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★★★★☆ 読書メモ

『英国クリスマス幽霊譚傑作集』(夏来健次・編、創元推理文庫)〜「読書メモ(78)」

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  • 「読書メモ078」
  • クリスマスの時期に読みたいホラー。
  • イギリスとクリスマスと怪奇幻想の親和。
  • オススメ度:★★★★☆

【近況〜クリスマスでなくても冬に食べるもの】

クリスマスが近づいてきて寒くなってくると私の頭も寒くなってきます。寒い時には暖かくして何か食べたいですー。クリスマスというと、よくチキンを食べます。あとは、スープ類です。この時期だと宍道湖産のしじみの味噌スープです。そして、白菜と豚肉を煮混んだだけのシンプルなスープ。シンプルというと、タマネギとジャガイモだけで作ったポタージュスープも食べます飲みます。タマネギとジャガイモを細かく刻んだものですー。温もりますー。あとは、お湯に生姜をすったものを入れたドリンクも温まりますー。

今日食べたのは、味噌煮込みうどんです。味噌煮込みインスタントラーメンの味噌ダレが余ってたので、そこへうどんを入れて煮込みましたー。具材は白菜とモヤシとネギです。デリシャスでしたー。

というわけであたたかいものを食べながら、クリスマスに関するホラー作品を読みました。英国とクリスマスと幽霊譚(怪談)との組み合わせ。この組み合わせを見てヨダレが出た人は是非とも読んでみてくださいー。

【収録作品】

・「クリスマスツリー」(チャールズ・ディケンズ)

・「死者の怪談」(ジェイムズ・ヘイン・フリスウェル)

・「わが兄の幽霊譚」(アメリア・B・エドワーズ)

・「鋼の鏡、あるいは聖夜の夢」(ウィリアム・ウィルシュー・フェン)

・「海岸屋敷のクリスマス・イヴ」(イライザ・リン・リントン)

・「胡桃邸の幽霊」(J・H・リデル夫人)

・「メルローズ・スクエア二番地」(セオ・ギフト)

・「謎の肖像画」(マーク・ラザフォード)

・「幽霊廃船のクリスマス・イヴ」(フランク・クーパー)

・「残酷な冗談」(エリザベス・バーゴイン・コーペット)

・「真鍮の十字架」(H・B・マリオット・ワトスン)

・「本物と偽物」(ルイーザ・ボールドウィン)

・「青い部屋」(レティス・ガルブレイス)

※作品名と作者名については、誤りなく本書から書き写しました(つもりです)が、万が一間違いがあるかもしれません。その時はご容赦ください。
それから、訳者名も省きました。その点なにとぞご了承ください。

【簡単な紹介と、感想】

まず、この短篇集に収録された作品は、ディケンズのもの以外は本邦初訳だそうです。そして、13作品の作家のうち七人が女性作家になります。当時のイギリスにおけるこの分野には女流作家が多かったことが反映されたようです。

では、この分野とは何かというと、十九世紀イギリスのヴィクトリア朝時代における怪奇幻想小説界隈のことです。本書タイトルからわかるように、この当時のイギリスでは、幽霊譚とクリスマスは相性のよいものだったようです。本書収録作品には、直接クリスマスが舞台になってるものがあれば、そうでもないものもあります(一読した限りでは)。

内容的には、幽霊目撃談はもちろん、死者がする奇妙な怪談や、幽霊屋敷を舞台にしたものや、「幽霊廃船のクリスマス・イヴ」のようにド直球のホラーや、「わが兄の幽霊譚」のように哀しいものや、「胡桃邸の幽霊」のようにやさしいゴーストストーリーや、「メルローズ・スクエア二番地」のように謎多きまま終わるミステリ的なものもありと、色んな味があって、個人的には楽しめました。

古くさい(?)作品もあるものの、それがかえってそれぞれの味わいになっていて、しかもそれなりに怪奇幻想してるので、地元の料理屋とかデパ地下とかのように、比較的安価で名物料理を提供してくれたかのようです。そんな感じで読めました。

個別の感想はこれ以上書きませんが、とにかく現代日本のホラーといったものの淵源のひとつは、この時期のイギリスの怪奇幻想小説にあるのは間違いないとまで思えるような作品群でした(当たり前?)。まあ、クリスマスに怪談やホラーというのもよいものですので、古き良き実話怪談を読む感じで読んでみてくださいー。とくに、イギリス好きの人なら読んでみて下さい。

余談です。昔、大晦日の夜に肝試しみたいなことをしたことがあります。怖いという感情よりも、寒い(気温はたぶん氷点下)という感覚のほうがまさって、肝試しをしているという感じにはならなかったです。怖いという感情は、それを上回る感情(感覚)によって容易に上書きされるのかもしれません。

【さらなる余談〜クリスマスについて】

さて、先週、日本の競馬では阪神JFが行われました。勝ち馬だけが強かったです。来春の牝馬クラシックはこの馬を中心になるのは間違いないか。それにしても、ドゥラメンテの早逝が惜しまれる。ドゥラメンテが、キングカメハメハ産駒の最強馬ではと前々から思ってたのですけど、そのことを子どもたちが証明してくれてらー。ドゥラメンテの遺志を継いだ子どもたちには頑張ってほしいー。

ここで、話が少し逸れて、2013年の阪神JFには、クリスマスという名前の競走馬が出走してました。その名の通り、クリスマスが由来です。この馬が、クリスマス関連のレース(クリスマスローズステークスとか)に出走したことがあるかどうか調べましたけど、どうやらなさそうです。

それはいいとして(?)、今年のクリスマスには、有馬記念が行われます。エフフォーリアの復活があるかどうか。もしあれば、エフフォーリアとイクイノックスの争いかな。そこへ、ジェラルディーナ以下が割り込めるかに注目です。有馬記念の事前予想は、また来週に書きますので、よろしくおねがいしますー。

(成城比丘太郎)


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