3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 ★★★☆☆ 」 一覧

鼻(曽根圭介/角川ホラー文庫)~あらましと感想、軽いネタバレ

「ブタ」と「テング」に分けられた奇妙な現代社会を描く表題作 経済寓話的な「暴落」とワンシチュエーションホラーの「受難」も収録 やや幻想的な作風、虐げられたものの不幸が主なテーマに語られる 上記に表題作 …

さらに悩ましい国語辞典(神永曉/時事通信社)~内容の簡単な紹介と「真逆」への所感

言葉の用法の悩ましさ。 揺れ動く日本語の意味。 本の紹介というより、私のとある言葉への違和感。 おススメ度:★★★☆☆ 今回は紹介というより、この書物をパラパラとめくってみて(改めて)考えた、普段から …

鏡の前のチェス盤(ボンテンペッリ[著]・橋本勝雄[訳]/光文社古典新訳文庫)~あらすじと感想、軽いネタばれ

全年齢向けの「異世界ファンタジー」。 鏡の中に入りこんだ「ぼく」が出会う不思議なものたち。 漫画的なイラスト付きで、子供でも楽しめる。 おススメ度:★★★☆☆ 本書は、イタリアの作家ボンテンペッリの幻 …

怒る技術(中島義道/PHP研究所・角川文庫)

中島流「怒る(いかる)」技術の伝授。 怒り方の倫理学ともいえる。 不必要に怒ると、怖いことになる。 おススメ度:★★★☆☆ 怒る(おこる)人を客観的に見ると、怖いものがあります。誰かを恫喝するかのよう …

ジーキル博士とハイド氏(スティーヴンスン[著]・村上博基[訳]/光文社古典新訳文庫) ~概略と感想、ネタバレあり

超有名な架空の人物。 何も知らずに読むと、ミステリーとして読めます。 怖いというより、暗い感じの悲劇。 おススメ度:★★★☆☆ 「ジキル(ジーキル)とハイド」は、その名前だけはベストセラーの域にあるほ …

東京震災記(田山花袋/河出文庫)

花袋の目で見て、肌で感じた震災の模様。 様々な人たちの体験談を聴く花袋。 ルポでありながら小説でもある。 おススメ度:★★★☆☆ 宮崎駿監督作品『風立ちぬ』の序盤で一番印象的なのは、関東大震災の描写で …

KAPPA (柴田哲孝/徳間文庫) ~あらすじと感想、軽いネタバレ

沼で人が喰い殺された謎を追うルポライター ホラーでもなく、ミステリでもない、サスペンス系 割と明るい雰囲気の気楽な娯楽小説 おススメ度:★★★☆☆ かなり前に「TENGU」という小説を取り上げたが、そ …

<ひとり死>時代のお葬式とお墓(小谷みどり/岩波新書)

葬式のありようが変わる。 お墓(埋葬)の多様化。 <ひとり死>の弔いをどうするのか。 おススメ度:★★★☆☆ <死>のことを、まず、自分が死んだらどうなるのかという実存的な問題として考えたことのある人 …

イルカと墜落( 沢木耕太郎/文春文庫)~紹介と感想

著者が実際に乗った「飛行機の墜落事故」のレポート 前半はブラジルでの少数民族に関するドキュメント 冷静な文章で読みやすい。むしろユーモアも。 おススメ度:★★★☆☆ 前回紹介した「クライマーズ・ハイ」 …

クライマーズ・ハイ (横山秀夫/文春文庫) ~あらましと感想、軽いネタバレ

日本航空123便墜落事故に遭遇した記者たちの葛藤 事故そのものではなく「報道」についてのドラマ 親友との関係が少しわかりにくい おススメ度:★★★☆☆ ご存知の通り、日本航空123便墜落事故(Wiki …

ギガントマキア(三浦建太郎/ジェッツコミックス) ~あらすじと感想、軽いネタバレ

ベルセルクの作者による異色格闘漫画 恐らくプロレスとロリータが描きたかったと思われる 一巻だけで完結。少し惜しい気も。 おススメ度:★★★☆☆ 前に紹介した「ベルセルク」の作者による一巻限りの読み切り …

デーミアン(ヘッセ[著]・酒寄進一[訳]/光文社古典新訳文庫) ~

「ぼく」ことシンクレアの「魂の遍歴」。 デーミアンという少年に導かれる「ぼく」。 BL小説として読もうと思えば、読めなくもない。 おススメ度:★★★☆☆ 本書は、エーミール・シンクレアが語り手となって …

かもめのジョナサン 完全版(リチャードバック (著)/五木寛之 (翻訳)/新潮文庫) ~ベストセラーを読む(4)

「飛ぶ」ことを純粋に求めるカモメの物語 いろんな意味でひたすら「美しい」 伝説化したのが分かるような、そうでないような おススメ度:★★★☆☆ 初めに読んだのは1974年に発行されたバージョンなので、 …

月影の迷路(リズ・ベリー[著]・田中美保子[訳]/国書刊行会) ~紹介と感想、軽いネタバレ

イギリスの「丘陵地帯」を舞台にしたファンタジー。 (歴史ある)土地のパワーに翻弄される人々。 読みやすい文章と、単純な構図。 おススメ度:★★★☆☆ (簡単な導入説明)大学入試試験を終えた「クレア」が …

空吹く風・暗黒天使と小悪魔・愛と憎しみの傷に(田中英光/講談社文芸文庫) ~作品解説と感想

「田中英光デカダン作品集」という副題。 すさまじい生活の有り様。 まさに、無頼派中の無頼派。 おススメ度:★★★☆☆ 田中英光は、太宰治に師事したことでよく知られています。私は太宰関連をよく読んでいた …

一ダースなら怖くなる (阿刀田高/文春文庫) ~紹介とレビュー、軽いネタバレ

男と女にまつわる怖い話が1ダース=12編 絶妙なブラックユーモア的な落ちがつく 大なり小なりエロス的要素がある おススメ度:★★★☆☆ 著者の阿刀田氏は星新一氏とならぶショートショートの名手として知ら …

禍家(三津田信三/角川ホラー文庫)~紹介と感想、軽いネタばれ

家と森にまつわる因縁。 結構単純な怪異の連続だが、結構怖いです。 とにかく主人公の少年がスーパーなメンタルの持ち主。 おススメ度:★★★☆☆ 多分、三津田信三を読むのはこれが初めてだと思います。「ホラ …

読んでいない本について堂々と語る方法(ピエール・バイヤール/ちくま学芸文庫) ~ちょっと変わった紹介

読書の仕方について教えてくれる? 結構知的な本。 これを読んでも、すぐに実践で役に立つわけではない。 おススメ度:★★★☆☆ タイトルからして、この読書ブログ、いえ、読書そのものに対して喧嘩をふっかけ …

ぼくは眠れない (椎名誠/新潮新書) ~紹介と感想

椎名誠が自身の不眠症について語る 不眠の原因や解決策についての雑記風 余り体系的な話ではないが興味深い おススメ度:★★★☆☆ 私はもう椎名誠の30年来の読者であるが、著者が不眠症であるという事実は、 …

二十世紀鉄仮面(小栗虫太郎/河出文庫) ~紹介と感想、軽いネタばれ

探偵・法水麟太郎が、ある意味大活躍。 ある一族の行末をめぐる事件の数々。 猛スピードで展開される物語。 おススメ度:★★★☆☆ 小栗虫太郎というと、読んだことはなくとも、あまりにも有名な作品である『黒 …

アーカイブ