- 「コラム061」
- このブログ記事は役に立たないけど、
- ここで取り上げる本は役に立ちますっ!
- オススメ度:★★★★☆
【登場人物】
K:高校生。バンドやってます。
私:花粉症気味。
【どの本をどう読もうが自由】
K:どうもこんにちはー。今週もお出でいただいてありがとうございますー。
私:いえいえ。花粉症がそれほどひどくないですから。この前はライブお疲れさまでしたっ!
K:あっ、ありがとうございますー。で、どうなんですか、花粉症は?
私:今年のスギ花粉は去年よりましですね。頭は少し重いですけど。しかし、問題は、4月からのヒノキ花粉です。これがやっかいですね。
K:へぇー。ヒノキ花粉は僕はよくわからないんですけど、そんなにヒドイのですか?
私:そうですねー。ヒドイ時には顔やら背中やらあちこちが痒くなりますから。
K:ありゃー。それは大変で。
私:そうなんです。だから、4月にはこうして気楽に会えないかもしれないので、その点よろしくです。
K:わかりました。
私:で、今日は?
K:はい。『短くて恐ろしいフィルの時代』という小説を読みました。なんというか、現在のロシアとウクライナとの関係を表したような話ですね。これは寓話なんでしょうけど。
私:ですね。これを今この時に読むとそう読めないこともないですね。
K:では、この小説はロシアのことを寓意的に書いたわけではないんですよね?
私:さあ。著者の念頭にはなかったかもしれませんね。あったとしたら、よう考えたなぁと感心します。
K:これは恐ろしい小説ですね。おとぎ話みたいだからこそ、より怖いのだと思います。
私:ですね。おとぎ話が現実化したらいかに恐ろしいか。でも、この手の話は読み手のその時の状況によって、どうとでも読めますから。
K:恣意的に読めてしまうと?
私:まあ、そういう面もなきにしもあらずです。こういった話はあまり現実とリンクさせないほうがいいとは思いますが。現実の寓意と解釈してしまうと、本の内容や現実の出来事が単純化されてしまうこともあるかもですし。
K:でも、いつの時代でも通用しそうな気もしますけど。
私:かもね。普遍的なことが書かれてると読めてしまうということに、私はあやうさを感じてしまうんです。
K:あー、なるほど? つまり、どういうことなんでしょう?
私:難しく考える必要はないのです。まあ、まずは書かれてることをそのまま楽しんで下さいということです。
K:わかりました。で、そんなあなたは最近どんな本を読みました?
私:そうですねー。最近だと、『スピノザ』(吉田量彦、講談社現代新書)という本を読みました。
K:スピ、ノザ?
私:聞いたことは?
K:聞いたことはあります。倫理の教科書でよんだのかなぁー。
私:この新書は、高校生でも読めますよ。今年読んだ哲学関係の新書の中では一番よいです。
K:へぇー。哲学の新書は、今年何冊読んだのですか?
私:これだけです。
K:だと思いました。スピノザという人はよく知らないんですけど、その本は僕でも読めます?
私:はい、読めます。むしろ若い人にも積極的に読んでほしいです。スピノザの「生涯と思想」について書かれてますので、これ読んだらスピノザの生きた時代のことがよくわかりますよー。哲学者の生きた時代がどんなものだったのか。それを知ることで、思想や哲学のことがよく分かります。
K:スピノザの時代はどんな時代だったんでしょうか?
私:まあ、これを読めばわかりますけど。一言でいうと、自由にものを書いたり言ったりしたら、下手したら殺されてしまう時代だったということです。
K:それは恐ろしいですね。
私:ですね。現代の日本人ではちょっと実感がわかないかもしれません。
K:でも、日本でもはっきりと本当のことを言ったらイヤがられるのでは?
私:まあ、それはあります。でも今の日本では、殺されるまでは、なかなかいかないでしょう?
K:確かに、日本ではそこまではいかないかも。そうかっ! だから現代日本の思想家はみんなノンキなのかなぁ?
私:ノンキなんですか?
K:えっ、そうじゃないんですか? うちの祖父はよくそんなことを言ってますけど。
私:どうなんでしょ。今の思想家に人々を使嗾(しそう)するだけの影響力はあるのかなぁ。
K:うちの祖父は、よく吉本隆明を読んでたみたいなんですけど。そんな人は今いますか?
私:それは私には分かりませんねぇー。まあ、ノンキなほうがいいじゃないですか。私みたいにね。
K:確かに確かに。
私:まあ、スピノザについての入門書としては、これを強くオススメしときます。スピノザの入門書を読んだのはこれで3冊目くらいですけど。
K:でも、高校生でそれ読んで得なことありますか?
