- 怖い、エロい、痒い
- 読みやすいが万人向けなテーマではない
- シモネタ系悪趣味パラダイス
- おススメ度:★★★☆☆
体中にブルーベリー大のコブが出来る奇病が発生。その中には無数の寄生虫が……という設定で「うわぁ」と思ったら、この本は読まない方が得策だ。とにかく、タイトル通りの気持ちの悪い描写の連続に加え、それに女性のダークな心理描写が繰り返され、息苦しい読書感が最初から最後まで続く。
また、かなりストレートな性描写もあり(初期設定ではフリーセックスを楽しむ主婦が主役)、こういった設定に耐性がないと、非常な嫌悪感も抱くだろう。このシモネタ系悪趣味パラダイスを楽しめるかどうかは、やはり、読み手の嗜好次第、というところだろう。
一方、第32回メフィスト賞受賞作品だけあり、エキセントリックな内容に反して、結構しっかりした展開が待っていて、読み応えあり。グロテスクな描写が物語をミスリードしている面もあるので、思った以上に複雑な内容だ。
ちなみに、この小説のモチーフは実際にある奇病(下記参照)。最近、ネットなどでよく耳にするようになったが、小説が初版が2005年4月1日なので、時代を先取りしたテーマだと思う(不謹慎かどうかは置いておく)。
とにかく気持ち悪いけど、読みやすい。ただ、全身がくまなく痒くなってしまう……。
(きうら)
![]() 孤虫症 [ 真梨幸子 ] |