3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

★★★★☆

ユリゴコロ(沼田まほかる/双葉文庫)~あらすじとそれに関する軽いネタバレ、感想

投稿日:2017年3月23日 更新日:

不幸な主人公を襲う驚愕の家族の真実

かなり暗いタッチ&怖い。好き嫌いはあるかも

オチが秀逸。かつ感動できる

おススメ度:★★★★☆

ドックランを経営する主人公が、母親を失い、父が末期癌であるところから物語はスタートする。そして、父のいない部屋の奥で見つけた「ユリゴコロ」というノート。そのノートには家族にまつわる衝撃的な内容が書かれていた……というのが導入部で、後はネタバレになるので、実際に読んでみるのが一番だ。

上記のような設定で始まるので、最初は「暗いな……」と思って読み始めるが、小説内の小説ともいえる「ユリゴコロ」を読むうちに、だんだん面白く、怖くなっていく。いわゆる幽霊ネタではないが、かといってミステリというには違う気もするし、リアルだがフィクションではないし、ジャンル分けが難しい小説だ。

ただ、ホラーで始まって最後には「愛」をテーマに終わるというところが変わっている点だ。それも巧妙に伏線を撒いておいて、後で回収するという形なので、「オチで勝負」的なホラーが好きな人も満足のいく内容だ。ラストはちょっと色々あるが、感動的だ。なかなかこのテーマで終着点をあそこに持っていくのは難しいと思うので、いい小説だと思う。

実は、結構昔に読んでいたのだが、買ったことすら忘れていて、親切な書店の店員さんに薦められて文庫本を買ってきて読んだ。20ページ位で読んだことを思い出した自分は本当に間抜けだが、後悔はまったくない。再読できて楽しかった。逆に張ってある伏線にニヤニヤできる。

と、いうわけで、暗い雰囲気が苦手でなければ、一読をおススメしたい作品だ。

(きうら)

追記1:私に勧めて頂いた店員さん、ありがとうございました。
追記2:明日は更新しませんので、今日は2回更新してます。


(楽天)


-★★★★☆
-, , ,

執筆者:

関連記事

ねじの回転(ヘンリー・ジェイムズ[著]・土屋政雄[訳]/光文社古典新訳文庫) ~あらすじと感想

クリスマスイブに古い屋敷で行われた怪奇譚。 二人の美しい子どもたちと、二人の亡霊と、家庭教師の女性と。 (ゴシック小説風)ホラーとして読めます。 おススメ度:★★★★☆ 本書は、聞き手の「私」を含む何 …

ヒトごろし(京極夏彦/講談社) 【感想編】ネタばれあり

土方歳三目線の新撰組伝の感想 「ヒトごろし」とは何か 殺人鬼が平和主義? おススメ度:★★★★☆ 「ヒトごろし」は新撰組をテーマにした京極夏彦の小説である。新撰組・副長、「鬼の」土方歳三を主人公に、一 …

死ねばいいのに(京極夏彦/講談社)~あらましと感想

殺害された女性を取り巻く人間たちの業を描く 一種のミステリで、一定のパターンを繰り返す 京極作品としては珍しい作風と独特の読後感 おススメ度:★★★★☆ インパクトの強いタイトルだが、これがメインテー …

方丈記 現代語訳付き (鴨 長明(著)簗瀬一雄(訳) /角川ソフィア文庫)

読んで心地よい不朽の名文 素敵な世捨人ライフ 無常感というよりむしろエネルギッシュ おススメ度:★★★★☆ 【ご挨拶】 今年最後の更新がなぜか古典。まあ、世知辛い世の中、一年の締めにはふさわしいとも思 …

ゲーム・オブ・スローンズ(海外ドラマ) ~まだ見てない方に、見るべき理由を

中世風異世界を舞台にした実写版ファンタジー・ドラマ まあよくここまで捻った話を娯楽ドラマとして提供できると感服 ストーリーに必要なら、エロ・グロ・スプラッター何でもあり おススメ度:★★★★☆(5シー …

アーカイブ