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コラム

本当にあったわずかに怖い話 <01 エスカレーター>

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前回の成城氏の投稿の通り、当面はまとめて金曜日に記事が投稿されるとのことなので、単純に更新ペースを落とすことも検討したのだが、まあ、今回は埋め草にコラムでも書いてみようかなぁ、という気になった次第。もしかしたら本当に今の二日に一度から四日に一度になるかも知れない(単純に体力の問題)。

このコラムでは基本的に体験談を書きたい。今回の状況的はこうだ。

私は最近仕事が変わって大阪へ電車通勤となった。電車だけで片道一時間少し、トータル一時間半という道のりだ。いきなり脱線するが、片道三時間掛けて通勤している親類がいるが、一時間半でも怠いのに、そこまでいくと異次元の世界だろう。大半は寝てるそうだが。

そういう訳で、朝7時頃の電車に乗るのであるが、事件はその駅のエスカレーターで起こった。
私は中年特有の疲労感のまま、ねぼけまなこで、よたよたとエレベーターに乗った。関西なので、右半分はゆっくり運ばれる用、左半分は急いで歩いて登る用と何となく区分けされている。
もちろん、私は右レーンに乗って「今晩仕事が終わったら、腹を壊さない程度に酔えるようにどういった濃度の酒を飲むのが正解であるか? 」などと下らないことを考えていた。
そこへ左レーンを登ってきた二人組のサラリーマンらしき人たちが、いきなり
「こいつ、今撮りましたよね!」
「撮った撮った! 確かに撮った!」
「スマホ見せろ!」
と、叫んだ。私が「ん?」と思って見てみると、私の前の眼鏡をかけた小柄な大学生風の男が、サラリーマンにスマホを持った左手を掴まれ、俄かにもみ合い始めた。で、直ぐにエスカレーターは終わったので、そのまま、私はいつもの電車に乗ってしまった。発車した時に車窓から眺めると、駅員を交えてまだ揉めているようであった。ちなみに盗撮されたかも知れない女性は、制服姿の高校生だったが、私の見ている限り、一切ノーリアクションだった。

と、まあそれだけの話である。私も盗撮現場を見ていたら別だったと思うが、何しろエスカレーターで登っていく前の人間の細かい動作など分からないし、空想癖のある私はとにかく注意が散漫だ。なので、二人組のサラリーマンの言うことが正しいかどうかは判断しようがないので、スルーを決め込んだが、この手の厄介ごとは苦手と言うのもある。もし盗撮が事実なら、二人組サラリーマンの勇気ある行動を称えたいが、そこの所がハッキリしないので冤罪だったという可能性もある。まあスマホの写真の履歴を見れば分かる話だと思うが、それは警察の仕事だろう。

今回、怖い点は二つある。

一つは軽い気持ちで盗撮などをしているのかも知れないが、下手すると被害者を社会的に抹殺しかねない恐ろしい行為だということだ。とかく「穢れ」思想のある日本で被害者の方のダメージは計り知れない。「たかがスカートの中」という気持ちで盗撮するのは止した方がいい。しかもデジタルデータは拡散する。本人が知らない内にスマホウイルスに感染していることもあるし、単に置き忘れてパスワードを割られることもあるだろう。何にせよ、この時代、こんな犯罪に手を染めるのは愚かすぎる。
じゃあお前は清く正しくリアルに充実した明るい社会生活を送って来たのかと言われれば「一応犯罪行為には走らなかった」程度のものだ。決して邪念の類と無縁とは言えない。寧ろ親友だ。
ただ、このサイト風に言えば今回は、他人を害すると、多かれ少なかれ必ず「呪い」を貰う。間違ってはいけないが、呪いは人から貰う場合もあるが、自らに蓄積するものでもあるのだ。呪いはやがて、知らず知らずの内に脳を侵す毒になって、行動パターンを書き換え、より「破滅しやすい」体質になっていく。クワバラクワバラ。まあこの文章自体が呪いのようでもあるのだが。

もう一つ怖いのはこの手の冤罪を食らったら、なす術がないということ。今回は写真があれば言い逃れ出来ないが、接触タイプの痴漢だったらどうだろう。この辺は「痴漢 冤罪」で調べられれば幾らでも怖い事例が出てくる。何でこんなことを書くかと言うと、帰りの満員列車の中、今まさに目の前に女性がいるからで、距離を置こうにも物理的に不可能だ。カバンを間に挟んで、両手はスマホを持って無抵抗な姿勢は取っているが、もし「痴漢よ!」と勘違いされたらどうしようもない。この無駄にスリリングな状況を早く脱したい。
本当は嬉しいんじゃないか、などと邪推される方もいるかも知れないが、まあ一度満員電車に乗って見ればいい。意味もなく体調不良が襲ってくる40代にそんな余裕は心身共にないのであった。

とは言え毎日毎日、毎度毎度、ニュースと言えば引っ切り無しに痴漢・セクハラが報道されている。あまりハッキリは言えないが、その気になれば合法的に解決しようもあるものを、なぜ人生を賭してまで、変態行為に及ぶのか? みんな頭の中がエブリディハッピーなのか?
これで少子化が進行しているのだから、やはり大事な所で、我々は道を誤ったのでは無いかと思う。思うが、これは本能と理性の果てしないせめぎ合い。こんなところで人類について論じるのも無意味なことだ。

とにかく「満員電車をどうにかして欲しい」。いっそ乗ってる人数をセンサーで計測して、ドアに搭載人数/限界人数の表示と信号のようなランプをつけるか、エレベーターのように警報を鳴らしてみてはどうか。この辺、やれそうでやらないのは電鉄会社のスルドイ経営力学が働いているのでは無いかと思うのだが、だいぶ脱線したので今回はこの辺で。

(きうら)

※言い訳:スマホで書いたせいかいつもにも増して誤字が多い。随時修正しますが、どうぞお情けを。

 

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