良き本です。で、そちらは現代のミステリーを読むというと?
K:そうですねー。この本に載ってる京極夏彦とか綾辻行人とかはよく読みましたけど。それと、名探偵コナンとか金田一少年とかですかね。ミステリーってなんなんでしょ。
私:現代の作家って、ミステリーっぽい作品書く人多いですからね。どれをミステリーと呼んでいいのやら。ミステリーの定義については止めときましょう。まあ、漫画はもちろんラノベもありますからねー。
K:ロードエルメロイとかですね。
私:そです。そんなのも入れるとミステリー自体がミステリーな感じになりますからね。
K:よく分かりませんけど、ミステリーというジャンル(?)がややこしいのは分かりました。
私:まああまり気にせずに。
K:では、この本はどうなのでしょう? 僕としては、この本にはミステリー成分があまりないのかなと。
私:確かに確かに。ミステリーについてよりも、「怪異猟奇」について書かれてる分量のほうが多いですかね。著者自身がスプラッター系ホラー(?)が好きなようですのでね。なので、ホラーをメインに取り上げてるのでしょう。
K:みたいですね。
私:それと、ゴシックロマンスとか、西洋のオカルティズムがミステリーものに及ぼした影響も書いてますね。その辺りが、「怪異猟奇ミステリー」にとって重要だと著者は判断したのでしょう。
K:その「ゴシックロマンス」というのはほとんど読んだことないのですけど、オススメとかありますか?
私:そうですねー。『オトラント城』なんかは今読むとさすがに退屈でしょうが、『ユドルフォ城』はこの前読んでおもろかったですけど高校生に薦められるかなぁ。
K:そうなると、『フランケンシュタイン』あたりですか?
私:それがいいかもですね。あとは、『ドラキュラ』とかね。
K:そこら辺は有名なのに読んだことなかったですね。今度トライしてみますー。
私:それと、エドガー・アラン・ポーですかね。三月からNHKの100分で名著しますからね。ポー作品からはいってもよかかも。
K:江戸川乱歩とか横溝正史とかも?
私:まあその辺りは、押さえといたほうが良いかも。じっちゃんになりかける歳までには読んでおいて下さいよ。
K:じっちゃんになりかけてるのは、あなたでしょう?
私:まあ年齢的にはね、じっちゃんまでにあと少しなんだけど。
K:では、夢野久作とかはどうでしょう?
私:『ドグラ・マグラ』は読んどいて下さい。私は20歳くらいの時に読みましたけど、とくに頭が変にはなりませんでした。
K:では、押川春浪の作品は?
私:たぶん読んだことないかも。それは、じっちゃんになりかける前に読んでおきたいです。
K:では、谷崎潤一郎は?
私:谷崎は是非とも読んどいて下さいー。
K:では、埴谷雄高の『死霊』は?
私:それは絶対に読んでください。できれば、大学生にでも。大学生になったら自由な時間がとれますので、その時にでも。
K:『死霊』って、哲学小説とか呼ばれてるので難しそうでは?
私:個人的には、哲学小説とは思いませんけど。そーですね。『死霊』にはおもしろいキャラクターをもった登場人物がいますので、幻想小説とかキャラ小説として読んでみては?
K:なるほど、『死霊』は読んでみたいと思ってたので、大学生になったらトライしてみます。
私:ぜひとも。
K:こうやって話しているだけで、読みたい本がどんどん出てきますね。
私:そうです。それに加えて、文学でもミステリー要素や怪奇幻想要素は欠かせませんから。
K:がんばって読みたいと思います。
私:がんばってくださいよ。
K:では、この本のなかでハテナと思うところはありますか?
私:そうですねー。著者は、「ミステリー(合理)、ホラー(非合理)」としてますけど、これは間違いかなぁ。非合理性あっての合理ですから。合理性には非合理性というものが深く関わっていますので。
K:それはどうなのでしょ。ミステリーの合理性って、単なる謎解きの合理性だと思いますが。
私:まあそうですね。謎解きの合理性って、単に筋道の論理性(?)のことだと思うので、それって哲学的な合理性そのものとは違うと思うんです。それが言いたかったのです。
K:その辺りは僕には分かりかねますが、ゴリゴリのミステリーマニアにとっては重要なことなのでしょうか?
私:というか、ミステリー作品には非合理的な人物が出てきますよね。
K:はい。むしろ非合理性こそが人間らしさとは思います。そういう非合理性を排した純粋な(?)ミステリーが「新本格ミステリー」ってことなのでしょうか?
私:かもしれませんね。というか、そちらはそこまで分かってるのなら、私にはもはや言うことはありません。
K:いずれにせよ、まずは作品を楽しんで読むということですか?
私:まあそうですね。
K:ミステリーっていうと、シャーロックとかの探偵推理もののイメージが強かったのですけど、もっと奥深そうですね。
私:ですね。でもやはり、ミステリーではクラシックものを読んでかないとね。
K:はい。というわけで、クラシックつながりで、競馬のクラシックに話題がうつります。
【競馬のクラシック】
私:競馬の話します? 時間があまりないので、簡単なものなら。
K:はい。お願いたします。
私:今週末は、弥生賞とチューリップ賞があって、クラシックの見通しがたちそうです。弥生賞出走予定のドウデュースをどうするかですね。
K:オヤジギャグですか。で、実際どうなんですか?
私:どんな走りをするか注目なんですが、人気になるでしょうから、私は買わないと思います。
K:では、買うのは?
私:ロジハービンは前走が味な競馬でしたので狙います。中山2000が合ってるのかな。一応、リオンディーズ産駒とハービンジャー産駒に注目です。それと、マテンロウレオがここでさらに上昇するのか。個人的には混戦を予想してますので手広く買います。ドウデュースはおそらく買わないですけど。
K:ドウデュースが来たらあきらめると。
私:ですね。といっても、何もあきらめてませんけど。
K:では、チューリップ賞は?
私:ここは、人気上位で決着しそうですが、人気薄からいきますね。あと、ディープインパクト産駒に注目しときます。
K:なるほど。
私:まあ、そんな感じです。ではこれで失礼します。
K:はい。ありがとうございました。ところで、僕はこの後飯食ってからライブの練習です。
私:おっ、ライブですか。がんばって下さい。私は、ウニの軍艦巻きとカキフライをスーパーで買ってますので、それを食べます。
K:カキフライ好きなんで?
私:はい好きです。カキフライはいつも味噌汁とかラーメンとかうどんに入れて衣をドロドロにして食べますね。
K:サクサクしたままのやつを食べないんですか?
私:そうですねー。天婦羅とかフライをうどんとかに入れて食べる時は汁がしみいったものを好んで食べますね。
K:へぇー。今度やってみようかな。
私:同じことやってる人多いと思いますけど。
K:そうですかね。僕の周りにはいませんが。というわけで、この辺りで失礼します。またお願いしますー。
私:はい。花粉症がひどくならない限り大丈夫ですので。ではまた会いましょう。
(成城比丘太郎)