- 劇場型犯罪を追う警察小説の傑作
- 多少のけれん味はあるが緊迫した展開
- 真に迫るラスト。読ませる。
- おススメ度;★★★★☆
これも映画化もされているようなので、有名な作品だ。いわゆる「劇場型犯罪(Wiki)をテーマにした緊迫のサスペンス小説。少々力みすぎとも思うが、一気に読ませる力がある。
(あらすじ)「犯人よ、今夜は震えて眠れ」と告げる警察官。連続児童殺人事件の姿見えぬ犯人に、警察はテレビ局と手を組んだ。史上初の劇場型捜査が始まる。やがて、警察の思惑を超えて、それは一種の犯罪ショーに発展してくが……という筋書き。
主人公の巻島史彦は捜査責任者として奔走する。時には上部に、ときにはマスコミの批判にさらされながら孤軍奮闘する。まず、その熱い姿に感動する。そして、諦めずに徐々に真相に迫っていく緊迫感。なかなか良くできた小説だ。
後半、少々派手になり過ぎる感もあるが、単なるエンターテイメント小説としての域を超えて、楽しめるいわゆる「警察小説」となっている。児童殺人がテーマになっているが、それほど恐怖をあおるものではなく、むしろ警察内部の緊迫したやり取りを楽しむ小説だ。怖いというより、面白い、それが率直な印象だ。
一言でいえば、プロが書いたプロらしい警察小説。読んで損はないと思う。こういうジャンルに興味がある方はぜひ、読んでみてはどうだろうか。ケレンミもたっぷりなので、そう言うのが嫌いな人は苦手かも知れない。私は少なくとも面白かった。
それにしても、テレビのニュースを見れば、毎日殺人や誘拐のニュースが報道されている。そんな場当たり的に報道せせず、いっそグラフにして、マップ上にマークを置いて、いつでも調べられるようにした方がいんじゃないかと思う。怖い世の中だ。平和な日本だが、皆様も決して気を抜かないようにお気をつけあれ。
(きうら)
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