- かなり過激なファンタジー
- 第一期の完全な続編
- R15+という内容
- おススメ度:★★★☆☆
詳しくはアニメ第一期の紹介を参照頂きたいが、丸くて柔らかい絵柄で過激な冒険ファンタジーが描かれる。今風の深夜アニメやハイファンタジー、ロストテクノロジーもの、宮崎アニメなど色んなものを想起させられるが、話が進み、アビス(奈落)に降りるに従って、独特のダークファンタジーの色が濃くなる。以下は一期をご存じの前提で感想を書きたい。
アビスも深くなった深層第五層で、リコはレグ、ナナチたちと共に、先に進むためにボルボンド卿と対決する。これが全て。もちろんこの下の階層の話があるのは知っているので、勝負の行方は予想できる。では何が描かれるかと言うとボルボンドの悪行?である。
この男、見た目は黒づくめで、中世の甲冑とヴィクトリア朝の服装を混ぜたような姿で鉄の尻尾っぽいものも付いている。顔面は縦一文字に眼のような青い線があり発光する。
話し方は敬語でインテリ風だが、徹底した鬼畜キャラだ。今風に言えばサイコパスと言えるかも知れない。他人の痛みに徹底的に無頓着で、趣味が人体実験という「悪魔の医師」をイメージさせられるようなキャラクターだ。アビスの中でも先進的な探検や研究を行なっているが、白笛のオーゼンからも「筋金入りのろくでなし」と呼ばれるほどのかなりの狂人である。ただ、手段を問わずアビスを開拓した偉業は事実で黎明卿という異名も持つ。
具体的に言うと、彼はプルシュカいう10-12歳くらい(に見える)の娘を育てている。彼女とは「血のつながりが薄い」らしいが、とにかく徹底的に可愛がっていて、プルシュカ自身も「最高のパパ」述べている。
しかしそれは上昇負荷を軽減するための装置を作るために演じていただけだ。
この装置はカートリッジと呼ばれているが、愛情で結ばれた人間を身代わりにするもので、作り方がエグい。脳と脊髄と最低限の内臓を残して生きたまま箱詰めする。そう、プルシュカは作中で文字通り解体されてしまうのである。よくR15+で済んだなと思うくらいの完全なスプラッターシーン。
作中にはレグも解体されかかる。性器(に見える)に管を繋いで体液?を吸引するなど、非常にマニアック。片腕を落とされるだけで済むのだが、この絵柄でやられるとかなりキツい。
冒頭の人間に寄生する虫の大群シーンも含め、この吹っ切れた残酷描写が特徴で、過酷なストーリーと共にビジュアル的にも精神的にもかなり辛い。主人公のリコがウルトラポジティブなので、何か明るい雰囲気なのだが、それはこの作品の一部である。
本作は評価も高く、続編も現在放映中である。ローティーンにはススメないが、偏屈な大人でも楽しめる質の高いダークファンタジーだろう。
第2期も過激な展開を繰り返している。時々痛みの描写を入れてくるのがアビスらしい。それはともかく、第1話でいきなり〇〇〇させられるヒロインというのは余りいないのではないか。それもかなりリアルなエフェクトで……。らしいといえば、らしいシーンだった。その後も過去と交錯しながら6層の冒険が描かれている。これも全て観てから感想を書きたい。
(きうら)