- 「コラム082」
- ○○の秋
- 詩人の秋、詩集の秋。
- オススメ度:特になし
【近況〜競馬と秋の味覚】
今週のJRAにおける主なレースは秋華賞です。まだ本命とかは絞れてないけどとにかく内枠の馬を穴で狙います。しかし、馬場状態次第では変わるかも。まあ、アートハウスを推してきてるからとりあえずアートハウスは買います。とにかく、レース後にうまい飯が食えるようにがんばって予想します。
さて、唯ちゃんが「オクトーバーだよ、いま」とツッコミを入れる10月の秋、味覚の秋です。鳥取の梨を毎日食べてます。それから、栗です。先週末の雨の余韻が少し残るなか、秋晴れの青に残暑の断末魔を感じながら、火曜日に私は野生の栗拾いのため、いつものようにこれからの収穫を頭に描きながら、公園そばの栗の木に向かいました。その途中にあるいちょうの木はじんわりと黄金色になっております。雨の水をかすかに残した土地をけって立つ大きな栗の葉は他の樹木におおわれてその姿は半分も見えません。私の足元に目線をむけると茶色になった栗のイガがいくつも散らばっています。過去の私や、他のハンターが奪っていった残骸です。目を凝らすと地面には今朝あたりにおちたばかりの、いくつかの茶色の栗がこんにちはしております。それらを拾いながら歩きまわり、数分の後、6つの大きな栗が私のポケットの中に収まりました。それにしても、今年の栗は量的にそれほどのものではないです。9月の台風のため、栗のイガが小さいうちに落ちたためと思われます。それでも、100個以上もの栗をこの1ヶ月で我が家にお迎えしました。おそらく今回で栗拾いおさめかな。また会いましょう。とはいえ、まだまだ実のついている栗の木は他にもありますのでまだ拾い集めるでせう。
【岩波文庫の詩集】
今回は、詩集を取り上げます。その前に言っておきますと、私が所有している岩波文庫のうちそのほとんどを占めているのは、赤(海外文学)と青(哲学思想)です。その一方で、帯の色に関係なく多いのはジャンル的にはおそらく詩集です。詩集は読書生活には欠かせないと思っとります。詩といっても色々ありますよねー。日本だと、万葉集から和歌や俳諧から現代詩まで。それらのだいたいにおいて比喩表現が使われています。その比喩を読み込むことで何らかの表現力の向上につながるような気がします。結論を言うと、詩集を読んでくださいー。詩集は全ページをきちんと読む必要はないと思います。気の向いた時におもむろに適当なページを開いて適当に読んでも問題なんてありませぬ。
まえおきが長くなってしまいましたが、以下に岩波文庫の詩歌をいくつか取り上げますので、参考にしてもらえたら幸いです。
(40)『西行全歌集』
(41)『大手拓次詩集』
(42)伊良子清白『詩集 孔雀船』
(43)佐藤春夫『田園の憂鬱(改版)』
(44)『吉田一穂詩集』
(45)『自選 谷川俊太郎詩集』
(46)『対訳 ブレイク詩集』
(47)『フランシス・ジャム詩集』
(48)『ウンガレッティ全詩集』
(49)オクタビオ・パス『弓と竪琴』
(50)大岡信『日本の詩歌』
上に取り上げた詩集は、特に必読というわけではなかです。本棚を見て目についたものを中心に取り上げました。まあ、谷川俊太郎くらいなら読んでほしいけど。この他にも、松尾芭蕉とか与謝蕪村とか、正岡子規や石川啄木や若山牧水や斎藤茂吉も本棚にあります。ほんで、与謝野晶子の歌集を取り上げようと思ったけど、岩波文庫のものを持ってなかった。それと同じく、茨木のり子の岩波文庫も持ってなかった。
岩波文庫の近代詩や現代詩を読むには、宮沢賢治や萩原朔太郎でもよいです。西脇順三郎でもよかですたい。吉野弘や辻征夫のものでもよいです。もちろん茨木のり子のものでも大岡信のものでも。
上記リストの中で、佐藤春夫の『田園の憂鬱』はこの前改版が出たので、久しぶりに再々読したら、これは散文詩ではないかと思ったので取り上げました。『田園の憂鬱』は、佐藤春夫が生活した田舎を舞台にしてます。幻想小説っぽいものとしても読めます。ちなみに、佐藤春夫が実際に赴いた所は現在の横浜市港北区(の片隅)だそうです。
さて、海外文学(詩集)だと、ランボオやボードレールやマラルメやキーツやワーズワースやヘルダーリンやダゴールでも唐詩選でも何を読んでもよいです。オクタビオ・パスを入れたのは海外詩人の詩論を岩波文庫で読んだのはこれくらいだからです。大岡信のものも詩論にしました。本当なら、大岡信の『うたげと孤心』にしようかと思ったのですが、『日本の詩歌』のほうが読みやすいので。
【次回予告】
来週は、日本のことについての岩波文庫を取り上げたいのですけど、よく考えると私はそれほど日本のことに詳しくないと気付きました。まあ、他のことも詳しくないですけど。とりあえず、日本人の書いたもの(日本文学や思想)について、2回に分けて、簡単に取り上げます。あまり期待はしないでくださいー。
(成城比丘太郎)