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Apple AirPods Pro(第2世代) ~ANCという悪魔 2022/9/28 UpDate!

投稿日:2022年9月27日 更新日:

  • 鞄の中にアクティブノイズキャンセル(以下ANC)イヤホンが5個
  • 性能は確実に上がっている
  • 今週末に発売のBOSE製品が悩ましい
  • おススメ度:★★★☆☆

私はつくづく隣人が明らかに必要以上の衣服や靴を買い漁るのを苦々しく思っていた。とはいえ、通勤鞄に5個もANCイヤホンを持っている私はどうだろう。ANCに限らないなら10個以上ある。この辺の業の深さについては過去記事に書いたので省略する。ズバリ、Apple AirPods Pro(第2世代)は買いか否か?

まずは「魔法を再設計した」という第1世代比、約2倍と謳われるANCの性能だ。これは聞き比べてみたら分かるが「第1世代はANC機能が付いてないのではないか?」と思うレベルで飛躍的に進歩している。特に重低音の消音効果は凄まじく、静かだと思っていた会社の休憩室が「雑音だらけ」に思えるほどの威力だった。ちょっと怖いくらいに静かになる。しかし「人の声」のキャンセルは余り変わらないようだ。ANCは高い音の消音が苦手だが、これは「街中や電車でも危なくない」という設計思想なのか。私はそこもキャンセルしたい派なので少々残念である。とはいえ、あらゆる音をキャンセルできるのは耳栓ではないか、という深遠な疑問も湧いてくる。約3分の一の価格のJavraのイヤホンの遮音性の高さはANCに匹敵するからだ。

最も実力が試されるメトロではどうか? 確かに高い遮音性を誇るが、微かにノイズは聞こえるし、甲高いブレーキ音は伝わってくる。数年愛用しているSonyのオーバーイヤヘッドホンWH-1000X M3は装着時からノイズが低減、ANCがONになるとほとんど無音に感じた。この非日情感を求めていたのだが、そのレベルではない。とはいえ、むしろ車内アナウンスなどは聞こえた方がいいかも知れないし、その辺の判断が難しい。

何よりオーバーイヤーヘッドフォンは装着部がシリコンなどで出来ているので「夏場は暑くて外では着けていられない」という欠点がある。具体的には11下旬-3月上旬の約4カ月しか装着感が快適ではない。しかも重くてかさばる。耳に何かを押し付けられるストレスも看過できない。

そう音質よりANCよりApple AirPods Proが評価されてきたのはその装着感ではないか。インイヤー型であるが、カナル型のような着け心地を実現しており軽くてスマートだ。その特徴は第2世代でも変わらない。この圧迫感の少なさは素晴らしい。

9/29発売のBose QuietComfort Earbuds II…まさか2週連続でこの価格帯のANCイヤホンを買うことはできないが、レビューを読む限り「人の声」をキャンセルするらしい。くっ、先にこの情報を知っていればこちらを選んだかもしれない。しかし、このフォルムから想像するに多少は「耳にねじ込む」ことが必要だし、見た目が明らかにゴツイ。 AirPods Proの装着感は捨てがたい。私の中の悪魔が「分割払いでいいから買ってしまえ」と言っているが、そうなると私はSony、Apple新旧2台、Anker、Amazon、に加え第6のANCイヤホンを鞄に入れるということになり、どう考えても不合理である。先のオーバーイヤーを加えると7台。最早「通勤時に快適に音楽を聴く」という目的が「ANCの効果を測るために通勤(労働)する」と主客逆転してしまう。いや、既にしているのだ。

今回、AirPods Proを予約開始日にカートに入れたが、今日は普通にAmazonで買える。第1世代の時は1か月待ちくらいだった。人気が爆発しないのはいろいろ要因はあるだろうが単に「高い」のだ。戦争や疫病による慢性的な物価上昇の中、私のようなANCにという悪魔に魅入られた人間を別にすれば、ただの下っ端サラリーマンが電車の中で音楽を聴くために4万円を払う人間は多くないのだろう。休憩室で音楽を聴くだけならAnkerの9,000円くらいのイヤホンで十分だ。もっと高機能なANC目的でもこの半額の2万円くらいでSonyやJabra、JVCにノキア…と選び放題。ANC抜きなら5,000円以下でも十分実用的な製品が見つかるだろう。

