★★★☆☆

恐怖箱 厭鬼 恐怖箱シリーズ (つくね乱蔵/竹書房文庫)

投稿日:2017年2月8日 更新日:

  • 厭な後味がテーマの実録系怪談集
  • 幽霊・呪いなどがバンバン登場する直球怪談
  • オチが割と明確なので、小説的な楽しみ方もできる
  • おススメ度:★★★☆☆

連続で当ブログを閲覧されている方には久々のジャンルとなる実録系怪談集。決まった主人公がおらず、作者が聞いた(あるいは一部創作・加筆した)「本当にあった」短いエピソードが35編集めれている。表題にも書いたが、2017年2月現在「Kindle Unlimited」対応なので、アマゾンプライム会員の方なら無料で読むことが可能
内容の主な特徴は3つ。「霊的な存在」「厭な後味」「オチが割と明瞭」。

「霊的な存在」に関しては、当然と言えば当然だが、その存在が生きているか死んでいるかかかわらず、いわゆる「死霊・生霊・祟り・呪い」関連のエピソードが多い。例えば「ねぇ」というエピソードでは明らかに幽霊と思われる少女とのちょっと切ない交流が描かれている。何らかの合理的解釈がある話が好きな方には不向き。

「厭な後味」これはもうタイトルにあるのだから、狙ってテーマにしている内容だ。全てがそうではないが、いわゆる「傍観者だと思っていた人間が実は騙されて巻き込まれている」ようなエピソードがある。他にも、怖いというより不気味がオチが「ポリ袋女」なども印象的だ。誰も救われない話だが、構成が凝っていて面白い。

「オチが割と明瞭」というのは、作者の作風なのだろうが、これまで読んだ実録会談のように「投げっぱなし」感が少ない話が多い。「菊枕」という話は、主婦の心の暗部を描いているが、最後のオチがニヤリとさせるような内容だ。起承転結がしっかりしているので、ノンフィクションにフィクション要素が足されているように思えるのがこの本の特徴だろう。

取り留めのない感想になってしまったが、どのエピソードも工夫されていて、ちょっとした読書には最適だ。作者にスプラッター的趣味はないが、それなりに残酷なシーンも出てくるのでご注意を。こういっては失礼でなければ「暇つぶしに読むには最適」な一冊だと思う。

ちなみにAmazonプライムの紹介は以下をどうぞ。この本以外にも実録系怪談集は多数読める。これはブログの趣旨に反するが実は本よりもビデオの方が充実していて「お急ぎ便」のおまけだと思えば、十分すぎるほどだ。月に1度以上Amazonを利用する方にはオススメ。

(きうら)
Amazonプライム


恐怖箱厭鬼 [ つくね乱蔵 ]


-★★★☆☆
-, ,

執筆者:

関連記事

山岡鉄舟と月岡芳年について《1》~あるふたりの会話から

   山岡鉄舟-決定版(小島英記/日本経済新聞出版社) 月岡芳年伝(菅原真弓/中央公論美術出版) とあるふたりの暇にまかせた会話 幕末明治を生き抜いたふたりの人物から 江戸で生まれたふたりに、ニアミス …

拝み屋怪談 鬼神の岩戸 (郷内心瞳/角川ホラー文庫) ~軽いネタバレ

安定のシリーズもの怪談集 単発怪談+連作怪談 思わせぶりな分、少し肩透かし感 おススメ度:★★★☆☆ この著者の作品は過去にも紹介(拝み屋郷内 花嫁の家拝み屋)している。現役の拝み屋が自分自身の体験か …

ドラゴンヘッド(1)-(10) 【完結】(望月峯太郎/ヤングマガジンコミックス)

世紀末漫画の傑作 最初の方はよく出来ている 収拾が付かなくなったのが残念 おススメ度:★★★☆☆ 1995年にコミックスの初版を出版しているリアルなディストピアものの漫画。当時は、けっこうブームになっ …

私のクラスの生徒が、一晩で24人死にました。(日向奈くらら/角川ホラー文庫)~あらすじと後半ネタバレ気味紹介

タイトル通りの大量殺人(?)の謎を追う 猟奇趣味全開の完全なる現代ホラー 一読は面白いが、すごく惜しい。 おススメ度:★★★☆☆ あんまりと言えばあんまりなタイトルだが、中身もそのまんまである。物語的 …

サンマイ崩れ(吉岡暁/角川ホラー文庫)~あらすじと感想

災害ボランティアに向かう若者の怪奇な短編 書下ろしの「ウスサマ明王」は中々変わった内容 前者は不条理系ホラー、後者はバトルもの おススメ度:★★★☆☆ 「サンマイ崩れ」というタイトルはとても秀逸だと思 …

アーカイブ