3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 ★★★★☆ 」 一覧

風の歌を聴け(村上春樹/講談社) 〜あらましと感想、軽いネタバレ

悟ったような青春の一夏の追憶 著者の自伝的デビュー作 すでに作家として完成している おススメ度:★★★★☆ 読む終わって感じるのは「これは全く村上春樹そのものじゃないか」という奇妙な感慨である。デビュ …

ピアノ・レッスン(ジェーン・カンピオン監督) ~あらましと感想

2017/05/31   -★★★★☆
 , ,

驚愕するほど美しい情景と音楽 脊髄を突き抜けるエロス 愛を問う残酷な物語 おススメ度:★★★★✩ (あらまし)舞台は19世紀半ば。主人公の未亡人エイダは娘とともに、荒ぶる海を隔てた野蛮な土地へと嫁いで …

グスコーブドリの伝記(宮沢賢治/ちくま文庫) ~あらましと感想

残酷で美しい少年の成長記 静かなラストに深い余韻 宮沢賢治史上、最大のエンターテイメント小説 おススメ度:★★★★✩ 私の母が宮沢賢治のファンで、幼いころに「銀河鉄道の夜」を読めと、私に盛んに薦めてき …

杳子・妻隠(古井由吉/新潮文庫)

世間から閉じこもりがちの、一組の男女の奇妙な恋愛。 病の物語といえる。 匂い立つようなエロスが少々。 おススメ度:★★★★☆ 『杳子』は、古井由吉の芥川賞受賞作品です。粗筋としてはこれといった複雑なも …

水域(椎名誠/講談社)

2017/05/25   -★★★★☆
 ,

怪しくも美しい水のディストピア 椎名誠史上、最高の抒情性 美しいラスト、SFファン必読 おススメ度:★★★★✩ この小説を読もうと思った方、それは正解だ。ハルキストがいるとすれば、私はシーナリスト。そ …

怖くて眠れなくなる感染症(岡田晴恵/PHP研究所)

軽く読めるが、中身は結構重い。 身近にある、気をつけるべき病気。 海外渡航する人は特に注意。 おススメ度:★★★★☆ 感染症というのは、人間誰しもかかるし、いつ発症してもおかしくない病気です。(201 …

ブラッドボーン(PS4/フロム・ソフトウェア)

ホラーアクションRPG 細部までこだわった世界美術 遊べば遊ぶほど良さがわかる おススメ度:★★★★☆ (あらまし)19世紀ヴィクトリア朝をモチーフにした血みどろアクションRPG。このシリーズでは「ダ …

地を這う虫 (高村薫/文春文庫)

報われない男の諦めない物語 4つの短編を収録 人生は勝ち負けではない おススメ度:★★★★✩ (あらまし)「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。文庫本の裏面にあるフレーズ。最近気が付いたが、人生 …

淫売婦・死屍(しかばね)を食う男(葉山嘉樹/ゴマブックス) ~あらましと感想、軽いネタバレ

幻想とホラーの混じった短編。 少し作り物めいているが、妙に後に残る。 夏の夜のお供にどうぞ。 おススメ度:★★★★☆ 『淫売婦』は、ある男の体験談。事実なのか幻想なのか分からないという、なんだか覚束な …

哲学塾の風景(中島義道/講談社学術文庫)

実況感覚でおくる哲学書読解と、<哲学>実践。 特に何かに役立つわけではないのが、この塾のミソ。 哲学的センスのない人は、哲学書を読む必要がない。 おススメ度:★★★★☆ 哲学者中島義道が、<本当に>哲 …

ムーたち(2)(榎本俊二/講談社)

ムー夫の哲学的な疑問。 「サード自分」を発見したムー夫。 「規理野君」の行きつく先。 おススメ度:★★★★☆ 『ムーたち』1巻の続きである2巻では、ムー夫が「セカンド自分」を駆使して自分なりの発見をす …

狂骨の夢(京極夏彦/講談社) ~あらすじと感想、軽いネタバレ

清涼感のある猟奇系ホラーという特異な存在 前半は少々、まどろっこしいところも 読み返すと味のある展開。文庫版は多数加筆。 おススメ度:★★★★✩ 「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」に次ぐ、百鬼夜行シリーズ3作 …

天使の囀り (貴志祐介・角川文庫)

気持ち悪いとはこういうことだ 貴志作品で二回読みたくないのはこれだけ 意外に読みにくい文章が惜しい おススメ度:★★★✩✩ (あらすじ)主人公の北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医だ。その恋人で作家 …

海外文豪のこわ~い話(仮) スペードのクイーン(プーシキン/光文社)&グランド・ブルテーシュ奇譚(バルザック/光文社)

二編とも復讐にまつわる怖い話。 現代的な話として翻案できそうな面白さ。 短編で簡単に読める。 おススメ度:★★★★☆ 『スペードのクイーン』の舞台はペテルブルグ。「若い工兵将校」のゲルマンは、勝負好き …

白鳥の王子(野の白鳥) ~世界のメルヘン〈3〉(ハンス C.アンデルセン/講談社/挿絵は池田浩彰氏のもので)より ~あらすじと感想

残酷且つ美しい童話 継母によって追い出された王女の復活譚 エロティシズム溢れる挿絵。子供が「見て」いいのか? おススメ度:★★★★☆ 最近のアンデルセンの評価はどうなっているのか知らないが、せいぜい「 …

2666(ロベルト・ボラーニョ/白水社)

850ページを超える分量。しかも二段組。 謎の作家をめぐる、重層的なストーリー。 読書に辛抱強い人向けの本。 おススメ度:★★★★☆ (はじめに)チリ出身の作家ロベルト・ボラーニョの遺作である本書は、 …

下妻物語(嶽本野ばら/小学館)〜あらすじと軽いネタバレ、感想

ど田舎のロリータとヤンキーの友情 露悪的でユーモア満載 残酷さを笑いに昇華 オススメ度:★★★★☆ (あらすじ)ロリータファッションに魅力された高校二年生の桃子はダメ親父の失敗のせいで茨城県の下妻の祖 …

ムーたち(1)(榎本俊二/講談社)

ナンセンス風だが、(屁)理屈の通ったギャグ漫画(エログロなし)。 ある家族を中心にした連作短編。 登場人物の思考や行動に、共感する部分が、ひとつはあるはず。 おススメ度:★★★★☆ 「虚山(むなやま) …

この世にたやすい仕事はない(津村記久子/日本経済新聞社)

ありそうで、なさそうな5つのしごと。 少しだけ、こわい部分あり。 現在、仕事で多忙な人には向かないかも。 おススメ度:★★★★☆ 本書は五つの章で構成される、長編小説といってもいいもの。タイトル通り、 …

拷問の話(岡本綺堂/青空文庫)

日本人の誇りを示す貴重な伝聞 拷問とはサディズムにあらす 読みやすい文。感じ入る結末 おススメ度:★★★★✩ (あらすじ)江戸時代、吉五郎という人間が窃盗の罪を犯した。しかし、彼は自白しない為、拷問に …

アーカイブ