3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 ミステリ 」 一覧

鉄鼠の檻(京極夏彦/講談社) ~概要と感想、若干のネタバレ

レンガ本の真骨頂。分厚い・長い・難しい。 ネタは面白いが、禅の講釈で詰まる。 セルフパロディ化しつつもある。 おススメ度:★★★☆☆ (あらすじ)新しく登場する古物商の今川を皮切りに、おなじみのメンバ …

翳りゆく夏(赤井三尋/講談社) ~概要と感想、おススメ点など

20年前の誘拐事件の謎を追う 錯綜する人間関係をスピーディに 意外性と引き替えに、ラストにも疑問も おススメ度:★★★✩✩ (あらすじ)「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」という「事件」をきっかけに、2 …

狂骨の夢(京極夏彦/講談社) ~あらすじと感想、軽いネタバレ

清涼感のある猟奇系ホラーという特異な存在 前半は少々、まどろっこしいところも 読み返すと味のある展開。文庫版は多数加筆。 おススメ度:★★★★✩ 「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」に次ぐ、百鬼夜行シリーズ3作 …

船出(上)・(下)(ヴァージニア・ウルフ/岩波文庫)

ヴァージニア・ウルフ作品の中では読みやすい。 若い娘が、人との交流の中で成長していく。 <死>が作品を包み込んでいる。 おススメ度:★★★☆☆ 暗い夜の闇の中を、南米へ向けてロンドンから出港する「一隻 …

天使の囀り (貴志祐介・角川文庫)

気持ち悪いとはこういうことだ 貴志作品で二回読みたくないのはこれだけ 意外に読みにくい文章が惜しい おススメ度:★★★✩✩ (あらすじ)主人公の北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医だ。その恋人で作家 …

海外文豪のこわ~い話(仮) スペードのクイーン(プーシキン/光文社)&グランド・ブルテーシュ奇譚(バルザック/光文社)

二編とも復讐にまつわる怖い話。 現代的な話として翻案できそうな面白さ。 短編で簡単に読める。 おススメ度:★★★★☆ 『スペードのクイーン』の舞台はペテルブルグ。「若い工兵将校」のゲルマンは、勝負好き …

2666(ロベルト・ボラーニョ/白水社)

850ページを超える分量。しかも二段組。 謎の作家をめぐる、重層的なストーリー。 読書に辛抱強い人向けの本。 おススメ度:★★★★☆ (はじめに)チリ出身の作家ロベルト・ボラーニョの遺作である本書は、 …

海豹島(久生十蘭/ゴマブックスor青空文庫) ~あらすじメイン・一部ネタバレあり

絶海の孤島での、ミステリ的挿話。 読みやすい文章。 かなしげなラスト。 おススメ度:★★★★★ 舞台は、「樺太の東海岸、オホーツク海にうかぶ絶海の孤島」である「海豹島」。時は大正元年三月、「樺太庁農林 …

K・Nの悲劇(高野和明/講談社) ~あらすじと感想、ネタバレもあり

妊娠・中絶をテーマに壮絶な夫婦の戦いを描く 最初を抜ければ、一気に読み通せる通読性 ただ、傑作に至るには今一歩何かが必要だ おススメ度:★★★☆☆ 随分長くかかってしまったが、この度の本屋の「店員さん …

三毛猫ホームズの推理(赤川次郎/角川文庫)〜あらすじと軽いネタバレ、感想

気の弱い刑事と三毛猫が密室殺人に取り組む 軽妙な文章、抜群の読みやすさ 落ちは意外とヘビー オススメ度:★★★★☆ 最早、伝説となりつつある赤川次郎の最も著名なシリーズの第1作。初めて読んだのは中一の …

ノヴァーリスの引用/滝 (奥泉光/創元推理文庫)  ~あらしじと軽いネタバレ

全編濃密なくらさ。 ミステリとサスペンス。 文体はかためですが、すっと読める。 おススメ度:★★★★☆ 『ノヴァーリスの引用』は、いわゆる「アンチミステリ」にも分類される、奥泉光の初期傑作。「死が絶対 …

6時間後に君は死ぬ(高野和明/講談社文庫) ~あらすじとそれに関する軽いネタバレ

未来予知ができる青年が関わる短編連作 落ちは読めるが面白い ただ、少々わきが甘い気もする おススメ度:★★★✩✩ 高野氏の著作は結構読んでいるが、失礼ながら当たり外れが激しい方で、外れると手に追えない …

むずかしい愛(カルヴィーノ/岩波文庫)

12のスナップ写真のやうな作品群。 人生や人間関係の難しさを教えてくれる、生活の中に潜むちょっとしたおかしさ、かなしさ、こわさ。 ホラー小説の要素はありません。 おススメ度:★★★★✩ 二十世紀イタリ …

雀蜂 (貴志祐介/角川ホラー文庫)

雪山山荘に閉じ込められた男が雀蜂におそわれる ワンシチュエーション・サスペンス&ミステリ 普通の尺度だと凡作、作者としては大駄作 おススメ度:★☆☆☆☆ 私は「黒い家」のレビューでも書いたが、作者によ …

第三の女(夏樹静子/集英社文庫)~あらすじとそれに関する軽いネタバレ、感想

交換殺人がテーマのミステリ ホラー要素と呼べるものは無し 実態はラブストーリー おススメ度:★★★☆☆ アガサ・クリスティーにもひらがなで読むと同名の本があり、内容を見る限り、「自分が誰を殺したのか分 …

ユリゴコロ(沼田まほかる/双葉文庫)~あらすじとそれに関する軽いネタバレ、感想

不幸な主人公を襲う驚愕の家族の真実 かなり暗いタッチ&怖い。好き嫌いはあるかも オチが秀逸。かつ感動できる おススメ度:★★★★☆ ドックランを経営する主人公が、母親を失い、父が末期癌であるところから …

ファントム・ピークス(北林一光/角川文庫)~ネタバレなしのモヤモヤする感想

山で起こる謎の失踪事件を追う 可もなく不可もない文章 オチにはちょっとがっかり おススメ度:★★☆☆☆ 困った。ジャンル分けや詳しい感想を書くと、ネタバレに直結するという本なので、非常に扱いづらい。し …

パラサイト・イヴ(瀬名秀明・新潮文庫)※注 核心に触れるネタバレ感想あり

医学的知識を活用したSFホラー 途中までは面白いが、オチに大不満 ネタバレありで、以下で詳しくその理由を説明します おススメ度:★★☆☆☆ 昨日、鈴木光司氏の「リング」を紹介したので、年度が近く199 …

メドゥサ、鏡をごらん(井上夢人/講談社) ~ほぼネタバレなしの感想

コンクリート詰めで絶命した作家の死の謎を追う 興味深い設定と読みやすい文章 ネタバレ嫌いの方は、一切の事前情報を絶って読って読むべし おススメ度:★★★☆☆ 導入部はこんな感じの小説。作家である藤井陽 …

狐火の家 (貴志祐介/角川文庫) ~簡単なあらすじの紹介と感想

作者の前作「硝子のハンマー」に続く短編集 前作を読んでいることが前提なので注意。 作者の持ち味と作品のテーマがずれている気がする おススメ度:★★☆☆☆ 前作・密室の謎を解く正統派ミステリー「硝子のハ …

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