- 超常現象を科学的に解説する真面目なノンフィクション
- UFOから心霊、惑星の衝突やニセ化学まで多彩な42のテーマ
- 物足りない所もあるが、とにかく解説が分かりやすくて面白い
- おススメ度:★★★★☆
本書は小説ではなく、古今東西、人口に膾炙している不思議な現象を科学的に検証する一種の超常現象の解説本だ。この手の本はいくつか読んだが「メジャーな題材が多いこと」「きちんとした結論が出されていること」「面白くて読みやすい構成であること」がこの本の優れた点だと思う。紹介するのはシリーズでは2番目の本だが、どこから読んでも構わない。
そもそも著者のASIOSとはホームページの説明によれば「2007年に日本で発足した団体です。当会の主な活動目的は、超常現象を懐疑的に調査していくことにあります。懐疑とは、本当にそれが事実であるのか、注意深く、客観的に立証を求めていく態度のことです」と書かれており、超能力や霊やUFOといった現象を盲信するのではなく、解明可能な現象として調査している団体のようだ。ネットでもそういったサイトや解説が入り乱れているが、調査と結論がはっきりしていて一線を画す団体だと思う。
例えば、本書では「ツタンカーメンの呪い」や「幻の怪蛇ツチノコ伝説」「アンティキテラの機械」と言ったメジャーなものから、「石川県で降ったオタマジャクシ」や「ええじゃないかの真相」「テレポーテーションした山小屋」といったユニークな題材、「フリーエネルギーは存在するか」「惑星マルドゥクの接近」「脳は10%しか使われていない?」といった科学的な題材まで、実に42のテーマが取り上げられている。どれか一つでも興味があれば、読んでみる価値は十分にあると思う。
ちなみに解説は複数の会員(著者)によって書かれており、調査内容のクオリティに若干のバラツキがある。読みにくいなどということはないが、物足りない調査があるのも事実だ。著者の一人であり、この会の会長である本城達也氏はご自身のホームページ「超常現象の謎解き」で本書と似た構成で「謎」を紹介されているので、本書を購入する前に、一度そちらを読まれてみてはどうだろうか。
値段は少々高いが、怖い話や超常現象が好きな方にはきっとその分の価値のある、そんな面白い一冊だ。
(きうら)
![]() 謎解き 超常現象2【電子書籍】[ ASIOS ] |