★★★☆☆

孤虫症(真梨幸子/講談社文庫)

投稿日:2016年12月13日 更新日:

  • 怖い、エロい、痒い
  • 読みやすいが万人向けなテーマではない
  • シモネタ系悪趣味パラダイス
  • おススメ度:★★★☆☆

体中にブルーベリー大のコブが出来る奇病が発生。その中には無数の寄生虫が……という設定で「うわぁ」と思ったら、この本は読まない方が得策だ。とにかく、タイトル通りの気持ちの悪い描写の連続に加え、それに女性のダークな心理描写が繰り返され、息苦しい読書感が最初から最後まで続く。

また、かなりストレートな性描写もあり(初期設定ではフリーセックスを楽しむ主婦が主役)、こういった設定に耐性がないと、非常な嫌悪感も抱くだろう。このシモネタ系悪趣味パラダイスを楽しめるかどうかは、やはり、読み手の嗜好次第、というところだろう。

一方、第32回メフィスト賞受賞作品だけあり、エキセントリックな内容に反して、結構しっかりした展開が待っていて、読み応えあり。グロテスクな描写が物語をミスリードしている面もあるので、思った以上に複雑な内容だ。

ちなみに、この小説のモチーフは実際にある奇病(下記参照)。最近、ネットなどでよく耳にするようになったが、小説が初版が2005年4月1日なので、時代を先取りしたテーマだと思う(不謹慎かどうかは置いておく)。

芽殖孤虫 – Wikipedia

とにかく気持ち悪いけど、読みやすい。ただ、全身がくまなく痒くなってしまう……。

(きうら)


孤虫症 [ 真梨幸子 ]


-★★★☆☆
-, ,

執筆者:

関連記事

コンパス・ローズ(アーシュラ・K・ル=グウィン、越智道雄[訳]/ちくま文庫)~読書メモ(31)

読書メモ(031) 人生の指針となりうるかもしれない20の短篇 SFとファンタジーと文学の融合 おススメ度:★★★☆☆ 昨年亡くなったアーシュラ・K・ル=グウィン(Le-Guin、1929-2018) …

「幻想文学――転覆の文学」『幻想と怪奇の英文学・3』(ローズマリー・ジャクスン、下楠昌哉[訳]/春風社)~読書メモ(33)

読書メモ(033) 「幻想文学」とはジャンルではなく、「様式(モード)」である 「幻想文学」ファン必携の本 おススメ度:★★★☆☆ 【はじめに】 幻想文学(幻想小説・ファンタジー)という用語をよく使う …

未来の年表(河合雅司/講談社現代新書)

止められない少子化(人口減少)の実情と、それへの「処方箋」。 「静かなる有事」という、人口減少による(日本)社会崩壊の危機。 日本の「おそるべき未来を時系列にそって、かつ体系的に」ときあかす。 おスス …

苦役列車(西村賢太/新潮文庫)

赤裸々で陰鬱な青春物語 タイトルほど仕事が苦役でない 寧ろ「生まれ」についての苦悩 私はかねてより、労働の本質を描くと絶対ホラーになるのではないかという意見を持っており、それがこの本を選んだ理由だ。奇 …

「ゆるキャン△」の秋(成城比丘太郎のコラム-07)

「コラム」という名の穴埋め企画(三度目) 「ゆるキャン△7巻」から アニメに出てくる飯や、本屋のことなど おススメ度:★★★☆☆ 【はじめに】 10月に入り、私は強烈な秋の花粉症に悩まされていたのです …

アーカイブ