ただ、本製品はiPhoneとの相性も無視できない。ペアリングの簡便さや接続性など、他の製品の追随を許さない利便性である。地味にイヤホン単体の使用時間が6時間になったり、本体にスピーカーが付いたり、細々とした改良も行っている。しかし、今回の最大の改良はこれだ。

イヤホン単体で音量調節が可能。(もう読むのも嫌になってきたフレーズだと思うが)電車の中で音楽を聴く時、特に曲の音量が一定しない場合は、都度調整が必要だ。私のように気分によって音量を変えたい派は何度も音量調整を行う。これをスマートバックルであるwena3などでカバーしていたが操作性は今一つ。フォッシルのハイブリッドスマートウォッチはその点で完璧であったが、モバイル決済が使えないという弱点は第6世代でも引き継いでいる。Apple Watchは音量調整だけならさらに操作しにくい。

具体的には少しコツが必要だが、イヤホンを少し擦るような動作で音量の上げ下げが可能だ。これはAnkerの1万円以下のANCイヤホンでも簡単に出来るのだが、AirPods Pro(第2世代)で実現したのは購入への大きなモチベーションとなった。ただ、この用途もひょっとしたら非常にニッチな需要ではないかと思えてきた。

そうそうオーディオマニア的には最も重要な音質であるが、正直に言って第一世代と大差ない。それこそハッとするほどの違いはない。そもそも私はBluetooth接続のイヤホンを車中で聴くことに細かい音質は関係ないと思っている。

昔、某一流企業の正社員の方がオーディオを聴くために、庭に桜の木で完全防音の小屋を建て、数百万のオーディオ機器と、1m10万円とも言われる特別なオーディオケーブルを用いて、500万円とも1,000万円とも言われる費用がかかったという「音楽鑑賞室」を作ったということを本人から聞いた。かくのごとく真のオーディオマニアとは、たかが1桁代のイヤホンの値段でとやかく言ったりしないのである。そもそもスマホといえど、ワイヤレスを選ぶはずはない。その人がちょっと何の音楽を聴いているかは聞きそびれたが、とにかく、本物のオーディオマニアとは私のようなANCマニアとは格が違う、いわば、マニア界の貴族的存在である。

冒頭の文言に戻るが「ズバリ、Apple AirPods Pro(第2世代)は買いか否か?」

iPhoneユーザー且つ外で音楽を聴くなら買い、だ。第1世代が気に入っている方も、バッテリーの持続時間から考えて買い換え候補だ。なにより、惰性で毎年発売されるiPhoneより、Appleがプライドをかけて投入した新製品である。これはこれでいいと思わせられる説得力がある。

それ以外は保留。それこそ個別にカウンセリングしない限り正確には答えられない。興味があればコメントして頂ければぴったりのBluetoothイヤホンをおススメします(ない、と思うけど)。

で、結論はどうかって? Bose QuietComfort Earbuds IIが週末に届くらしいから、それを待って再レビューする。あっ、ちょっとホラーっぽい本のレビューも書く予定。

ANCという悪魔。ゴールはまだまだ先だ。

2022/9/28追記

酔った勢いで12回払い笑で購入ボタンを押したBOSEは今日キャンセルした。休憩室や車内の人の声は煩わしいが、基本的に同じ機能を持った製品に2週間で8万円近く払うというのは私の収入を考えるとやりすぎだ、と反省した。昔、アルマゲドンとディープ・インパクトという映画がほとんど同時に公開されたとき「アメリカ人はダブルメロンが(たぶん乳房のたとえ)好き」という論評に笑っていたのだが、それと同じようなものだろう。この先の季節、オーバーイヤーヘッドフォンも使用できるので、消音効果はそちらで我慢しようと珍しくマトモなことを考えた。

今日、帰りの電車でApple AirPods Pro(第2世代)で音楽を聴いていて思ったのだが、やはり着け心地がいいのである。AmazonのEcho Budsに変えてみようと思ったのだが面倒くさくなった。Echo Budsを耳に入れる時は誤動作が多いことも原因だ。何より異物感がある(Echo Budsはセールで狙うには面白い製品だ)。Apple AirPods Pro(第2世代)の一番のアドバンテージはこの点にあるように思う。

(きうら)


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