3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 成城比丘太郎 」 一覧

大西巨人と六十五年(大西美智子/光文社) ~人生で絶対読むべき本について

約70年間にわたる、たたかいの記録です。 回想記でありながら、著者自らの経歴や想いを綴っています。 ともにあることの倫理。 おススメ度:★★★★☆ 2014年3月12日に、97歳で亡くなった作家、大西 …

『ゆるキャン△』と「日常感」(2)<後篇>

   前回【『ゆるキャン△』と「日常感」(1)】のつづきです。 今回もとりとめのない会話です。 「日常感」の説明と、それを感じさせるアニメについてダラダラと話されます。 おススメ度:★★★☆☆ (編者 …

『ゆるキャン△』と「日常感」(1) ゆるキャン△(あfろ/芳文社)<前篇>

アニメの背景美術にみる「日常感」。 どこでもない場所における、誰でもない人たちによる、放縦で平和な会話です。 かなり主観的な長文感想です(二部構成)。 おススメ度:★★★☆☆ <前篇> 【登場人物】 …

世界の終わりの天文台(リリー・ブルックス=ダルトン〔著〕佐田千織〔訳〕/東京創元社)

世界は終末をむかえたらしいが、はっきりしない 地上の老人と、宇宙船内部の状況を交互に描く アイリスという少女は何者なのか おススメ度:★★★★☆ 【あらすじ】 北極圏にある天文台に、研究者として就任し …

君主論(マキャヴェッリ〔著〕森川辰文〔訳〕/光文社古典新訳文庫)

マキャヴェリズムの語源となった書物です。 当時のイタリア(ルネサンス)に、新しい君主像という処方箋を。 はっきり言うと、本書の訳文には読みにくい部分があります。 おススメ度:★★★☆☆ 「マキャヴェリ …

ずっとお城で暮らしてる(シャーリイ・ジャクスン〔著〕、市田泉〔訳〕/創元推理文庫)

殺人事件のあった屋敷に暮らしてます 周りの人の悪意をひしひしと感じます 閉ざされた世界で自足的に生きていきます おススメ度:★★★★☆ 父:娘よ、シャーリイ・ジャクスンの『丘の屋敷』はもう読んだかい? …

魔法にかかった男(ディーノ・ブッツァーティ〔著〕、長野徹〔訳〕/東宣出版)

ブッツァーティ短篇集1 寓話としても読めるし、現実的な話としても読める しずかに忍び寄る不安や恐怖が味わえる、かも おススメ度:★★★★☆ 昨年末、新たに掘られた鉱山に、いくつかの展示がなされたという …

隣の不安、目前の恐怖(アンソロジー/双葉文庫)

「日本推理作家協会賞受賞作家短編集」 隣人や家族における、不安や恐怖または異変 まあまあのおもしろさ おススメ度:★★★☆☆ アンソロジー(異なる作家の作品をテーマ別などでまとめたもの)を読むおもしろ …

死の家の記録(ドストエフスキー[著]、望月哲男[訳]/光文社古典新訳文庫)

ドストエフスキーの体験を基にした記録的小説。 ロシアにおけるシベリア流刑(囚)の様子。 エピソードを連続的に描いていくので読みやすい。 おススメ度:★★★★☆ タイトルにある「死の家」とは、監獄のこと …

江戸川乱歩作品集Ⅰ(江戸川乱歩/岩波文庫)

「愛またはセクシャリティ」というテーマで選ばれた作品群。 いろんな愛を謎ときのような形で。 傑作長編『孤島の鬼』が読みごたえあり。 おススメ度:★★★★☆(作品としてのおススメ度) 江戸川乱歩の死後5 …

蔵書一代(紀田順一郎/松籟社)

「なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか」という副題 いつのまにか集まってしまう、それが蔵書 蔵書が散逸するのは、日本の文化レベルの低下のせいか おススメ度:★★★☆☆ 2018年明けましたが、とくになん …

神のみぞ知るセカイ(若木民喜/少年サンデーコミックス) ~お正月限定企画「怖くない」本(成城比丘太郎)

ギャルゲーを何よりも愛する主人公。 ふたつの三角関係を含む、多角関係のラブコメ。 序盤は恋愛シミュレーションゲーム風、後半から世界の命運を決する戦いへ。 おススメ度:とくになし。 2018年最初の記事 …

今週読んだ作品(12月第3週)と、軽いアニメ感想 ~宝石と詩の世界

鉱物 人と文化をめぐる物語(堀秀道/ちくま学芸文庫) 日本の詩歌(大岡信/岩波文庫) アニメ『宝石の国』(原作:市川春子)についての感想。 鉱物と人や文化との関わり(一冊目)。 日本の古代から中世の詩 …

氷(アンナ・カヴァン、山田和子[訳]/ちくま文庫)

異常な寒波に襲われた世界。 私にまとわりつく終末のヴィジョン。 アルビノの少女を追う、中年(?)終末旅行。 おススメ度:★★★★☆ 【あらすじ】 まず、『氷』のあらすじですが、とても簡単、というかそも …

夢見る少年の昼と夜(福永武彦/小学館P+D BOOKS)

暗さを彫琢したような短篇集。 寂しさ、死、不安、孤独。 とにかく、ただひたすら暗い。 おススメ度:★★★★☆(暗い雰囲気が好きなら) 福永は本書に載せられた「『世界の終り』後記」において、自らの作品の …

今週読んだ作品(12月第1週)<東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる/新哲学対話>

東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる(兵頭二十八/講談社+α新書) 新哲学対話(飯田隆/筑摩書房) 今週読んだ本の簡単なまとめ感想。 日本に対する核攻撃の標的と、その防護はどうなって …

縄文の思想(瀬川拓郎/講談社現代新書)

アイヌと古代海民との共通性 近現代までにいきのこる縄文の思想 おおまかなまとめ おススメ度:★★★☆☆ 著者は、考古学者でアイヌの研究者です。これまでの著書ではアイヌの歴史などを(主に)追ってきました …

わたしを離さないで(カズオ・イシグロ、土屋政雄[訳]/ハヤカワepi文庫) ~途中からネタバレ感想

平易な文章と、密度の濃い内容。 ある役目を生得的に背負った人物たちの、閉塞的な世界。 この紹介文の後半はネタバレ混じりです。 おススメ度:★★★★☆ 【ネタバレ抜きのあらすじ】 本書の主人公、というか …

羆嵐(吉村昭/新潮文庫)

近代日本史上最大の獣害を題材にとった小説(ノンフィクションではありません)。 北海道の厳しい自然にひそむ恐怖。 無残に殺され、かつ食われる人間たち。 おススメ度:★★★★☆ 日本列島に棲息する〔野生の …

レインツリーの国(有川浩/新潮文庫)

ある障害をもつ女性の、恋愛までの道。 関西弁(大阪弁)の男性が正直うざい。 内容を一般化して考えてみる。 おススメ度:★★★☆☆ 本書は、その内容を簡単に説明すると、ある障害をかかえた女性と健常者男性 …

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