私:そうですねー。試験とか入試とかではすぐには役に立たないかもしれません。
K:ですよね。だとしたら、高校生がそれ読むことになんの意味があります?
私:読書というのは、必ずしもすぐに役に立たないといけないものではないと思いますのです。この新書でいうと、歴史とかを知る上でいつかどこかで役に立つかもしれませんし、どこでどんなふうに役立つかわからないんです。もしかしたら、スピノザの研究するかもしれないですし。
K:研究するつもりはないですけど。
私:まあそれはそうかもです。
でも、もしそちらが舞台役者か何かになってスピノザを演じるときになったら、この本を読んだことが活かせると思います。
K:そんなピンポイントな役ってあります?
私:まあ、ないですね。とにかく、高校生で哲学者の入門書を読むなら間違いなくこれから入って下さい。読みやすいですので。
K:うーむ。
私:まあ、私も激しく薦めるわけでないので、どっちでもいいんですけど。わかりました。もう、読まなくていいです。
K:本当に読まなくていいんですか?
私:いや、読まなくていい本ではありません。むしろ、読んでおいて損はないですー。
K:まあ、図書館で借りてみます。
私:まあ、時間があったらでいいので。
K:どっちなんですか。こんな役に立ちそうにない会話してたら、逆に読みたくなってきましたよー。
私:読む読まないは自由ですので。スピノザの書いたものを自由に読める時代に生まれたことを感謝して、いつか読んだことが役に立った時には著者に感謝してねー。
K:なるほど。少なくとも、このブログよりは、役に立ちそうですねっ!
私:そうですっ!
【どんな馬券をどう買おうが自由】
K:では、競馬の話題に移りたいと思います。先週のあなたの競馬予想はあまり役に立ちませんでした。
私:すいません。役に立ちすぎたら、逆に怖いです。
K:ですね。それで、先週の弥生賞のドウデュースはどうでしたか?
私:ドウデュースは消したのでどうしようもなかったですね。本番では人気になるだろうから消します。意地でも買いません。
K:そもそも弥生賞のレベルはどうでしょう?
私:難しい質問です。展開が違ってたら着順は少し変わったかもしれませぬ。でも、勝ち馬はどんな展開でも来てたとは思います。
K:あなたの推してるマテンロウレオは全くダメでした。
私:ですね。少しかかり気味に見えました。まあ本番では人気落とすので買いやすくなります。ダービーまでは追ってみようかと。
K:なるほど。弥生賞組でいうと、勝ち馬のアスクビクターモアは皐月賞でも買えると?
私:馬場状態しだいですけど。皐月賞の話についてはまた機会があればしましょう。
K:では、今週の金鯱賞についてです。
私:金鯱賞は名古屋城だけに、名古屋(758)馬券を買いましょうかね。
K:「758」で、名古屋ですか。そんなサイン馬券をよく買うんですか?
私:あまり買ったことないですね。たまに買いますけど。おもしろそうな組み合わせだったら「578」のワイドでも買おうかなと。
K:金鯱賞もやはり4歳馬が中心でしょうか?
私:そうだと思います。個人的には、シャドウディーヴァやポタジェは買いますよー。あとは、先行馬を狙いますかね。
K:わかりました。ところで、競馬ってなかなか馬券的中できないですよねー?
私:いや、的中させるだけなら簡単ですけど。
K:えっ、そうなんですか?
私:ええ。全頭の単勝と複勝を全レースで買えばいいんです。
K:それは、確かに的中には当たりますけど、そんなんでは損しますでしょ。
私:おそらく誰もやってないから儲からないんでしょ。
K:1日36レースあるとして、1レース平均出走頭数が12頭としたら、全部で432頭分の単勝複勝を買うとなると、432×2×100で、86,400円かかるわけですよね。
私:まあ買わないレースも出てくると思うので、最低でも七万円は必要ですね。それで、回収率が100%を越えることは最近ではなかなかないでしょうね。あったとしても、年に数回あるかどうか。
K:やる意味あります?
私:それは馬券予想ではないので、予想としては意味はないです。まあ、どんな馬券をどう買おうが自由だということです。
K:まあ、自由ですけども。
私:やはり、馬券というのは予想してなんぼですので。
K:では、そちらの予想スタイル(?)をまた教えて下さいよー。
私:いいんですよー。でも長くなるから待っててね。いつかしましょうっ!
K:はい。いつでもいいので。僕も3月はだいたい暇ですので、よろしくです。
私:まあ、花粉症がしんどくなければ。また会いましょう。
(成城比丘太郎)