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まとめ

2018年まとめ【書物・アニメ】

投稿日:2018年12月24日 更新日:

  • 2018年のまとめ(2)
  • 今年読んだ本についてのふりかえり
  • アニメについても少し

【はじめに、ブックガイド本について】

世間には、ブックガイド本や、それに類するような書評本などがあふれています。同様に、ネット上にも書評めいた感想であふれています。私がそれらを読むのは、自分が本を選ぶ時の参考にすることともに、他の人がどのような読み方をしているのかを楽しむことにもあります。とくに、書物として出版されたものは色々おもしろいので、(主に図書館で借りてきて)たまに読みます。

先日図書館で借りてきたのは、松岡正剛(協力:荒俣宏)『遊読365冊』(工作舎)です。この本には、上記の二人が選んだ365冊の本と、それに関する簡単な説明が載っています。1981年時点における日本で出版されていた古い本が載せられていて、それらのほとんどは新刊で手に入らないものばかりです。でも、なんとなくそれがおもしろい。で、本書をパラパラ読んでいたら、いろんな本が紹介されているなかで、西田正好という人の本が紹介されているのに目がいきました。私は、『一休』(西田正好・著、講談社現代新書)を以前古本で読んだことがあり、とても感銘を受けたことをおぼえています。この著者は今から40年ほど前に30代で急逝されたようで、もし現在まで生きていたらどのような業績を上げていたのでしょう。本書に触れられている西田正好氏の著者は現在すべてが品切れ(というか絶版)のようで、どこかで復刊してくれないものか(文庫化希望)。

さて、私が今まで読んできた書評本で、おそらくもっとも好きなもののひとつは、山村修のものでしょう。この人も12年前に亡くなっていて残念。山村のものは図書館で借りてきてよく読みました。私が現在、手元に所持している山村修名義の本は、『<狐>が選んだ入門書』(ちくま新書)と、『書評家<狐>の読書遺産』(文春新書)の二冊です。久しぶりにパラパラとめくっていたら、やはりイイなぁと思いました。私が書きたいのは、山村修のような文章じゃないかと思いました。山村の書評は簡明で、説教臭いところがあまり(というか、ほとんど)なく、自分が本を楽しむことを書く上で独善的になっていません(プロの書評家?のなかには、自分だけが読書を楽しんでいて、その書評を読む人のことを考えない人がまれにいるような気がする)。山村の文章はとても好きなものでした。私も見習っていきたい・・・。

【今年の簡単なふりかえりと、来年の目標について】

2018年に読んだ本について簡単に。今年は何冊読んだか数えていませんが、おそらく200冊も読めていません。まあ、数読めばいいものでもないですが。今年は例年よりも読む冊数は減りました。なぜかというと、読む量に比べて、ブログに感想等を書く時間が圧倒的に多かったためです。しかもその感想等は、自分でもわけのわからないムダな長文も多くて、それが読書の時間を奪ってしまいました。まずは、このことが今年の反省点です。2019年は、簡単な感想とかを手短に書くように心がけようと思います。で、読む量が減ったなかで、一番被害を受けた(?)のがSFです。もともと、私にとってSFは娯楽目的というか息抜きというか、ブログの感想記事のこととか何も考えずに楽しんで読むものだったのですが、今年は時間が削られたために全くといっていいほど読めなかった。2019年は、このブログのことを考えずにSFを読もうと思う。

今年読んだホラーについてですが、もうすでにブログに個々の記事として書いているので、何も書くことがありません。まあちょっとだけ言うと、今年はおそらくはじめてE・F・ベンスンの短篇集を読んだのが印象に残っています。あと、グラビンスキの作品をはじめて読んで、それもよかったし、ホラー以外では、後藤明生の『メメント・モリ』を十数年ぶりに読めたのもよかった。その他、このブログには書かなかったもののなかで、ちょっとムダだったかなと思う読書もありましたが、それらも読書人生には必要だと思うので、来年も10冊に1冊はムダだと思う本を読んでいきたい。

【番外編:意表をつかれた本】

今年一番読みはじめて「意表をつかれた本」について。それは、

・市田良彦『ルイ・アルチュセール』(岩波新書)です。

この本がもし哲学叢書といったかんじの単行本であれば身構えて読んだと思うので、そうであれば意表をつかれることはなかったでしょう。私は本書を手に取った時に、てっきりアルチュセールの入門書だろうと思いこんでページを開きました。しかしそれは、十数ページ読んだところで、「あれっ、これは入門書じゃないんちゃうか」という認識に変わりました。そこから態度を改めてしっかりと読みはじめたのですが、なかなか手ごわい本でした。分かるところと全く分からないところがあり、まだまだ勉強が足りないと思わされました。なんというか、もっと下準備してもう一度チャレンジしたい。

