- 「コラム065」
- 迷信や俗信についての本。
- 東京優駿(日本ダービー)について。
- オススメ度:★★★☆☆
【最近読んだ本について】
・今野圓輔『日本迷信集』(河出文庫)
本書は、1965年に出た本の文庫化です。一般的に知られている「迷信」や、民俗学でいう「俗信」や、占いやタブーやジンクスなどまで広範囲の迷信(?)について書かれています。内容的には、豊富な実例を基にしたエッセイみたいな内容です。あくまで、当時(1965年)を基準にした迷信や俗信について書かれています。
【現在にものこる迷信】
本書にとりあげられた「迷信」や「俗信」といったものの中には、いまだに残っているものもあります。残っているものでいうと、例えば「茶柱が立つ」などは、今でも耳にすることはあるでしょうし、姓名判断なども多くの人が気にしているでしょう。
面白いところでは、1920年代に海外から日本に入ってきた「幸福の手紙」でしょう。内容的には、チェーンメールのことです。私が十代の頃は、「不幸の手紙」として流行ってました。本書の著者は、自身に送られてきた「幸福の手紙」を自分の所で止めたそうです。ちなみに、私には「不幸の手紙」の記憶がありません。誰かに送った記憶がないのです。もしかしたら、不幸の手紙が送られてきたことがないだけかも(ある意味不幸?)。
【差別につながる迷信】
本書の中には、現在ではほぼ残っていない迷信もあります。その中には、差別につながる迷信もありました。例えば、「キツネモチ」というもの。いわゆる憑きもの筋の家系のことです。私の祖父母が壮年くらいまでは地元でよく話題にされていたようですし、私の母も若い頃に耳にしたことがあるそうです(私の曾祖母なんかは本気で信じていた節があります)。そのことを曾祖母と詳しく話したことはないです。おそらく、「キツネモチ」という単語は使わなかったからでしょう。
私は、祖母や曾祖母からその他の迷信や俗信を色々と聞かされました。「○○したら○○になるよ」みたいな感じです。だいたいネガティブなことが起こると言われましたー。迷信や俗信を信じる人にとっては、それはもはや疑う余地のない真実でしかないとその時に私は思ったものです。
そんな私も、なぜか13日の金曜日や、ガチャ運が上がる方法(舞い)とかを気にしてますから、なんやかんやと迷信や俗信からは逃れられないのでしょう。
本書の著者も、「俗信とか迷信とか呼ばれるものは、永久になくならないもの」(p.249)と書いてます。そうなのでしょう。まあ、あまり害のない(?)俗信にならなければいいのですが。本書を読むことで、迷信や俗信がなぜ生まれたのかを知る一助になればいいのですが、と願うのみ。
【競馬のジンクス】
さて、日本の競馬には、色々ジンクスがありましたし、今もあるでしょう。私が若い頃までには、「シンザン記念の勝ち馬はクラシックに勝てない」というジンクスがありました。そのジンクスを打ち破ったのはタニノギムレットです。それ以降にもアーモンドアイが出ました。つまり、それまでのシンザン記念の勝ち馬が強くなかったということです(シーキングザパールは強かったけど)。それまでに強い馬がシンザン記念を走らなかっただけということです。
【日本ダービーのジンクス?】
日本ダービーはかつて、「もっとも運の良い馬が勝つ」と言われました。そして、現在の最大出走頭数(18頭)だと、運がそれほど良くなくても強ければ勝てるレースになりました。
むしろ、現在では、この日本ダービーに照準を合わせて調整してきた馬の勝つ確率が高くなってきた傾向にあるレース、と言えるでしょう。最近だと、シャフリヤール、レイデオロ、ワグネリアンあたりでしょうか。これらの馬は明らかにダービー狙いだったと思います。
さて、今年第89回日本ダービー(東京優駿)の出走予定馬の中で、明らかにダービー狙いなのは、イクイノックスとダノンベルーガでしょう。おそらくイクイノックスが1番人気になるかと思われます。ジオグリフも人気になるでしょう。というか、イクイノックスとジオグリフの組み合わせは多分売れると思うので、皐月賞の時のような馬券的な妙味はないですねー。
では、馬券的におもしろいのは、皐月賞負けた組と、別路線組です。皐月賞組だとアスクビクターモアとかオニャンコポンとかジャスティンの二頭、それからマテンロウレオ。あと、デシエルトは時計が掛かる馬場になればおもしろいかも。別路線組とくに青葉賞組は消す方向で。
キラーアビリティをどうするかですが、もしホープフルSにジオグリフやイクイノックスが出ていたら、その二頭には負けてたと思うので、キラーアビリティの巻き返しはなさそうかなぁ。この辺りは人気と相談して決めます。
ほんで問題はドウデュースです。おそらく距離は持つと思いますが、3番人気以内になるだろうから消します。まあ無難なのはダノンベルーガなのでしょう。というわけで、ダノンベルーガを買うのは間違いないという結論です。なんにせよ、皐月賞の予想よりも熱が入りません。
【余談】
予知夢という現象(?)があります。もちろん私はそんなものを見たことはないです。しかし、一度だけ「これは予知夢では?」と思ったことがあります。1998年スペシャルウィークが勝った日本ダービーの前日に、私は夢の中でメジロランバートが勝つ夢を見ました。ほんで、半信半疑ながらも、メジロランバートの単勝複勝を買いました。結果は6着でした。その後、メジロランバートは菊花賞で4着。古馬になってから重賞全線で長く活躍してくださって、馬券でもお世話になりました。ウマ娘化はしてないと思うので、よろしくっす!
(成城比丘太郎)