3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

「 成城比丘太郎 」 一覧

とにかくうちに帰ります(津村記久子/新潮文庫)

(小さな)職場という狭い範囲での出来事。 あるフィギュア選手をめぐる話。 豪雨の中で必死に歩く姿が、人生の謂を思わせる。 おススメ度:★★★☆☆ 『職場の作法』……「私」こと、「鳥飼」の視点から職場の …

クトゥルー(1)(ラヴクラフト他[著]・大瀧啓裕[編]/青心社)

「暗黒神話体系シリーズ」第一巻。 ラヴクラフト他、クトゥルー神話作家の作品集。 クトゥルー神話入門としては色々手頃な一冊。 おススメ度:★★★★☆ ある季節になると、無性に読みたくなる本というのはある …

死の舞踏(スティーヴン・キング[著]、安野玲[訳]/ちくま文庫)

スティーヴン・キングのホラー評論。 原著は1981年刊行なので、本書で取り上げる作品は古いものです。 つまみ読みの紹介です。 おススメ度:★★★★☆ ホラーものを読む(観る)というのは、当サイトの「こ …

縮小ニッポンの衝撃(NHKスペシャル取材班/講談社現代新書)

一極集中東京の暗い未来? 自治体破綻に見舞われた「夕張」の現状。 島根県雲南市での自治組織の取り組みとは。 おススメ度:★★★☆☆ 最近こういった日本の(否定的な)暗い未来を取り上げた書籍やテレビ番組 …

2084世界の終わり(ブアレム・サンサル(著)・中村佳子(訳)/河出書房新社)~紹介と感想

宗教が支配するディストピア世界。 謎めいた単語の数々。 主人公のアティが、国の実態を知っていく流れ。 おススメ度:★★★★☆ 著者のサンサルは「アルジェリア在住のアルジェリア人」で、フランスの出版社か …

「雨月物語」(『日本文学全集11』)(上田秋成・円城塔[訳]/河出書房新社)~紹介と感想、中程度のネタばれあり

ヴァラエティーに富んだ9編。 観光文学としても読めます。 サラサラと流れるように読める翻訳。 おススメ度:★★★★☆ 『雨月物語』は近世の作品でありながら、(この翻訳によって)まるで現代の幻想怪奇小説 …

さらに悩ましい国語辞典(神永曉/時事通信社)~内容の簡単な紹介と「真逆」への所感

言葉の用法の悩ましさ。 揺れ動く日本語の意味。 本の紹介というより、私のとある言葉への違和感。 おススメ度:★★★☆☆ 今回は紹介というより、この書物をパラパラとめくってみて(改めて)考えた、普段から …

鏡の前のチェス盤(ボンテンペッリ[著]・橋本勝雄[訳]/光文社古典新訳文庫)~あらすじと感想、軽いネタばれ

全年齢向けの「異世界ファンタジー」。 鏡の中に入りこんだ「ぼく」が出会う不思議なものたち。 漫画的なイラスト付きで、子供でも楽しめる。 おススメ度:★★★☆☆ 本書は、イタリアの作家ボンテンペッリの幻 …

引き潮(R・L・スティーヴンスン&ロイド・オズボーン[著]、駒月雅子[訳]/国書刊行会)~あらすじと感想

タヒチにくすぶる三人組。 海に出た三人組のとある計画。 ある島で彼らが出会う強大な人物。 おススメ度:★★★★☆ 著者のスティーヴンスンは、先日紹介した『ジーキル博士とハイド氏』の作者で、ロイド・オズ …

怒る技術(中島義道/PHP研究所・角川文庫)

中島流「怒る(いかる)」技術の伝授。 怒り方の倫理学ともいえる。 不必要に怒ると、怖いことになる。 おススメ度:★★★☆☆ 怒る(おこる)人を客観的に見ると、怖いものがあります。誰かを恫喝するかのよう …

たたり(丘の屋敷)(シャーリイ・ジャクスン[著]・渡辺庸子[訳]/創元推理文庫) ~あらすじと感想、軽いネタバレ

モダンホラーの古典的名著とされています。 とある幽霊屋敷の調査に参加した四人に起こる怪奇現象。 参加者の一人「エレーナ」の視点から主に語られます。 おススメ度:★★★★☆ まず本書のタイトルについてで …

ジーキル博士とハイド氏(スティーヴンスン[著]・村上博基[訳]/光文社古典新訳文庫) ~概略と感想、ネタバレあり

超有名な架空の人物。 何も知らずに読むと、ミステリーとして読めます。 怖いというより、暗い感じの悲劇。 おススメ度:★★★☆☆ 「ジキル(ジーキル)とハイド」は、その名前だけはベストセラーの域にあるほ …

東京震災記(田山花袋/河出文庫)

花袋の目で見て、肌で感じた震災の模様。 様々な人たちの体験談を聴く花袋。 ルポでありながら小説でもある。 おススメ度:★★★☆☆ 宮崎駿監督作品『風立ちぬ』の序盤で一番印象的なのは、関東大震災の描写で …

異次元を覗く家(ウィリアム・ホープ・ホジスン[著]・荒俣宏[訳]/ナイトランド叢書)

ある廃墟から発見された手稿。 謎の<窖(ピット)>から出現する化け物。 とらえどころのないスケールのでかさ。 おススメ度:★★★★☆ アイルランド西部クライテンという、小さな村に滞在することになった、 …

月岡芳年 妖怪百物語(月岡芳年・日野原健司+渡邉晃[著]/青幻舎)

芳年の初期から晩年までの作品を集める。 妖怪が書かれたものを中心に。 コミカルなものから端正なものまで。 おススメ度:★★★★☆ 月岡芳年(wikipedia)は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師 …

<ひとり死>時代のお葬式とお墓(小谷みどり/岩波新書)

葬式のありようが変わる。 お墓(埋葬)の多様化。 <ひとり死>の弔いをどうするのか。 おススメ度:★★★☆☆ <死>のことを、まず、自分が死んだらどうなるのかという実存的な問題として考えたことのある人 …

ねじの回転(ヘンリー・ジェイムズ[著]・土屋政雄[訳]/光文社古典新訳文庫) ~あらすじと感想

クリスマスイブに古い屋敷で行われた怪奇譚。 二人の美しい子どもたちと、二人の亡霊と、家庭教師の女性と。 (ゴシック小説風)ホラーとして読めます。 おススメ度:★★★★☆ 本書は、聞き手の「私」を含む何 …

神聖喜劇(1)(大西巨人[原作]・のぞゑのぶひさ[漫画]/幻冬舎)~紹介と感想

大西巨人の大作の漫画化作品。 軍隊内の克明な記録。 主人公東堂太郎の博覧強記ぶり。 おススメ度:★★★★☆ 今回取り上げる本は、大西巨人(wiki)が執筆に25年もかけた大作『神聖喜劇』の漫画化作品で …

デーミアン(ヘッセ[著]・酒寄進一[訳]/光文社古典新訳文庫) ~

「ぼく」ことシンクレアの「魂の遍歴」。 デーミアンという少年に導かれる「ぼく」。 BL小説として読もうと思えば、読めなくもない。 おススメ度:★★★☆☆ 本書は、エーミール・シンクレアが語り手となって …

月影の迷路(リズ・ベリー[著]・田中美保子[訳]/国書刊行会) ~紹介と感想、軽いネタバレ

イギリスの「丘陵地帯」を舞台にしたファンタジー。 (歴史ある)土地のパワーに翻弄される人々。 読みやすい文章と、単純な構図。 おススメ度:★★★☆☆ (簡単な導入説明)大学入試試験を終えた「クレア」が …

アーカイブ