なんというか、今年もいろいろ読みましたが、なんか読むのに追われた感もあります。でも、読んで何かを書くことによって、なんとなく世界が広がったような気もします。勘違いかもしれませんが。まあ、読書(と感想書き)をこれからも楽しんでいきまっしょい、ということです。ってなわけで、来年もこのようなブログを読んでいただければありがたいです。

【さいごに、アニメ(とアニソン)について】

今年のテレビアニメは良作が多い印象で楽しめました。これだけ楽しめたのは、おそらく2015年以来じゃないかと思います。視聴したアニメの感想に関してはここに色々書いたので、とくにまとめることはありません。一作品だけ、今年放送のテレビアニメの中で挙げるとすると、それは『宇宙(そら)よりも遠い場所』でしょう。この作品は、家族の方々が集って一緒に観る分には一番おススメです(安心して観られます)。内容としては、女子高生たちが南極に行くには実際どうすればいいかというのが、ますはおもしろい。物語はそこからはじまってラストの方は感動的なものになります。私は、目と鼻から水分がとめどなく溢れだしてどうしようもなかった。12話エンディングのスタッフロールの文字は、視界がぼやけてまともに観ることができなかった。テレビアニメでこれほど泣いたのは、おそらくクラナド(アフターストーリー)以来じゃないでしょうか、

さて、アニソンについてです。まず一般的にアニソンとはなにかというと、まあアニメソングの略で、つまりはアニメで流れた曲です(オープニング、エンディング、劇中歌など)。今年も様々なアニソンがありました。今年発表された楽曲の中で、私の頭の中で一番流れていたんじゃないかと思うものは、アニメ『多田くんは恋をしない』のオープニング曲「オトモダチフィルム」(オーイシマサヨシ・歌)でしょう。エンディングのカバー曲もよかったが、このオープニングは、なんか懐かしい感じがしてよかった(昔の洋楽ポップスを思わせる)。作詞・作曲の大石昌良は、アニソン界のいいメロディメーカーだなぁと思います。ところで、メロディメーカーって何?と訊かないでください。私はよく分からず使ってるので。ちなみに大石昌良は、あの『けものフレンズ』の曲の制作者でもあります。

さて、今年からアニサマ(アニメロサマーライヴ)のテレビ放送は、NHK-BSからBSフジに変わりました。(放送の)変更点としては、まずCMが入ったこと(これは、とばせばいい)、曲の合間に変なアイキャッチが入った(これの音は少しうっとおしい)、歌い手やアニメなどの解説文がほとんどない、そして放送時間が少し短くなったくらいでしょうか。個人的には、NHKの方がよかった。それはそうとして、今年のアニサマ放送を二日目まで見て思ったのは、ほんま「アイドル(声優)歌合戦やなぁ」という感慨です。とくにアイドルのような声優だらけ。もしこれが紅白歌合戦だったら、文句なく紅組の圧勝でしょう、というくらい女性声優が多かった印象。アニソン歌手限定の人は少なかったような気がする。これがいいのかどうか分からない。なんか以前に、声優がアイドルのように歌いだして、(本職)歌手の出番が減ったことを嘆いていた人がいたが、よく考えると、声優には歌手志望の人はいるし、何よりアニメ制作数が増えたしアニメの中でキャラソンの占める割合が増えたのだから仕方ないとは思う。それよりも、当のアニメ作品自体はヒットしなくてもそこで流されるアニソンでこれだけ楽しめるのは、もうアニソンとアニソンフェスいうコンテクストで観客は楽しんでるんかなと思った(最近読みだしている、高橋源一郎『今夜はひとりぼっちかい?』を読んでそう思った[※1])。ということは、アニメはいらなくなるんじゃ・・・。そういやこの前、堂島孝平が架空アニメの曲を椿鬼奴に提供してたな。で、ここまで書いていて、よく考えたら、私が小学生の時に感銘を受けたアニソンにはアイドルが歌ったものが多かった。例えば、「愛・おぼえていますか」(マクロス)とか、Zガンダムとか、ボスコアドベンチャーのオープニングとエンディングとか。これらの中には後に声優になった人もいるし、まあ他にも出演声優かアイドルの人が歌ったアニソンは昔からあるし、まあ楽しめればいいか。アニサマに関していうと、もうちょっと多彩なメンバーをだしてほしい(が、様々な業界の事情があるのだろうからどうでもいい)。

[※1]
この高橋源一郎の小説には、ツイッターが使われている。いや、使われているのではなくて、ツイッター上でのやり取りが文学(小説)になることを実作として示していて興味深い。まあ、すこし前に連載されていた小説だけど。

【まとめ】

えー、とくにまとめることもありませんが、本に関してはいろいろ読んでいろいろ感想とか書いていきたい。というか、感想を書くことをあまり考えずに本を読んでいこうと思う。アニメは、まあ、少し抑え気味に楽しんでいこうと思う。

(成城比丘太郎)

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