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★★★☆☆ コラム

異能バトルはスティーヴン・キングのなかで〜「成城のコラム(111)」

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  • 「コラム111」
  • 超能力をもつ子どもたちの反乱。
  • 世界中に広がる謎の組織とは。
  • オススメ度:★★★☆☆

【近況〜季節の変わり目】

涼しくなったかと思ったら暑くなり、色々と調整(?)が難しいことがあります。とくに飲み物。冷たいお茶を飲むか、温かいものを飲むか。私は、とりあえず温かいお茶(番茶、ほうじ茶)をいれて、そこへ氷をいれて調整してます。もうすでに麦茶とはしばしのさようならです。

食べ物も温かいものだけを食べるようになりました。というか、夏でも私は冷たい食べ物はあまり食べません。そうめんのつゆは温めて食いますゆえに。そろそろ鍋ものも食い始めようかと思いまする。もうすぐ鍋の季節です。

さて、この前読んだスティーヴン・キングの小説を読んでいたら、登場人物の少年が数日ぶりに空腹を満たしたあとに、人生は生きるに値する、と感じていたのを読んで、そうだよなーと思いました。

【最近読んだ本〜スティーヴン・キング】

スティーヴン・キング『異能機関(上)、(下)』(白石朗・訳、文藝春秋)を借りてきて読みました。めっちゃ読みやすかったです。最近読んだキング作品のなかでもとびきりの読みやすさでした。ラノベ感覚で読めるといってもいいかも。

タイトルに「異能」とありますけど、これは超能力をもつ子どもたちのことです。12歳の超天才少年ルークが主人公です。多くの少年少女たちが、とある機関に誘拐されてとある施設に連れて行かれ、そこでなんやかんやの研究の対象にされるという筋の話です。おなじみですねー。

この作品がラノベなどと違うのは、超能力の発現(?)などの設定に限界があることと思います。ひとりひとりの能力は大したものではないです。そこに、主人公のルークによる天才的頭脳や、強い超能力を持った少年が加わることで物語は大きく動きだします。

そして、大人たちの論理も加味されて、単なる子どもたちの物語ではないのも特徴です。読者は、どの年代の登場人物に感情移入するかによって、読み方がかわるかも。私は、研究所にいる医者などの大人たちに少し感情移入しました。この施設は世間からは秘密にしなければいけないためか、そのせいで施設の人員が限られています。そのおかげで(?)、ルーク少年が「アレ」できるのですけど。

現代アメリカの社会を反映したかのように、種々雑多な人物が出てきます。また、鉄道(貨物列車)が物語に味を添えます。さらに、キングがトランプ大統領に対してあまりよく思ってないのも作品から感じます。

映画の『ショーシャンクの空に』の少年少女バージョンといった感じかなぁ。だとすると映像化に向いてるかも。特に後半部分は映像にしたら映えそう。

【余談】

夏アニメもはや思い出になろうとしてます。この夏アニメにも、異能をもつ人物が登場する作品がありました。

『ダークギャザリング』で見られる能力は、霊能力がベースとなった超能力のように見えます。なので、サイキックバトルのようにも見えます。

『わたしの幸せな結婚』は、一見、異能力とは何の関係もないように思えます。ところが、とんでもない異能力バトルアニメの面もありました。そのさまは、時に、超能力を超えたものでもありました。とくに、強力な異能者(九堂さん)は、どのような原理でアレを発現させているのだろうか。気になります。

(成城比丘太郎)


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