★★☆☆☆

バトルロワイヤル(高見広春/幻冬舎)

投稿日:2016年12月25日 更新日:

  • 当時斬新だった「中学生同士の殺し合い」がテーマ
  • キャラが類型的で単調な展開
  • ごく普通の娯楽小説
  • おススメ度:★★☆☆☆

出版当時は国会で話題に上がったという問題作……のはずだが、中身はごくごく普通の娯楽作品だ。「中学生同士の殺し合い」という設定以外は、多くのキャラクターが互いにバトルを繰り広げて勝ち残り戦を展開するという一つの定型に乗っ取って書かれてる。

本題からそれるが、この本が「有害図書(変なレッテルだが)」とは思えない。なぜなら、最初から「この物語の設定はあくまでジョークですよ」と作者が冒頭で声高に述べているからだ。物語の前の引用が「金八先生」で、悪役の名前も「金持」となっている。危ない本も確かにあるが、この程度の本を読んで犯罪が起きるなら、日本は犯罪大国になっていたと思う。

内容は、全員の死に様をひたすら書き続けるというスタイル。手法的には疑問もあるが、ある種の迫力になっているのも事実。ただ、類型的なキャラが次々登場する展開に途中で厭きる。部分部分はそこそこ楽しめるので、上手く編集すればもっと良くなるとも思う。

そこそこ楽しめる娯楽作品で、それ以上でもそれ以下でもない。「プレイヤー同士の殺し合い」では貴志祐介の「クリムゾンの迷宮」の方が好みだ。


-★★☆☆☆
-, ,

執筆者:

関連記事

感染―J‐HORROR THEATER (角川ホラー文庫/塚橋 一道)

出だしはとても素晴らしい アイデアのコアは平凡 最後は例の投げっぱなし系 おススメ度:★★☆☆☆ 医療モノはハズレなし。最初の30Pくらいを読んだあたりではそう思った。昔懐かしいアメリカのドラマ「ER …

他人事(平山夢明/集英社文庫)

シュールで黒い創作短編ホラー集 理不尽を通り越して異空間化 実話会談の方が好み おススメ度:★★☆☆☆ 明けましておめでとうございます。 ていうか皆さん、ホラーなんて普段、読まないでしょう。特に私が好 …

日本〔論〕についての会話

死者と先祖の話 (山折哲雄/角川選書) 日本論(石川九楊/講談社選書メチエ) 日本と日本文化を規定するものとは 宗教観と日本語から見る日本論 どちらも中途半端なかんじです おススメ度:★★☆☆☆ 【登 …

ファントム・ピークス(北林一光/角川文庫)~ネタバレなしのモヤモヤする感想

山で起こる謎の失踪事件を追う 可もなく不可もない文章 オチにはちょっとがっかり おススメ度:★★☆☆☆ 困った。ジャンル分けや詳しい感想を書くと、ネタバレに直結するという本なので、非常に扱いづらい。し …

実録怪異録 死に姓の陸 (西浦和也/竹書房ホラー文庫)

実話短編怪談集。メインタイトルは連作 堂に入った語り口で安定して読める 実話だと思うが、霊現象そのものには「?」 おススメ度:★★☆☆☆ こういうサイトを運営していると時々読みたくなる実話怪談シリーズ …

アーカイブ